過去問一般 問1 51回~63回+++++

めざせ気象予報士一般分野

51回 問1

問1 経度方向に年平均した対流圏内の気温と風の緯度·高度分布について述べた次の文章の下線部(a)~(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを,下記の1~5の中から一つ選べ。

気温は,熱帯地方の対流圏下層で最も高く,(a)熱帯地方の対流圏界面付近で最も低い。
一方,対流圏内の同じ高度における気温は,対流圏界面付近を除き極側ほど低く,その南北傾度の大きさは,(b)中緯度地方で大きい。このことと温度風の関係より,中緯度地方の西風の風速は高度とともに,(c)減少する。

  • (a)
  • (b)
  • (c)
  • (d)
  • 正解は

52回 問1 大気圏各層での気温・気圧と層内で起こる現象 〇

 (a)(b)は、対流圏・成層圏・中間圏・熱圏での気温の変化のしかたを理解していればOK。(d)もわからないと正答の④にたどり着きませんね。

  • (a)対流圏では、上部の気温は、下部よりも低い。
  • (b)成層圏では、上部の気温は、下部よりも高い。
  • (c)成層圏最下層は、高層天気図などで扱われている。高度は200hPa
  • (d)熱圏では、紫外線による光電離が起こっている。
  • 正解は④

53回 問1 気体の分布

  • (a) 対流圏では、水蒸気を含んだ空気と乾燥空気が入り交じって対流しているので、乾燥空気密度が一定ということはないので 
  • (b) 500hPa高度約5,700mの乾燥空気のことです。単純に熱帯域のほうが海からの水蒸気蒸発量が多いので、乾燥空気より湿潤空気の方が多いと考え 
  • (c)  地表付近では、水蒸気が蒸発するので湿潤空気の方が多いと思うのですが、
  • 正解は④ 

54回 問1 大気の気温分布

  • (a)の気層Aは熱圏なので正
  • (b)の気層Bは中間圏、電離層は気層Aの熱圏にあるので誤。
  • (c)の気層Cは成層圏でオゾン層があるので正。
  • (d)の気層Dは対流圏です。この層が、天気を左右する層です。この層の大気の鉛直混合および水蒸気の凝結過程で気温の鉛直分布が決まってくるので正。
  • 正解は③ 

(c)の気層の下層は、高度40kmです。オゾン層の中心は高度25kmなので、(c)は、誤。正誤誤正の③が正解でした。示されたC層の高度40~60Kmは成層圏であることは間違いないのですが、その下の20~40Kmを含んでいなかったのですね。これは、うっかりミスですね。ひっかけ臭い問題でした。もはや、意地悪クイズの世界です。問題を慎重に理解しなさいということですね。

55回 問1 大気の構造 気体の存在比 成層圏の気温 対流圏界面の高さ 対流圏の気温減率

  • (a) 中間圏の界面は80Km。このあたりまで示された気体の容積比はほとんど一定
  • (b)正
  • (c) 低緯度つまり赤道に近い方が高温で空気が膨張し、対流圏界面の高さが高くなるので
  • (d) 平均6.5℃なので
  • 正解は②

56回 問1 大気全体の質量99.9%が含まれる高度

 一瞬、問題の意味がわかりません。1文目から、気圧が高度に応じて減少していることを言っていることが分かります。それが一定の比率ですよと言っています。99.9%という言葉から、対流圏界面の高さ80Kmをイメージすると、それに近い約96Kmかなと思いますが…。理論的な数値を訊いているように思いますので、よく考えます。1,000hPaから5km上昇して1/2の500hPa、さらにその2倍の10km上昇して1/4の250hPa、3倍の15kmで1/8の125hPaになるということです。

1/2,1/4,1/8,1/16,1/32,1/64,1/128、1/256,1/512…、500,250,125,62.5,31.25,15.625,7.8、3.9…5、10,15,20,25,30,35,40,45,50…謎?

第56回気象予報士試験 一般知識 (kishoyohoshi.com)

ここに謎解きがありました。動画解説を見ようとしたら有料でした。商売商売やってますね。で、謎解き分かりました。

 気圧は、1㎠の平面に乗っている空気の重さと捉えることができる。気圧が地上で1,000hPaあるということは、上に約1,000gぶんの空気があるということです。100hPaの高さでは100gの空気が、1hPaの高さでは1gの空気が乗っているということです。

 問1では、地上から99.9%の空気が乗っている高さを訊かれています。つまり、0.1%=1/1000=1g=1hPaなので、成層圏界面約高度50km…重力加速度9.8をかけて49km…約48kmとなります。

