2024年の脳活テーマの一つに、「気象予報士試験に挑む」を選びました。合格率5%以下、そして2,3年かかって合格というのは良い方だという情報があります。気象については、興味・関心があるのでゆるゆると取り組んで行けたらと思います。
2024/03/31 この固定ページを立ち上げ、学科一般・学科専門の分野の項立てをしました。ここに書かれている内容は、できるだけ正しいことを描こうと思っていますが、学習中の記録なので誤った情報が含まれている可能性があります。
過去問に挑む
学科一般過去問(52~61回)工事中 黒:未リンク 灰色:リンク済 浅黄色:完了
学科専門過去問(52~61回)工事中 黒:未リンク 灰色:リンク済 浅黄色:完了
学科一般
1 大気の構造
(1)大気の鉛直構造
対流圏 |
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成層圏 |
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中間圏 |
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熱圏 |
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(2)惑星の大気組成
地表付近の大気 |
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乾燥空気の組成 |
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エアロゾル |
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標準大気 |
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(1)気圧と層厚
気体の状態方程式 | p=ρRT |
静力学平衡の式 | Δp=-ρgΔz |
層厚 | ・層厚の平均気温が高いほど厚い ・対流圏では、低緯度(赤道側)の方が高い |
(2)相変化と水蒸気圧
混合比 |
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比湿 |
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相対湿度% |
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湿数℃ |
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水蒸気圧hPa 潜熱j/kg |
空気中の水蒸気の分圧 相変化の際、周囲の空気との吸収・放出熱 |
露点温度℃ 仮温度K |
水蒸気が飽和して凝結する温度 Tv=(1+0.61w)T w:混合比 Tv>T ※Tvを乾燥空気に置き換えて考える。 |
(3)断熱過程と温位・相当温位
乾燥断熱減率℃/km | 未飽和空気塊上昇時の温度減率 10℃/km |
湿潤断熱減率℃/km | 飽和空気塊上昇時の温度減率 5℃/km |
温位K | 空気塊を1000hPaまで乾燥断熱変化させたときの温度 |
相当温位K | 空気塊中の水蒸気を全て凝結する高度まで持ち上げた時の温位 |
(4)大気の安定・不安定
絶対安定 | 周囲の空気の気温減率<湿潤断熱減率<乾燥断熱減率 |
条件付不安定 | 湿潤断熱減率<周囲の空気の気温減率<乾燥断熱減率 |
絶対不安定 | 湿潤断熱減率<乾燥断熱減率<周囲の空気の気温減率 |
※この部分の理解に難儀する。
下の図で③は、絶対不安定…気温減率が大きいので上層が冷たく(重い)下層が暖かい状態。下層から上昇気流・上層から下降気流が起こり対流が始まる。だから、不安定。
①は、絶対安定…気温減率が小さいので上層が暖かく(軽い)下層が冷たい状態。上層の空気塊は軽いので下降しないので安定。
対流不安定…高度とともに相当温位が減少している層
対流不安定と大気の安定度のまとめ | 色と形で気象予報士! (irokata7.com)
上のブログからの引用と考察※
対流不安定とは、大気下層ほど高相当温位の空気が存在している状態、または上層ほど相当温位が低い状態をいいます。上層には低温・乾燥の大気、下層には高温・多湿の空気がある
つまり、下の様な状態
何らかの理由によって気層全体が上昇すれば、不安定な状態へと変化…対流不安定とは対流が起きたら不安定になる状態
では、どのような過程で対流不安定になるのか?
乾燥断熱変化をしているうちは、上層と下層の気温差が5℃だが、飽和に達した下層の空気は上昇しながら水蒸気が凝結するため、今度は湿潤断熱変化によって気温が下がっていきます。下層は1000mにつき5℃低下して15℃、上層は5℃になり、気温差が10℃になる。
よって、上昇気流が起こり不安定になる。
※エネルギーは、安定した状態を求めるということですね。これをエマグラムで表現する部分がまだまだです。
(5)エマグラム
エマグラムの利用目的は大気の状態を視覚的に知るということ
このグラフで気温・気圧・等飽和混合比の関係が分かりやすく表現されているようです。例えば、20℃の空気塊は500hPaの高度まで昇ると気温が10℃になり、飽和水蒸気量は15g/kgということかな?
