試験が楽しい!?(60回実技2問1)

めざせ気象予報士

テーマは温帯低気圧か?台風ですね!

令和5 年度第1 回( 通算第6 0 回) 気象予報⼠試験( 実技2 )
XX 年6 ⽉15 ⽇から17 ⽇にかけての⽇本付近における気象の解析と予想に関する以下の問いに答えよ。予想図の初期時刻は、図4 を除き、いずれも6 ⽉15 ⽇21 時(12UTC)である。

問1 図1 は天気図、図2 は気象衛星画像、図3 は解析図、図4 は12 時間予想図であり、対象時刻はいずれも15 ⽇21 時である。これらを⽤いて以下の問いに答えよ。なお、図1 には前線が描画されていない。


(1) 15⽇21時の⽇本付近の気象概況について述べた次の⽂章の空欄(①)〜(⑫)に⼊る適切な数値または語句を答えよ。ただし、②は50 刻みで、⑥⑪は漢字で、⑦は16 ⽅位で、⑧⑨は下の枠の中から選んで、⑩は符号を付して答えよ。

地上天気図では、⽯垣島付近に中⼼気圧(①)hPa の台⾵があり、東北東へ16 ノットで進んでいる。この台⾵の24 時間後の予報円の⼤きさは直径(②)海⾥で、24 時間後にこの円内に台⾵の中⼼が⼊る確率は(③)%である。台⾵の中⼼付近の最⼤⾵速は(④)ノットで、今後24 時間以内に最⼤⾵速は(⑤)ノットに達すると予想されており、この台⾵に対して (⑥)警報が発表されている。

①994 下の英文から読む

②150 経線1°=600海里 11.5/45×600=115(海里)

③70 定義:台風の予報円は、台風の中心が入る確率を70%と定義している。

④35 ⑤40

⑥海上強風 SW


⽇本の東には中⼼気圧998hPa の温帯低気圧があって(⑦)へ20 ノットで進んでいる。
⽯垣島の地上観測の現在天気によると、(⑧)から(⑨)降⽔があり、過去3 時間の気圧変化量は(⑩)hPa となっている。
⽇本海や東シナ海には(⑪)警報が発表されており、その発表基準は視程(⑫)海⾥以下である。

⑦20

⑧対流雲 

⑨前1時間内

⑩-1.1  右のような表記がある:「-11ヘ」 数値は0.1単位なので-1.1となる。気圧は下降しているので「へ」と表示されている。

⑪海上濃霧 W

⑫0.3 約束:海上濃霧Wを表示する発表基準は、0.3海里以下

(2) 図1 の⽇本の東の低気圧の中⼼は、この低気圧との関係が最も強い500hPa の強⾵軸に対してどのような位置にあるか、適切な語句を下の枠の中から選んで答えよ。

   明らかに低緯度側  明らかに⾼緯度側  ほぼ真下

上の2枚を見比べてみると、強風軸のほぼ真下に998hPaのLがあることが分かる。

※「ああ、なるほど」という思いが、楽しいですね。でも、楽しいのは、ここからです。

(3) 地上から500hPa にかけての、台⾵中⼼の鉛直⽅向からの傾きについて、その⽅向を8 ⽅位で答えよ。ただし、500hPa の中⼼位置が地上の中⼼位置から50km 以内のときは「ほぼ鉛直」と答えよ。

前問(2)の2枚の画像を重ね合わせてイメージすると、500hPa の中⼼位置が地上の低気圧の中⼼位置と重なる。よって、台⾵中⼼の鉛直⽅向からの傾きは、「ほぼ鉛直」となる。

(4) 図2 を⽤いて、地上の台⾵中⼼とその周辺における雲域の特徴を、雲の種類(層状雲または対流雲)および雲頂⾼度に⾔及して50 字程度で述べよ。

台 風 中 心 と 南 西 側 は 雲 頂 高 度 の 低い 対 流 雲 、 北 東 側 は 雲 頂 高 度 の 高い 発 達 し た 対 流 雲 が 多 く 分 布 し てい る 。

解説には、「赤外線画像から地上の台風中心とその周辺の雲域の特徴を雲の種類(層状雲or対流雲)および雲の雲頂高度に言及して説明する問題」と書かれています。台風中心の南西側と北東側に雲の特徴が現れていることが分かります。その2つについて、雲の種類と雲頂高度について述べればよいと考えます。

赤外線画像の見方:白く輝いている領域は、輝度温度が非常に低く雲頂高度の高い積乱雲または厚い上層雲が集中した領域。白と灰色の混ざった領域は、雲頂高度の高い積乱雲などと雲頂高度の低い中・下層雲が混在した領域

南 西 側雲 頂 高 度 の 低い 対 流 雲

北 東 側雲 頂 高 度 の 高い 発 達 し た 対 流 雲 が 多 く 分 布

※初めて、記述問題に取り組みます。そう、「問題をよく読み、訊かれたことにだけ答て余計なことを書かない。」でしたね。


(5) 図4 を⽤いて、図1 の地上の台⾵中⼼から200km 以内の、500hPa ⾯の気温分布の特徴、および700hPa ⾯の乾湿の分布の特徴を、それぞれ30 字程度で述べよ。

中 心 付 近 に 気 温 の 極 大 が あ り 、 その 周 辺 で は ほ ぼ 一 様 で あ る 。

500hPa ⾯の気温分布の特徴:「W」が 気 温 の 極 大

700hPa ⾯の乾湿の分布の特徴:中 心 の 北 西 側 に 乾 燥 域 、 北 東 側 と南 西 側 で は 湿 潤 域 が 広 が る 。

※やっと問1が終わりました。実技試験2の三分の一くらいですが、これだけで、2時間以上かかりました。制限時間75分ですから、これを時間短縮して20分以内にできるといいですね。

コメント

  1. 金太郎パパ より:

    > 試験が楽しい!?(60回実技2問1)

     自分の習得した内容が活かされる時なのでしょうか。
     楽しく次々と答えが導けるってことは、数学の証明問題を解いているようなんでしょうね。

     いよいよ、のってきましたね。
     がんばってください。