57回 問1 中層大気の1月の月平均の気温や等圧面高度

  • (a)正 赤道付近ですから、地表では年間を通して気温が高そうですが、高度10~20kmというとほぼ対流圏界面の上から成層圏にあたります。「一般気象学」p251の図9.1とp252(2)の説明によれば、高度10~20kmの赤道域の1月の経度平均温度は、ハドレー循環の上昇流域の影響で対流圏界面が高くなっている。対流圏界面が高いということは、気温減率6.5℃/kmで下がる領域が多いということのようです。よって、正。1月の赤道付近高度10kmの平均気温が-48℃というのは、驚きです。
  • (b)誤 オゾン密度の高いのは高度25km付近なので、誤と思いましたが、どうでしょう。高度25kmに絞った表現がないので、正ですかね。しかし、問題はそこではなく、高度20km~という部分のようです。オゾン層のある成層圏は、約11km~なのです。
  • (c)この高度は中間圏・熱圏(境界80km)ですね。この高度は、対流圏の影響は受けない高度です。太陽光の入射角が影響するかもしれませんね。と思って答えを見たら、正でした。「高度70~90km、気温は北極付近が高く南極付近で低い」、理由は、これも前述の「一般気象学」のp253にありました。説明が長いのでここでは、省略します。
  • (d)誤 図参照

58回 問1 対流圏の気温の鉛直分布 対流圏界面の高度 化学組成

  • (a)誤 対流圏で高度が増すほど気温が低くなるが、放射収支だけで決まるものではないので、
  • (b)正
  • (c)誤 約80kmの中間圏界面付近まで乾燥空気の組成は一定
  • (d)正

59回 問1 地球大気の平均的な気温の高度分布

  • (a)正 
  • (b)誤 密度極大よりも上のほうの気温が高いです。 
  • (c)誤 

60回 問1 高度80km以下の地球大気成分 アルゴン

  • (a)誤 酸素が21%、窒素が78%、アルゴンが0.93%、二酸化炭素は0.03 ~ 0.04%
  • (b)誤 アルゴンが3番目
  • (c)誤 生成されたオゾンは成層圏下部の風によって、低緯度から高緯度へ移送されます。 問題文が明確ではない

61回 問1 大気中のオゾン 形成 数密度 季節変動

問1 地球大気中のオゾンについて述べた次の文(a)~(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の1~5の中から1つ選べ。

  • (a)成層圏では、酸素分子は紫外線を吸収すると解離し、解離した酸素原子が酸素分子と結合してオゾンとなることで、オゾン層が形成されている。
  • (b)成層圏では、オゾンの数密度は高度が高いほど大きく、高度約50kmにある成層圏界面付近で最大となる。
  • (c)成層圏のオゾンの空間分布やその季節変動は、太陽放射の強さの時空間分布でほぼ説明できる。
  • (a)正
  • (b)誤 オゾン層は成層圏中層(約25km)にある。
  • (c)誤 オゾンは低緯度で多く生成され、ブリューワー・ドブソン循環によって高緯度に運ばれます。
  • 正解③

62回 問1 成層圏下層の気温 対流圏界面の高度 成層圏での大気の運動

問1 地球大気の鉛直構造について述べた次の文(a)~(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の1~5の中から1つ選べ。

  • (a)経度方向に帯状平均した高度 15km付近の年平均気温は、赤道付近で最も低くなっている。
  • (b)中緯度の対流圏界面の高さは季節とともに変動するが、移動性高気圧や温帯低気圧にともなって変動することはほとんどない。
  • (c)成層圏では、成層が安定しているため鉛直方向の大気の運動はほとんど起こらない。
  • (d)熱圏では、大気を構成する分子や原子が太陽放射に含まれる紫外線等によって電離し、中間圏よりも自由電子の数密度が大きい。

  • (a)正 
  • (b)誤 対流圏界面の高度は、高気圧や低気圧の通過とともに変動します。
  • (c)誤 実際に観測した結果、様々な形態の運動が絶えず起きていることがわかりました。
  • (d)正

63回 問1 地球大気の組成 

問1 地球大気の組成について述べた次の文(a)~(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の1~5の中から1つ選べ。

  • (a)対流圏内において、窒素、酸素、アルゴンの3種類の気体が乾燥空気に占める比率(体積比)は、99.9%以上となっている。
  • (b)高度80km以下では、乾燥空気の平均分子量は高度によらずほぼ一定である。
  • (c)対流圏の空気の平均分子量は、水蒸気の混合比が大きいほど大きくなる。

  • (a)正 
  • (b)正 
  • (c)誤水蒸気はH2O(18)なので、空気の分子量29より小さい。よって、空気の平均分子量は、水蒸気の混合比が大きいほど小さくなる。

コメント

  1. 金太郎パパ より:

    > 一般知識問題(過去問1)に挑む1

     目を通してみましたけれど、全くわかりませんね。
     徒然さんの解説を読んでも…。

     気象予報士の知識として必要なんでしょうかね。
     理科の授業範囲+αぐらいでいいんじゃないかと思いましたが。