気象衛星画像問題53s9

めざせ気象予報士専門分野

問9 次ページの図は,3月のある日の同じ時刻に観測された気象衛星の可視画像(上)と赤外画像(下)である。図にA~Dで示した各領域に見られる現象について述べた次の文(a)~(d)の下線部の正誤について,下記の1~5の中から正しいものを1つ選べ。

  • (a)領域Aでは霧または下層雲が発生しており,大気下層には安定層があると考えられる。
  • (b)領域Bでは地形性の巻雲が発生しており,奥羽山脈の山頂付近の高度から対流圏上部まで,大気は安定した成層を成し,風向はほば一定であると考えられる。
  • (c)領域Cには薄い巻雲を透かしてその下に波状の雲が見られる。波状の雲の生成には山岳波が関係していると考えられる。
  • (d)西日本から南西諸島にかけて発達中の低気圧に伴う雲域がかかり,低気圧の中心付近に対応する領域Dには積乱雲を含む雲域が存在している。

(a)領域Aでは霧または下層雲が発生しており,大気下層には安定層があると考えられる。

領域A:可視画像では灰色で、表面に凹凸がなく一様であることが読み取れます。また、赤外画像では暗灰色に写っていることから、雲頂高度が低い雲と判断できます。

したがって、大気下層に安定層があると考えられ、その下では霧または層雲が発生していると判断されますので、下線部の内容は正しいということになります。

(b)領域Bでは地形性の巻雲が発生しており,奥羽山脈の山頂付近の高度から対流圏上部まで,大気は安定した成層を成し,風向はほば一定であると考えられる。

領域Bを見てみます。可視画像では灰色でよく見ますと領域の西側でいくつも筋状になっており東側に向かって雲域が延びていることが読み取れます。また、赤外画像では白く写っており、雲頂高度の高い雲であることから、上層雲であると判断されます。

そこで、本文を読んでみますと、下線部に「地形性の巻雲」とあります。東北地方では南北に奥羽山脈が連なっており、その奥羽山脈の山頂付近の高度から対流圏上層にかけて大気の鉛直安定度が大きいとき、西よりの風が山脈を乗り越えて発生した波動が対流圏上層に伝播して風下側へ長く延びる巻雲が発生することがあります。この巻雲のことを「地形性巻雲」とよんでいます。

したがって、下線部の内容は正しいということになります。

(c)領域Cには薄い巻雲を透かしてその下に波状の雲が見られる。波状の雲の生成に
は山岳波が関係していると考えられる。

赤外画像を先に見てみますと、白く写っていることから雲頂高度の高い雲と判断されます。一方、可視画像では、領域をよく見ますと、本文に書かれています通り、表面が暗いことから巻雲の存在が確認でき、さらにそれを透かして下に波状雲が見られます。この領域では、標高の高い山岳が連なっていることから巻雲の下では、山岳波に伴った波状雲が発生していることが考えられます。

したがって、下線部の内容は正しいということになります。

(d)西日本から南西諸島にかけて発達中の低気圧に伴う雲域がかかり,低気圧の中心
付近に対応する領域Dには積乱雲を含む雲域が存在している。

最後に、可視画像では白く表面に凹凸が見られ、赤外画像でも特に白い雲域が見られることから積乱雲を含む雲域が存在していると判断されます。

したがって、下線部の内容は正しいということになります。

よって正解は、すべて正しく、⑤ということになります。

コメント

  1. 金太郎パパ より:

     □の中が徒然さんの見解ですね。
     専門的な用語が並び、まるでどこからかコピーしてきたような滑らかさ。
     ずいぶんと学習が進んでいるってことでしょうね。

     すごいとしか言えません。
     がんばっているってことですね。