試しに、飽和水蒸気量は20℃で17.2g/kg、10℃で9.3g/kg。気圧が1000から500hPaまで下がっているので15g/kgは、17.2g/kg~9.3g/kgの間の値ということになりそうですが、今の段階での詳細な理解にはたどり着いていません。
エマグラムの基本形として、横軸に気温℃、縦軸に高度hPaを表しています。そこに、気温減率10℃/kmの乾燥断熱線と気温減率5℃/kmの湿潤断熱線、さらに等飽和混合比線が予め引かれています。そこに実際に観測された大気の温度の線(状態曲線)と実際に観測された露点温度の線を描くことで大気の状態が分かるということです。
気圧Aで気温A℃の空気塊を乾燥断熱線に沿って辿っていき、等飽和混合線に交わった地点が空気塊が飽和に達する高度です。空気塊がそこからさらに上昇していくと、すでに飽和に達しているので今度は湿潤断熱線に沿って雲をつくりながら上昇していきます。
飽和に達したときの高度を持ち上げ凝結高度(LCL)といいます。
実際に観測された大気の温度の線(状態曲線)と実際に観測された露点温度の線を加えてみます。
実際の気温や露点温度の分布は、ゾンデなどから得たデータをもとに引かれるのだと思いますが、「気温ー露点温度」で湿数という値が出てきます。この差が小さいほど空気が湿っています。湿った空気は、少し冷やすと飽和しやすいということになります。
持ち上げ凝結高度(LCL)までは、飽和するまでは乾燥断熱線に沿って温度が低下します。持ち上げ凝結高度(LCL)は、雲底高度とも言い雲の底の高さを示します。地上の空気が湿っていると空気塊は早く飽和になり、その分雲底高度は低くなります。
上の図の状態曲線(黒色)は、空気塊の線より右側にあるので、空気塊より周辺大気の気温が高いことが分かります。
飽和に達した空気塊は、雲をつくりながら湿潤断熱線に沿って上昇します。※露点に達しても、いくつかの条件が整わないと雨粒にはなりません。湿潤断熱線の傾きは小さいので、やがて状態曲線と交差します。交差したところでは空気塊と周辺大気は再び同じ温度(水色)になります。この交差する高度を自由対流高度(LFC)といいます。
図の右側にロケットの絵があります。自由対流高度までは1段目ということで、さらに何らかの力で空気塊が持ち上げられるとロケット2段目ということになります。何らかの力、下層収束、地形、対流、前線などがあります。
参照 エマグラム入門2(CAPEとCIN) | 色と形で気象予報士! (irokata7.com)
上には、上がありますね。持ち上げ凝結高度の上に自由対流高度、その上に中立高度ですか!
この辺まで来ると、この話、もう嫌になっちゃいますね。でも、もう少しです。
らに高度が上がると、ある高度で再び状態曲線と湿潤断熱線が交差します。
この高度を中立高度(LNB)、または中立浮力高度、平衡高度などと呼びます。
これより上空では再び空気塊の方が周辺大気より温度が低く重くなるので、上昇はそこでストップします。
それで中立高度は雲のてっぺん、雲頂高度でもあります。
コピペで済ませます。
3 降水過程
(1)雲と雨
雲粒と雨粒
雲粒 | 雲をつくる微小水滴や微小氷晶 平均半径10μm 50μm以上は雨粒 |
雨粒 | 1mm前後 4mm以上は、落下中分裂する |
過飽和度 | {(水蒸気圧ー飽和水蒸気圧)/飽和水蒸気圧}×100 過飽和度を求める問いあり |
エアロゾル | 土壌粒子、海塩粒子、火山噴火、人間活動による排出粒子 |
雲粒(氷晶)ができるためには、過飽和と凝結核(氷晶核)となるエアロゾルが必要である。エアロゾルのうち、水滴をつくる核となるものを凝結核、氷晶をつくる核となるものを氷晶核という。
暖かい雨 |
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冷たい雨 |
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エーロゾルの役割を水蒸気圧から見る(水滴の生成2) | 色と形で気象予報士! (irokata7.com)
雲粒と雨粒の最終落下速度
(2)霧の種類
- 放射霧:天気が良く風が弱いとき発生。盆地で発生しやすい。放射冷却が顕著になる。
