「大気の熱力学」は、気象を学ぶ上で大切な内容です。
雲は、なぜできるのでしょう。雲は、上昇気流という空気の流れによって空に浮かんでいる小さな水の粒です。地上の空気塊は温まると密度が小さくなり、軽くなり、上昇します。上昇していった空気塊の温度は、高度が増すごとに低くなります。
この時の温度の下がり方(気温減率)は、空気の中に含まれている水蒸気の割合によって違ってきます。1,000m上昇すると、乾燥した空気(乾燥空気塊)は約9.8℃、湿潤な空気(湿潤空気塊)は約5℃、平均では約6.5℃下がると言われています。乾いた空気ほど下がる率(減率)が大きく、湿潤な空気ほど気温が下がる率が小さいということです。例えば、地上(1,000hPa)で30℃の乾燥空気塊は、5km上昇すると50℃下がり-20℃になります。湿潤空気塊であれば同様に25℃下がり5℃となります。
乾燥空気塊と湿潤空気塊との気温減率の違いは、なぜ生まれてくるのでしょう。ここで水の性質が関係してきます。水は水蒸気になるとき回りから熱を奪います。逆に水蒸気から水になるとき熱を放出します。湿潤空気塊に含まれている水蒸気は、上昇する過程で水の粒になり熱を放出するので、乾燥空気塊よりも気温減率が小さいという理屈です。
ここで、空気塊の上昇による温度や混合比(湿潤空気中の水蒸気と乾燥空気の重量比)の変化を簡単に知ることができるエマグラムという図が登場します。
I01-エマグラム:気象予報士学科一般試験 (youtube.com)
上の動画は、エマグラムの説明が分かりやすようです。
コメント
> 雲は、なぜできるのでしょう。
書いてあることはなんとなく理解できました。
近いことを昔のどこかで学んだ気がします。
もちろんエマグラムなんて初耳ですけどね。
楽しく学習が進められている感じですね。シランケド