51回 問4 エマグラム 乾燥断熱線 等飽和混合比線 湿潤断熱線
問4 エマグラム上での空気塊の温度と露点温度の変化について述べた次の文章の空欄(a)~(c)に入る適切な語句の組み合わせを,下記の1~5の中から一つ選べ。未飽和の湿潤空気塊(気圧p,温度 T,露点温度 Td)を断熱的に凝結するまで上空に持ち上げるとき,空気塊の温度はエマグラム上では点(p,T)を通る(a)の上をたどって変化し,その露点温度は点(p,Ta)を通る(b)の上をたどって変化する。さらに,空気塊を凝結後も断熱的に上空に上昇させるとき,その温度と露点温度はエマグラム上では(c)の上をたどって変化する。

- (a)文の通りに、簡単なエマグラムを描いてみるとすぐに分かります。乾燥断熱線
- (b)等飽和混合比線
- (c)湿潤断熱線
- 正解は②

52回 問4 黒体放射 ステファン・ボルツマン〜ウイーンの変位則!
問4 黒体放射について述べた次の文章の空欄(a)~(c)に入る適切な数式,語句および数値の組み合わせを,下記の1~5の中から一つ選べ。
絶対温度Tの黒体の単位面積から単位時間に放射されている波長別のエネルギー量を,すべての波長について積算した全エネルギー量は(a)に比例し,単位波長あたりの放射強度が最も強くなる波長は Tに(b)する。放射強度の最大値は,地球の放射平衡温度255K の黒体放射では波長約11μmのところにあり,太陽の表面温度約6000Kの黒体放射では波長約(c)μmのところにある。
- (a)I=σT4 「放射強度は何の何乗に比例するのか?」という問題は、定番問題
- (b)単位波長あたりの放射強度が最大となるのは、上の「ウイーンの変位則」の式から、Tに反比例する。
- (c)T:λmax=255:600=x:11で求めました。
- 正解は⑤


53回 問4 レイリー散乱とミー散乱
問4 大気中の粒子による電磁波のレイリー散乱とミー散乱を比較した表の空欄(a)~(c)に入る適切な語句の組み合わせを,下記の1~5の中から1つ選べ。

- (a)レイリー散乱は、電磁波の波長よりも粒子が小さいときに発生します。(知識)小さい。
- (b)レイリー散乱の強さは、波長の4乗に反比例します。短い。
- (c)ここは、迷わず空気分子です。
- 正解は②

54回 問4 温度風とホドグラフ
問4 図は,北緯30°に位置する点Aおよび点Bの,850hPa面と500hPa面における風を表したものであり,各図の風ベクトルは同じ縮尺で描いてある。850hPaでは,点A,点Bともに同じ強さの南風である。点Bにおける850hPaと500hPaの間の平均気温(K)の温度勾配の大きさは,点Aの温度勾配の大きさの半分で,勾配の向きはいずれも同じである。このとき,点Bの500hPaの風ベクトルとして正しいものを下図の中の1~5の中から1つ選べ。ただし,ここでは温度風の関係が成立するものとする。また,風べクトルは,いずれも小円の中心から矢印の先までで表されるものとする。

- (a)850hPa面で、点Aでも点Bでも南の風が吹いている。
- (b)点Bにおける850hPaと500hPaの間の温度勾配の大きさは,点Aの温度勾配の大きさの半分で,勾配の向きはいずれも同じなので
- (c)方眼上で右へ1・上へ1
- (d)点Bを始点とすると
- 正解は② 謎

55回 問4 雲の中の水晶・雪の結晶について(降水過程)
問4 雲の中の氷晶や雪の結晶について述べた次の文(a)~(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを,下記の1~5の中から1つ選べ。
- (a)大気中の氷晶のほとんどは,ー40℃前後の低温の雲の中で不純物を含まない水滴が凍結して生成される。
- (b)過冷却の雲の中で水滴よりも氷晶の方が速やかに成長する要因は,0℃以下では氷の表面に対する飽和水蒸気圧が水の表面に対するそれよりも小さいからである。
- (c)氷粒子が落下しながら過冷却雲粒を捕捉して成長する過程では,氷粒子の質量が増加するほど,氷粒子の単位時間あたりの質量増加量は減少する。
- (d)雲内で氷晶が成長して雪の結晶となるとき,結晶の形は,周囲の気温に依存するが空気の過飽和度には依存しない。
- (a)純粋な過冷却水滴は、温度が – 33 〜 – 41℃ の範囲で自ら凍結して氷晶となります。(不純物がない状態)よって、誤
- (b)水に対する飽和水蒸気圧 > 氷に対する飽和水蒸気圧 よって、正
- (c)氷粒子は落下しながら過冷却雲粒(水滴)を取り込み成長するとき、氷粒子の質量は大きくなり重力の影響で落下スピードが増すんです。よって、誤
- (d)結晶の形は、気温と氷過飽和水蒸気密度に依存します。0 ~ ー4 ℃:板状 ー4〜ー10℃:柱状 ー10〜ー22℃:板状 よって、誤
- 正解は④