- 移流霧:相対的に暖湿空気が冷たい地表面に移動し、冷やされて発生 例:海霧
- 蒸気霧:冷たい空気が暖かい海面上に移動し飽和して発生 例:けあらし(気嵐)川霧
- 前線霧:前線付近で、温度差の大きい気団が接しているため暖かい空気が冷やされて発生
- 滑昇霧:山斜面を滑昇する湿った空気が上昇の際に気圧が下がって発生
霧の分類 | 色と形で気象予報士! (irokata7.com)
(3)雲の種類
高さによる分類
- 上層:巻雲、巻層雲、巻積雲…350hPa以上の高度(8km以上)
- 中層:高層雲、高積雲、乱層雲…650~350hPa未満(3~8km未満)
- 下層:層雲、層積雲、積雲・積乱雲…地表~650hPa未満(地上~3km未満)
積乱雲は、雲底が下層にあるので下層雲に分類される。
対流性と層状性
- 対流雲:もくもく雲、積雲・積乱雲…鉛直方向に発達
- 層状雲:対流雲以外の雲…水平方向に広がる
雲の構成
- 上層雲・・氷晶
- 中層雲と積雲・・ほとんど水滴(上層部は氷晶の場合がある)
- 下層雲・・水滴
- 積乱雲・・上層部は氷晶、下層部は水滴
十種雲形のまとめ方(層積乱高巻) | 色と形で気象予報士! (irokata7.com)
発生しやすい気象状況
- ⑨積雲:地表付近の大気が加熱されたり、下層大気の成層状態が不安定なとき発生。
- ⑩積乱雲:下層に暖湿空気、中上層に低温で乾燥した空気があるときに発達する。突風、落雷、短時間降雨、大雨、雹、竜巻を伴うことがある。
- ⑧層雲:温度差がある空気塊が混合したり、空気塊が冷たい地表面に移動して冷却され発生。
- ⑥層積雲:下層で弱い寒気移流が起きているとき発生しやすい。
- ⑦乱層雲:広い範囲で暖湿空気が緩やかに上昇するときに発生しやすい。
- ⑤高層雲:温帯低気圧の東側や前線の北側でよく発生する。中層
- ④高積雲:雲内で規則的な上昇気流と下降気流が配列 中層
- ①②③巻雲、巻層雲、巻積雲:季節に寄らず-20℃以下で氷晶でできている。「かさ」ができることがある。
4 大気における放射
(1)太陽放射と地球放射
太陽放射
- 太陽から入射したエネルギーは、一部は反射して宇宙に出て行き、一部は大気に吸収され、残りが地表に達する。
- 紫外線はほぼ成層圏のオゾン層で吸収される。
- 可視光線も一部は大気に吸収されますが、一部は大気を通り抜け(透過し)地表に届く。
- 太陽エネルギー = 反射 + 吸収 + 透過
地球放射
- 太陽放射には紫外線、赤外線、可視光線など様々な波長の電磁波が含まれていますが、地球放射は赤外線オンリー
- 赤外線の多くは大気中の水蒸気(H2O)や二酸化炭素(CO2)によって吸収される。
- ただし、8~12μ(ミュー)の波長の赤外線は吸収されずに宇宙へと出て行く。この波長域を「窓領域」、「大気の窓」等と表現 ※アルプスの少女ハイジ(8-12)
温室効果
- 「温室効果」:水蒸気、二酸化炭素、その他の気体が地球放射のエネルギー吸収することによりエネルギーがこもり気温が上昇すること
- 温室効果なるものがなければ地球の平均気温は -18℃ になる。
- 実際は温室効果があることで平均気温は 15℃
放射に関する法則
- ステファン・ボルツマンの法則:
- プランクの法則:放射強度とその波長分布は、物体の温度の関数となる。
- キルヒホッフの法則:よく吸収する物質は、よく射出する。
- ウィーンの変位則:
散乱
- レイリー散乱:日中空が青く、夕方赤く見える現象 散乱強度は、電磁波の波長の4乗に反比例する。つまり、波長がほど散乱強度は大きくなる。
- ミー散乱:空気が汚れた日は遠い山が白っぽく霞んで見える。雲が白く見える。波長と粒子半径が同程度の時に起こる。
- 虹
- ダイヤモンドダスト
(2)大気と放射
地球大気の熱収支
太陽エネルギー = 反射 + 吸収 + 透過 100=30+20+50
アルベドとは… 放射を受けたときの反射率… 地球のプラネタリーアルベドは… 平均 0.3
5 大気の力学
(1)気圧傾度力とコリオリ力
気圧傾度力
- 気圧傾度=気圧差/距離差=ΔP/Δn
- 例えば、ΔP/Δn=30hPa/600km=0.05hPa/km
単位は、ms-2
※単位質量の空気にはたらく力は、密度の逆数をかければよいので…?
