第60回一般に取り組む

めざせ気象予報士

今日は、第60回一般問7に取り組みました。

(a) 傾度風平衡にあるこの低気圧においては (a) 気圧傾度力がコリオリ力と遠心力の和と
釣り合っている。

※これまで学んできた風には、地衡風・傾度風・温度風・旋衡風の4種類を学んできました。傾度風は、気圧傾度力とコリオリ力+遠心力がバランスをして吹く風だと言われています。風向は、北半球で等圧線に沿って、気圧の低い方を左に見て吹く風です。この問題では、「傾度風平衡にあるこの低気圧において」と書いてあるので、「正」です。

低気圧の状況で吹いているので、反時計回りで外側に気圧の高い部分があることをイメージしたいと思います。

(b) この低気圧では、どの高度でも中心に近いほど高温であった。
このとき、2 つの高度1000m、2000mで考えると、静力学平衡の仮定より、中心O の周辺の点R における2 つの高度間の気圧差Δ PR (外側の上下関係)は、中心O における2 つの高度間の気圧差Δ PO(内側の上下関係) より (b) 大きい

※この問題は、私にとってよくよく考えないと誤解しそうな問題でした。

  • 内側は高温なので空気密度が低い=層厚が厚い=気圧が低い
  • 外側は低温なので空気密度が高い=層厚が薄い=気圧が高い

高度間の気圧差Δ PO、気圧差Δ PRのΔが何を意味するのかを考えます。「Δは、単位(ここでは距離;高度)あたりの変化量を表している。」と考えます。上記から、外側の層厚が薄い…つまり単位距離あたりの気圧の変化量が大きいということです。そうです、この問題の肝は「層厚」なのです。「層厚」に着目できるかどうかが鍵なのだと思います。

(c) このことから、高度2000mにおける2 点O ʼ、R ʼ間の気圧差ΔP2000 は高度1000m の2 点O、R 間の気圧差ΔP1000 より (c) 小さいことが分かる。

こちらは水平方向の気圧差が論点になります。(b)からも分かるように、外側のほうが気圧が高いので…低気圧の中心が内側にあるので当然…層厚が薄いR ʼから層厚が厚いO ʼへ風が吹きます。イメージとしては、上昇しながらO ʼの上の方に向いて吹くという感じでしょうか。そのベクトルは傾いているので、OR間の距離よりも長くなる。よって、Δは小さい。と解釈しました。

(d) これらのことから、中心ほど高温で軸対称な分布を持つこの低気圧においては、高度が高くなるほど風速は (d) 小さくなることが分かる。

(d)は、(b)(c)が正しく考えられれば行き着く答ですね。

※今日の思い

「まずは、一般に絞る」

最近は、天気予報技術研究会編の「気象予報士試験 模範解答と解説」という書籍を3冊程買い込んで勉強しています。62回・61回・60回の3冊ですが、これらの書籍が自分にあっているような気がしてきました。過去の10冊回分くらいを10回もやればどうにかなるのではないかと思い、59回以前の書籍を探しました。

ところが、これらの値段が中古本でも定価より高いのです!59回の書評を読むと、下のようなことが書かれていました。

1 「気象業務支援センターの過去問の解説よりは比較的わかりやすいし、納得できます。
ただ、問題のカラー図版を試験の問題そのままに載せておらず、別ページにカラーで掲載されているので、そこだけ少し見辛いかなとは感じました。
また、わかりやすいと言っても、試験自体は難しくて、問題作成者の意図する回答が何かを問題自体の流れから汲み取って、かなりスピーディーに解く必要があるものの、何回挑戦しても、時間が足りなくなり、全てを回答できないまま時間が来てしまうことの方が圧倒的に多いです。

付け焼き刃では太刀打ちできません。そのため、試験会場に来ても、午前中の一般と専門だけやって、午後の実技はやらずに帰る人も多数います。

また、過去問を解けて安心しても、本番になると傾向がガラッと変わることもあり、問題を作成した人を恨みたくなることもあります。これを解いただけでどうにかなるものではないことを認識して購入した方が良いと思います。

ちなみに、私自身は2009年から試験を受け始めて、一般と専門の学科試験二科目をパスして、あと実技のみ受かればと言うのを2、3回繰り返して、1年間の免除期間の内に合格できずに振り出しに戻ると言うことを繰り返して、いまだに合格できずにいるので、凡人には半年以上根詰めて試験対策だけに取り組むくらいのことをしないと合格できないものと思われますが、私にはこの試験に合格するための才能はないかなと、もう8割ほど諦めモードになっています。

挑戦される方は、この失敗体験談を元に対策を練ってみてください。成功体験を見ても、恐らく、地頭の良い人なので、同じようなペース配分、同じテキストを同じ期間や同じ時間を使って試験対策を取れるかと言ったら、凡人には結構容量が多すぎて、相当難しく、あまり参考にはならないと思います。」

2 一度合格した科目の復習を定期的にする頭ではわかってても、次で受かりたいという焦りがあると、復習になかなか手を出せません。しかし、実技試験は、一般・専門知識の延長にあります。一般知識の理解があいまいだと記述問題の解答の精度が落ちますし、専門知識の暗記があいまいだと、実技試験の問3に出てくるような防災気象情報の設問や1点として落としたくない穴埋め問題を落とすことにつながります。過去問を解く必要はありませんが、参考書やノートを引っ張り出して眺めるだけでいいので、頭から抜けないようにするべきだと思います。以下の受験体験記「なぜ4年もかかったのか?反省を踏まえたノウハウ」でも書きましたが、学科合格には大きな盲点があります。それは「合格点ギリギリで合格してしまうラッキー合格」です。学科試験の知識が100%でないのになんだかきちんと理解できたような気になってしまい「学科免除→学科復活」を何度も繰り返すことになります。」

上の2つの話から考えると…特に2にある「一般知識の理解があいまいだと記述問題の解答の精度が落ちます」は、重要な示唆だと感じました。

一般にも実技にも計算問題が出てきます。きっちりした理論を定着させ、それらを応用で使いこなせるようにするためには、「まずは、一般に絞る」を実践していきたいと思います。

コメント

  1. 金太郎パパ より:

    失敗談は、参考になりますよね。
    しかし、随分と難しいんですね。

    どっかのFP試験などとは全く異なるものだとは理解してましたけれど、想像のさらに上を行く難しさです。

    冥土の土産になればいい方ぐらいで挑戦したほうがいいのかもしれませんね。
    (徒然様は、2年目で合格するぐらいかと思われます。)

  2. happy より:

    一発で合格する人もいますが、1%未満と言われています。
    どうせやるんだったら、一発合格といきたいところですが、2~3回目くらいで合格することを目指すのが、妥当かなとかってに思い込んでいます。

    はっきり言って、資格をとったからといって、どうだこうだということはありません。

    試験会場は東京なので、試験日の前後は試験会場の近くにお泊まりするのが、恒例行事みたいな感じになるかな?