56回 問4 雲粒の成長 凝結過程・衝突・併合過程
問4 雲の中の水滴の成長について述べた次の文(a)~(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを,下記の1~5の中から1つ選べ。
- (a)水蒸気の凝結による水滴の成長過程では,水滴の半径が小さいほど単位時間の半径の増加率は大きい。
- (b)水滴同士が衝突·併合して成長する過程では,一般に水滴が大きく成長するにつれて単位時間の半径の増加率は小さくなる。
- (c)暖かい雨の形成過程における水蒸気の凝結と水滴同士の衝突·併合による水滴の成長はともに遅く,水滴が成長して降水がはじまるまでに1時間以上かかる。
- (d)積乱雲の中では強い鉛直流の中で短時間のうちに水滴が大きく成長し,水滴の直径が10mmを超えることがある。
- (a)凝結過程では、水滴の半径が急激に成長(半径の増加率が大きい)し、時間と共に水滴の半径の成長は緩やかになる。よって、正
- (b)水滴の場合はとっても軽いものなので、水滴が大きい(重い)ほど落下速度は速くなり、他の水滴と衝突・併合する回数が増えます。その結果、単位時間当たりの水滴半径増加率は大きくなるわけです。よって、誤
- (c)暖かい雨の形成過程では、水蒸気の凝結と水滴同士の衝突・併合による水滴の成長は速く,水滴が成長して降水がはじまるまでに30分ちょいの計算になる。よって、誤
- (d)雲の中の雨粒は、半径が大きくなるにしたがって表面張力の影響が弱くなります。さらに水滴の形も振動するようになり、加えて雨粒同士が衝突することで、落下しながら分裂していくのです。そんなわけで実際に観測された雨粒で一番大きいのは 直径約 8mm。よって、誤
- 正解は③

57回 問4 大気の熱力学の問題
問4 大気中の温度や水蒸気圧などについて述べた次の文(a)~(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを,下記の1~5の中から1つ選べ。ただし,大気では静力学平衡が成り立っているものとする。
- (a)空気塊が内部に含まれる水蒸気を凝結させながら断熱的に上昇するとき,凝結熱による加熱で温位と相当温位はともに上昇する。
- (b)空気塊が内部に含まれる水蒸気を凝結させながら断熱的に上昇するとき,空気塊の高度1kmあたりの気温の低下率は,上空ほど小さい。
- (c)飽和水蒸気圧は,同じ温度であれば気圧に比例し,気圧の低い上空ほど値が小さい。
- (d)乾燥空気塊が断熱的に下降するとき,空気塊の高度1kmあたりの温度の上昇率は,気圧によらない。
- (a)は誤 温位は上昇するが、相当温位は変化しないので誤。空気に含まれている水蒸気の蒸発による潜熱のことまで考えた温位が相当温位なので、相当温位は変化しない。
- (b)は誤 気温は、湿潤断熱線に沿って低下する。
- (c)誤 飽和水蒸気圧は、温度だけの関数で、気圧とは関係ない。
- (d)正 乾燥断熱線に沿って上昇する。
- 正解は⑤