答:密度は 質量/単位体積 ですから密度の逆数、つまり 単位体積(=1)/質量 をかければ質量で割ったことになります。
コリオリ力
- 地球の自転は、北極星から見て反時計回り
- 北極から赤道方向真南にボールを投げたとき、ボールは徐々に右にそれる。
- よって、進行方向の右向きに力が働いたように見える。(コリオリ力)
f=2ΩsinΦ f:コリオリパラメータ Ω:地球の角速度 Φ:緯度
コリオリの力C=fV C:コリオリの力 V:物体の速度
(2)風の力と釣り合い
地衡風:気圧傾度力とコリオリ力の釣り合いの結果生じる風である。
※一般分野の中に、いくつか計算問題が出題される分野があります。ここでは、下の式を使って解く問題について考えていきます。
地衡風は気圧傾度力とコリオリ力がつり合って吹く風です。つまり、コリオリ力=気圧傾度力
f:コリオリパラメータ f=2ΩsinΦ、V:速度[m/s]、ρ:空気密度[kgm–3]、ΔP:気圧差[Pa]、Δn:2つの等圧線(等高度線)の気圧傾度方向の距離[m]、g:重力加速度[ms-2]、Δz:高度差[m]
上の「気体傾度力Pn」は、「fV:(コリオリパラメータ)×(速度)」に等しいと置くようです。すると、下のような式が成り立ちます。
この式を使って地衡風の風速Vを求める問題が出題されたことがあるようです。2地点ABがあってその気圧差と距離・コリオリパラメータと空気密度が分かっている場合は、Z座標系の2番目の式に代入すれば、地衡風の風速を求めることができます。
2地点ABの緯度と500hPa等高線高度が分かっていて、地衡風の風速を求めるときは、P座標系の2番目の式を使います。但し、コリオリパラメータfをf=2ΩsinΦとして計算する必要があります。
傾度風:回転成分をもつ風を考えるときに用いられ、気圧傾度力、コリオリ力、遠心力の3つがつりあって吹くものを指し、高気圧性の回転と低気圧性の回転の2つに大きく分けられる。
地上風:
温度風:高度の異なる2点での風の速度ベクトルの差のことである。あくまで差のことであり、実際にそのような風が吹いているわけではない。大気内の温度差を原因として生じる
(3)大気の流れ
発散・収束と鉛直流の関係
地表付近
- 水平収束:
- 水平発散:
6 気象現象
(1)大規模現象
(2)低気圧・高気圧
(3)中規模現象
(4)台風
(5)中層大気の運動
7 気候の変動
(1)地球温暖化と異常気象
(2)環境汚染と都市気候
8 気象業務法その他の気象業務に関する法規
(1)気象業務法の目的と観測の規定
(2)予報業務の許可と罰則
(3)気象予報士
(4)気象業務法の関連法規
学科専門
1 観測の成果の利用
(1)地上気象観測
(2)高層気象観測
(3)気象レーダー観測
(4)気象衛星観測
2 数値予報
(1)数値予報の考え方
- 気象予報は、観測、計算、予報という流れからなっています。
- そのうち計算をコンピュータにやらせるのが数値予報です。
- コンピュータ融通が利かないところがある。
- なので、観測データをそのままの状態で使えない。
- 計算の前後にひと工夫が必要
品質管理
- 明らかに異常な数値は、最初の段階で弾く。
客観解析
- 格子点という仮想の観測所の仮想の気象要素の値を格子点値とします。
- 格子点値が決まったら、それを解析値とします。
予測計算
- 初期値化:今は行われていない。日進月歩
- 予測計算:初期値をインプットしたらスーパーコンピュータは幾つかの方程式によって計算を始めます。
- 数値予報モデル:
- パラメタリゼーション:
- 予報値:
(2)数値予報のデータ
(3)数値予報モデルの物理過程と基礎方程式
(4)アンサンブル予報
(5)数値予報プロダクトの利用と予報誤差
3 短期・中期予報
(1)天気図
(2)高気圧・低気圧と天気
(3)前線と天気
(4)台風
(5)予報の種類と予報区
4 長期予報
(1)長期予報の種類
(2)東西指数と平年偏差
5 局地予報
局地風
6 短時間予報
(1)降水短時間予報
(2)ナウキャスト
7 気象災害
(1)気象情報
(2)気象災害
8 予想の精度の評価
9 気象の予想の応用
(1)天気予報ガイダンス:予報要素への翻訳や統計的な補正処理&その結果として作成される予測資料のこと
- 種類…降水(平均降水量・降水確率・最大降水量・大雨発生確率)、降雪(降雪量)、気温(時系列気温・最高最低気温)、風(定時風・最大風速)、天気、発雷確率、湿度(最小湿度)、視程
- 役割…
(2)予報の利用
実技
過去に出題された天気現象
- 日本海低気圧
- 台風
- 南岸低気圧
- 梅雨前線
- 二つ玉低気圧
- 寒冷低気圧
- 三陸沖の低気圧
- 西高東低型
資料名
- 地上天気図
- 高層天気図
- 高層鉛直断面図
- 高層・地上予想天気図
- 台風予想図
- 週間予報支援図(アンサンブル)
- 気象衛星画像
- エマグラム
- ウインドプロファイラ
- レーダーエコー合成図
- 沿岸波浪図
- 潮位実況図