気象衛星画像から学ぶ2

55回　専門　問9

問9 図は,3月のある日の9時の気象衛星画像(可視,赤外,水蒸気)である。図から解析される現象について述べた次の文章の空欄(a)~(c)に入る語句および数値の組み合わせとして適切なものを,下記の1~5の中から1つ選べ。

発達した低気圧が日本海北部と三陸沖にあって,それぞれ北東に進んでいる。日本海北部の低気圧の中心付近には中下層の雲渦がみられ,その北側にはバルジ状の厚い雲域がある。このような状況から,この低気圧は(a)と考えられる。三陸沖の低気圧の中心は北緯41° 東経(b)。付近にあり,寒冷前線に対応する対流雲の雲列が南または南西方向へ連なっている。南西諸島から日本の南海上には(c)がみられ,華中方面から日本の南海上にのびる上空の強風軸に対応している。

(a)日本海北部の低気圧の中心付近には中下層の雲渦がみられ,その北側にはバルジ状の厚い雲域がある。このような状況から,この低気圧は(a)と考えられる。

「バルジとは、極側へふくらみ（高気圧性曲率）をもった雲域」で、「気圧の谷から尾根の上層の発散場に形成される」「南からの暖気移流によって局側への膨らみを増し、高気圧性曲率が増大した場合は、低気圧の発達を示します。」とテキストに書かれています。

この低気圧は、すでに閉塞しているか否かということですが、水蒸気画像を見る限り、南からの暖気移流は見うけられないので「閉塞している」と考えます。

(b)三陸沖の低気圧の中心は北緯41° 東経(b)。付近にあり,寒冷前線に対応する対流雲の雲列が南または南西方向へ連なっている。

三陸沖の低気圧の中心は、東京－秋田（八郎潟付近）を通る経線は東経140度で、問題は、表示されている経線の間隔です。10度と考えると東へ6分目くらいなので、「146」でしょう。参照：フック

ここで、この3枚の画像に引かれている緯線・経線の間隔は10度でしょうか。10度600海里でしたね。kmに換算すると1.852倍です。

Copilotから：気象衛星画像に引かれている緯線・経線の間隔は通常10度です。この間隔は、1度が約60海里に相当するため、10度の間隔は600海里に相当します。

気象衛星画像を解析する際には、これらの緯線・経線を利用して位置情報や気象現象の位置を特定することが重要です。これにより、より正確な気象予報が可能になります。

(c)南西諸島から日本の南海上には(c)がみられ,華中方面から日本の南海上にのびる上空の強風軸に対応している。下のように、「Ciストリーク」と「クラウドクラスター」について調べた結果、「Ciストリーク」が正解のようです。

Copilotから：「Ciストリーク」とは、Ciストリーク（シーラスストリーク）は、細長く筋状の巻雲（シーラス）を指します。これらの雲は、ジェット気流などの上層の風に沿って見られ、上層のトラフに対応して高気圧性曲率を示すことが多いです。また、下層の雲域をエンハンスさせて雲域を発達させる場合もあります。

この現象は、気象衛星画像で観測されることが多く、気象予報において重要な役割を果たします。例えば、Ciストリークがジェット気流に沿って見られる場合、その地域の上層の風の流れや気圧配置を示す手がかりとなります。

気象予報士試験でも、Ciストリークに関する問題が出題されることがありますので、理解しておくと役立ちます。

Copilotから：「クラウドクラスター」とは、クラウドクラスター（cloud cluster）は、多くの積乱雲（Cb：cumulonimbus）が集合して巨大な塊を形成する現象です。これらのクラウドクラスターは、水平スケールが数百キロメートルに達することがあり、特に熱帯地域や夏の大陸上でよく見られます。

クラウドクラスターは、様々なサイズや発達段階の対流雲で構成されており、激しい気象現象を伴うことが多いです。例えば、大雨、突風、集中豪雨などが発生し、災害を引き起こすことがあります。日本付近では、梅雨期の東シナ海で発生することが多く、九州地方に大雨をもたらすことがあります。

クラウドクラスターは、気象衛星画像で観測されることが多く、気象予報において重要な役割を果たします。例えば、クラウドクラスターが発生することで、熱帯低気圧や台風の形成が予測されることがあります。

このように、クラウドクラスターは気象現象の理解と予測において重要な要素となっています。興味深いですね！