58回 問4 降水過程の問題

- (a)は誤 雪の結晶の成長は、成長する環境の温度と過飽和度に依存する。(p70) 復習:気温が0℃以下の雲粒は、すべて水滴。-40℃以下になると高度7,000~8,000mより上では、雲粒は凍っている。その凍った雲粒を氷晶と呼ぶ。
- (b)は誤 雪の結晶同士の付着は温度にも依存し、-5℃以上で付着しやすくなる。(p70)
- (c)は誤 昇華凝結によって成長した氷晶は、落下中に過冷却水滴に衝突する。氷晶が過冷却水滴を捕捉しながら落下し、大きな氷の粒になったのがあられ。
- (d)は正
- 正解は、⑤
59回 問4 降水過程の問題
問4 雲の中の降水粒子の成長について述べた次の文(a)~(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の1~5の中から1つ選べ。
- (a)雲内での水滴の併合過程では、単位体積に含まれる水滴の質量の合計が同じであれば、大きさの異なる水滴が多数存在している場合よりも、大きさが一様な水滴が多数存在している場合の方が、水滴が速く成長する。
- (b)過冷却水滴を含む雲内に生成された氷晶は、過冷却水滴と衝突·併合する過程がないと雪に成長して地上に降ってくることはできない。
- (c)凝結核を持たずに形成された純水の微小水滴では、表面張力の作用により、水滴が小さいほど、より小さな過飽和度で水蒸気が凝結する。
- (d)水溶性のエーロゾルを凝結核として形成された微小水滴は、同じ大きさの純水の微小水滴よりも、水滴の表面に対して平衡する水蒸気圧が低いため、凝結による成長が起こりやすい。
- (a)は誤 雲内の気温が0℃以上での併合暖かい雨の話です。大きさの異なる水滴が混ざっていた方が併合しやすいということですね。大きい粒は、小さい粒を巻き込みますからね。(p68図3・3参照)
- (b)は誤 雪の結晶の成長過程の問題ですね。雪の結晶の成長は、成長する環境の温度と過飽和度に依存する。(p70) 過冷却水滴が必須とは書いてありませんので、誤でしょう。
- (c)は誤 水滴が小さいほど表面張力も小さい。水滴が大きい方が表面張力が大きく凝結しやすいと思われます。よって、誤。
- (d)は正
- 正解は⑤

60回 問4 降水過程の問題

- (a)は正 氷晶核の数は、凝結核の数と比べかなり少ない。(知識)
- (b)は 正 過冷却水面に対する飽和水蒸気圧は、氷面に対するものよりわずかに高い。よって、過冷却水滴と氷粒子が共存する0℃以下の雲の中では、水滴と氷の飽和水蒸気圧の違いにより、氷粒子の成長が進みやすい。(知識)
- (c)は誤 氷粒子が落下中に付着する割合についての問いである。雪結晶の形状によって違いはあるが、特に樹枝状雪結晶の場合、温度が高いほど付着する割合が高い。温度に依存するので誤。(これも知識)
- (d)は誤 空気が乾燥していると、氷粒子の昇華によって熱が奪われるため、融解で雨滴になりにくい。
- よって、正解は②
61回 問4

