youtube一月万冊で紹介された「物語 ウクライナの歴史」という本ですが、ウクライナ大使だった黒川裕次という方が、2002年に中央新書から出版した本です。
先日、図書館で検索したらありましたので借りてきました。因みに、最近20年ぶりに再版された本書が書店に積んであるのを発見しました。出版社というのは、世界の情勢に敏感に反応するものだと感心させられました。
さて、この本に書かれていることはyoutubeでほぼほぼ分かったような気がしていましたが、実際に読んでみると興味深いことが書かれています。
ゼレンスキー大統領も言っていましたが、ウクライナは日本からはるか遠く離れている国です。私は、ウクライナは穀倉地帯の広がる農業の国、そして映画「ひまわり」の舞台になった国というイメージくらいしかありませんでした。しかし、今回のことで、チェルノブイリがウクライナにあることをしりました。チェルノブイリは、もっと北東の方にあるイメージでした。
最初の章の「スキタイ-騎馬と黄金の民族」では、世界史に名前が出てくるヘロドトスの書いた「歴史」をより所にした内容が書かれています。話は紀元前のことになりますが、この広い平原に恵まれた土地を支配したのは上手に馬に乗った騎馬民族だったようです。
興味深かったのは、馬と弓を巧みに使った勇敢な戦士だったという部分です。その中でもダリウス大王のペルシャが大軍を送り込んだときの戦法は、紀元後になってもナポレオンの遠征やナチスドイツの侵攻に対するゲリラ戦法に通じるものがあったという視点です。
大軍のペルシャ軍に対峙したスキタイ軍は、騎兵隊の姿を敵に見せては撤退し見せては撤退しという戦法をとったようです。撤退しながらも途中にある井戸や泉を埋め、相手の兵士が食糧を求めに来るところを攻撃するようなことを繰り返し、ペルシャ軍を消耗させていったようです。結果として、ペルシャ軍撃退に成功したということです。
この地に生きる民族は、昔から戦い方を知っていたということでしょうか。
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