実技問題にチャレンジ

 気象予報士試験の難関は、圧倒的に実技試験のようです。実技試験の出題を気圧配置型で分類すると、下のようになり、過去の傾向から上から順に、出題頻度が高いようです。

1 日本海低気圧型 
2 二つ玉低気圧型
3 南岸低気圧型  
4 梅雨前線型
5 西高東低型
6 南高北低型
7 台風型
8 北東気流型

ということで、第57回実技1 問1にチャレンジしてみました。

XX年6月14日から16日にかけての日本付近における気象の解析と予想に関する以下の問いに答えよ。予想図の初期時刻は、いずれも6月14日21時(12UTC)である。

問1  図1~図4は14日21時の天気図、気象衛星画像、解析図であり、図5は14日9時の名瀬または鹿児島のいずれかの状態曲線と風の鉛直分布である。これらを用いて以下の問いに答えよ。

(1) 日本付近の気象概況について述べた次の文章の空欄(1)~(11)に入る適切な数値または語句を答えよ。ただし、(3)(11)は漢字で、(5)は十種雲形を漢字で、(6)は下枠の中から適切な語句を選んで答えよ。

●地上天気図によると、九州の南西海上に中心気圧(1 992)hPaの低気圧があって、東北東に(2 20)ノットで進んでおり、低気圧から前線がのびている。この低気圧に対して(3 海上強風)警報が発表されている。また、東シナ海、黄海、日本海および日本の東では海上濃霧警報が発表されており、これらの海域では視程が概ね(4 0.3)海里以下となっているか、24時間以内に概ね(4 0.3)海里以下になる濃霧が予想されている。

(3)は海上強風警報 GW(34-48ノット) と同時に、下の表も覚えておく必要がありますね。

(4)海上濃霧警報

●この低気圧の北東に位置する鹿児島では、下層で(5 積雲)が観測されており、21時現在の天気は(6 曇り:根拠は雲量9)となっている。

上の図と位置するのが、(5)積雲ですね。

上の記号から天気が曇り(雲量9)(6)曇り

から 表25  しゅう雨があった。  着氷性の霧雨又は着氷性の雨があった。

●500hPa 面の高度·渦度解析図では、地上低気圧中心のすぐ西に(7 166)×10-6/sの正の渦度極大値がある。また、地上の低気圧に伴う850hPa面の温暖前線は、概ね(8 15)℃と(9 18)℃の等温線の間にある。

(7)参照:図3(上) 500hPa高度·渦度解析図(上)XX年6月14日21時(12UTC)
太実線:高度(m)、破線および細実線:渦度(10-6/s)(網掛け域:渦度>0)

(8)(9) 参照 図3(下) 850hPa気温·風、700hPa鉛直流解析図(下) XX年6月14日21時(12UTC)
太実線:850hPa気温(℃)、破線および細実線:700hPa鉛直p速度(hPa/h)(網掛け域:負領域)
矢羽:風向·風速(ノット)(短矢羽:5ノット、長矢羽:10ノット、旗矢羽:50ノット)

●気象衛星赤外画像では、地上低気圧の中心の北側に輝度温度の(10 )い発達した対流雲がみられ、寒冷前線の南側にも対流雲がみられる。低気圧の進行方向前面の雲域はバルジ状を呈しており、その南端のすぐ西には、地上低気圧に伴う前線の(11 閉塞)点が存在する。

(10)※赤外線画像の見方
「赤外画像赤外画像は、雲、地表面、大気から放射される赤外線を観測した画像です。 放射される赤外線の強さは雲の温度により変化する特性をもっており、温度の低い雲をより白く表現しています。ごく低い雲や霧は、温度が高いため地表面や海面とほとんど同じ温度で灰色や黒色で表示され、地表面や海面と区別がほとんどできません。温度の低い雲には、夏の夕立や集中豪雨をもたらす積乱雲のような厚い雲もあれば、晴れた日にはるか上空に薄く現れる巻雲のような雲もあります。 このため、白く写っている雲が雨をもたらすとは限りません。」((https://www.data.jma.go.jp/sat_info/himawari/satobs.html#infra-red 参照 2025年1月3日))

(11)閉塞点「閉塞前線が寒冷前線と温暖前線に分岐する点を閉塞点といい、特に激しい気象現象を伴います。」((https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/bc24c831b5210d9ff56340bdbcf72d63f85297ca 参照 2025年1月3日))

「⑪は文脈や図1の前線を元に「閉塞点」であると言えます。閉塞点を解析するヒントである500hpaの渦度0ラインも対応していますね。」((https://become-weather-forecaster-by-myself.com/kaisetu-57-1/ 参照 2025年1月3日))
※地上天気図の前線で重ねてみると位置が分かります。

2025/01/0315:10やっと問1がおわりました。この部分は実技の初級編です。道は、果てしなく遠そうです。

コメント

  1. 金太郎パパ より:

    > 気象予報士試験の難関は、圧倒的に実技試験のようです。
    > ということで、第57回実技1 問1にチャレンジしてみました。

     お疲れさまです。
     問1を解くのにも時間がかかるようですね。
     この手のものが難問あるんでしょうか?

    > 2025/01/0315:10やっと問1がおわりました。
    > この部分は実技の初級編です。道は、果てしなく遠そうです。

     何分かかったんですかね。
     果てしなく遠いなんて、やりがいがありそうです。
     がんばってください。