正解は③ 66% 計算方法不明 後日解明すること!
①下降後(標高0m)の空気塊の水蒸気圧を求める。
② 上昇後(標高1000m)の空気塊の水蒸気圧を求める。
③ 上昇後(標高1000m)の空気塊の相対湿度を求める。
① 下降後(標高0m)の空気塊の水蒸気圧 e1000 を求める。下降後(標高0m、気圧1000hPa、ふもと)の空気塊は、問題文の条件より、温度 30℃ 、相対湿度 40% です。
温度 30℃ の空気塊の飽和水蒸気圧は、問題の表から 42hPa だと分かります。
これは、相対湿度が 100% の時の水蒸気圧が 42hPa という意味ですので、相対湿度が 40% の時の水蒸気圧 e1000 はe1000 = 42 (hPa) × 0.4 = 16.8 (hPa)となります。
② 上昇後(標高1000m)の空気塊の水蒸気圧 e900 を求める。
まず、上昇後(標高1000m、気圧900hPa、山脈の最高点)の空気塊が飽和していないと仮定して、その時の温度を求めてみます。
この場合、空気塊が下降するときは、その温度は乾燥断熱減率10°C/kmにしたがって変化します。
空気塊がふもとにあるときの温度は 30°C、山脈の最高点とふもとの高度差は 1000m ですので、空気塊が山脈の最高点にあったときの温度は
30°C − (10°C/km × 1000m) = 20°C
温度 20℃ の空気塊の飽和水蒸気圧は、問題の表から 23hPa だと分かります。
①で求めたように、下降後(標高0m)の空気塊の水蒸気圧 e1000 は 16.8hPa ですので、
この空気塊を山脈の最高点(標高1000m)まで持ち上げても(=20℃まで冷やしても)飽和しないことが分かります。
したがって、上昇後の空気塊が飽和していないという仮定は正しいということが分かります。
空気塊が飽和していないということは、上昇後と下降後の混合比が保存されますので、この関係から上昇後(標高1000m)の空気塊の水蒸気圧 e900 を求めます。
与式から 水蒸気の混合比[g/Kg]=620×水蒸気分圧[hPa]/気圧[hPa]
上昇後の混合比 = 620 × 16.8 / 1000
下降後の混合比 = 620 × e900 / 900
となり、これらが等しいので
620 × 16.8 / 1000 = 620 × e900 / 900
e900 = 16.8 × 900 / 1000 = 15.1 (hPa)
となります。
➂ 上昇後(標高1000m)の空気塊の相対湿度 RH1000 を求める。
②より、上昇後(標高1000m)の空気塊の水蒸気圧 e900 は 15.1hPa であり、
上昇後(標高1000m)の空気塊の飽和水蒸気圧は 23hPa であることが分かりました。
したがって、山頂での相対湿度 R900 は
R900 = (15.1 / 23) × 100 = 65.65 (%)
以上より、本問の解答は、66% とする 3 となります。【第61回】2024年1月試験(学科一般試験)問4(山脈の斜面に沿って下降する空気の相対湿度の変化)
62回 問4 大気中の雲粒子とエーロゾルの数と大きさ 水溶性エーロゾル 氷晶核の核 液体と固体の飽和水蒸気圧
問4 大気中の雲粒子とエーロゾルについて述べた次の文(a)~(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の1~5の中から1つ選べ。
- (a)一般に、海洋上では陸上に比べて単位体積に含まれるエーロゾルの数が少なく、より大きな粒径の雲粒子が存在する。
- (b)水溶性のエーロゾルの働きによって大気中に発生した水滴は、化学物質が溶解しているため、相対湿度が100%未満でも水滴として存在できる場合がある。
- (c)一般に、大気中の氷晶核の数は凝結核の数に比べて少ない。
- (d)過冷却水滴を含む雲の中で、水滴よりも氷晶のほうが速く成長するのは、0℃未満では、氷面に対する飽和水蒸気圧が水面に対するものより高いからである。
- (a)海洋上は、エーロゾルの数は陸上より少ない。よって、正
- (b)水溶性のエーロゾルとは、水と仲良し。仲が良くて離れたくない。よって、正
- (c)氷晶核の数は凝結核に比べて、ずっと少ない。よって、正
- (d)氷面に対する飽和水蒸気圧は、水面に対する飽和水蒸気圧より低い。つまり、氷晶と水滴の両方が存在する場合、飽和水蒸気圧が低い方が先に成長する。よって、誤
- 正解は① 【第62回】2024年8月試験(学科一般試験)問4(大気中の雲粒子とエーロゾル)

63回 問4 霧 (移流霧 放射霧 上昇霧)
問4 霧について述べた次の文(a)~(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の1~5の中から1つ選べ。
- (a)移流霧は、冷たい空気が移動して暖かい水面に接して生じる。
- (b)放射霧は、晴れて風の弱い夜間などに地表面が放射冷却によって冷え、地表面付近の水蒸気を含んだ空気が冷却されることによって生じる。
- (c)上昇霧(滑昇霧)は、山腹などの斜面に沿って空気が上昇する際に断熱膨張によって気温が露点温度以下まで下がって生じる。
- (a)移流霧は、暖かく湿った空気が冷やされてできる霧 よって、誤
- (b)放射務は、晴れて風の弱い夜間などに地表面が放射冷却によって冷え、地表面付近の水蒸気を含んだ空気が冷却されることによって生じる。よって、正
- (c)上昇霧(滑昇霧)は、山腹などの斜面に沿って空気が上昇する際に断熱膨張によって気温が露点温度以下まで下がって生じる。よって、正
- 正解は

コメント
> 正解は⑤ 57i4
①を選んでいました。なにも考えずに選びました。
> 正解は、⑤ 58i4
選べるる選択肢がありませんでした。(笑)
何も学ばずして、政界になどたどり着けないものですね。
がんばってますね。