気象学の教科書

めざせ気象予報士
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 昨日、Youtubeで「気象学の教科書」という2022/3/2発行の本があることを知りました。Amazonで書評を読んでみると、評価はよくない感じでした。

 定番の技術評論社の本を読んで、筆者は文章の書き方ができないのだなと、つくづく思ってしまいます。

 例えば、湿数解析の部分で、「寒冷前線周辺は、寒気側に向かって急激に湿数が大きく乾燥していることが理解できます。」という文があります。

 推敲しているのでしょうか?「寒冷前線周辺は、湿数は寒気側に向かって急激に大きくなり、乾燥しています。」でしょう。「理解できます?」の部分は、とても変です。現象を説明している場面で、著者が理解できることを伝えてどうするのでしょうか。

 ここで、「湿数」が大きいということは、どういう状態なのでしょう?こういうところが、気象専門分野で使う用語の特殊なところです。

 湿数は、セルシウス度)などの温度を表す単位で値が示される。したがって、相対湿度が100%の場合、湿数は0℃となる。なお、湿数の計算式は、一般的に「T-Td」と表記される。気象予報では、を判断する数値として用いられる。湿数が小さいほど湿度が高い。湿数が3℃以下の地域を「湿域」と呼び、その地域にはがあると判断される。(ウィキペディア)

 通常、湿数が高いというと湿度が高いようにイメージしてしまうのですが、これがこの世界では真逆なのです。つまり、湿数が大きいということは乾燥しているということです。湿数は、「T(気温)-Td(露点温度)」。露点温度とは、水蒸気が凝結しはじめる温度です。実際の気温と凝結しはじめる温度の差が小さければ、凝結しやすい。つまり「湿域」となり雨や霧があると判断されるということですね。

 

 

コメント

  1. 金太郎パパ より:

    > 推敲しているのでしょうか?

     自分では気付かないので、誰かがしてあげないと…ですね。
     その道の専門家が友だちや編集者にいなければ、誰もしてくれないということかもですね。