地上気象観測に関する過去問52-63[1周目]

めざせ気象予報士専門分野

気象衛星画像の後に、どの領域がよいかと考えましたが、過去問の出題順をなぞって地上気象観測の問題を集中して取り組むことにしました。

52s1 気温の観測 電気式温度計 2回目正解

気象庁が行う気温の観測について述べた次の文章の空欄(a)~(c)に入る適切な語句の組み合わせを,下記の1~5の中から一つ選べ。

電気式温度計の感部は,通風筒と呼ばれる筒の中に収容されている。通風筒は断熱材を挟む金属製の二重の円筒容器で,その上部にはファンが取り付けられており,円筒内を(a)に通風することにより,(b)がないようにしている。また,通風筒下部に取り付けられた遮へい板により,(c)の影響を防ぐ構造になっている。

電気式温度計の感部は,通風筒と呼ばれる筒の中に収容されている。通風筒は断熱材を挟む金属製の二重の円筒容器で,その上部にはファンが取り付けられており,円筒内を(a)上向きに通風することにより,(b)外気との温度差がないようにしている。また,通風筒下部に取り付けられた遮へい板により,(c)地表面で反射した日射の影響を防ぐ構造になっている。

※正解は②

53s1 風の地上気象観測 2回目 正解

気象庁が行っている風の地上気象観測について述べた次の文章の下線部(a)~(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを,下記の1~5の中から1つ選べ。

地上気象観測では,風速は(a)前5分平均値であり,日最大風速は該当日における,1分ごとに算出した風速の最大値である。
 図は,ある地点の瞬間風速の時系列を示したものであり,8時51分~9時5分,9時6分~9時8分,9時9分~9時20分それぞれの期間における任意の時刻の前1分平均値は,4.0m/s,10.0m/s,5.0m/sである。
このとき,9時10分の風速は(b)8.0m/sである。また,この日,この図の時間帯に日最大風速が観測されたとすると,その起時は(c)9時8分である

  • (a)前5分平均値は、誤り 前10分平均値が正しい。
  • (b)8.0m/sは誤り 9時10分の前10分間の平均なので、4×5+10×3+5×2=60 60÷10=6
  • (c)9時8分は誤り 日最大風速の起時は9:05、前10分間(9:05-9:15)でみるので9時15分が正しい。 

誤誤誤で⑤が正解

54s1 地上気象観測における天気 2回目 正解

問1 気象庁が行う地上気象観測における天気について述べた次の文(a)~(d)の正誤について,下記の1~5の中から正しいものを1つ選べ。ただし,ここに記述されていない雲や大気現象は発現していないものとし,天気は「快晴,晴,薄曇,曇,雨,雪,地ふぶき」の中から選ばれているものとする。

  • (a)層積雲が全天の8割を覆っている場合,天気は「曇」である。
  • (b)高積雲が全天の6割を覆い,その上には巻層雲が広がっていて,全雲量が10⁻ の場合,天気は「薄曇」である。
  • (c)積乱雲が全天の9割を覆い,観測点では雨は降っていないが視界内に降雨が認められる場合,天気は「雨」である。
  • (d)全天に雲はなく,地面に積もった雪が風で吹き上げられている場合,天気は「雪」である。

  • (a)誤 層積雲が全天の8割の天気は「晴れ」、雲量0-1快晴、2-8晴れ、9-10曇り
  • (b)誤 高積雲が全天の6割を覆い,その上には巻層雲が広がっていて,全雲量が10⁻ の場合,天気は「薄曇」である。※「薄曇」とは、上層雲が主体で全天が10分の9以上覆われている場合のこと
  • (c)誤 積乱雲が全天の9割を覆い,観測点では雨は降っていないが視界内に降雨が認められる場合,天気は「雨」である。雪とは「雪、霧雪または細氷が降っている状態」
  • (d)誤 全天に雲はなく,地面に積もった雪が風で吹き上げられている場合,天気は「雪」である。
  • ※正解は⑤ すべて誤り

後日 気象庁の気象観測の手引き 参照のこと

55s1 地上気象観測と観測結果の統計 2回目 不正解(a)悩んだ

問1 気象庁が行っている地上気象観測と観測結果の統計について述べた次の文(a)~(d)の正誤について,下記の1~5の中から正しいものを1つ選べ。

  • (a)同一期間内に極値となる値が2つ以上現れた場合は,起日(起時)の新しい方を極値としている。
  • (b)日照時間は,全天日射量が一定のしきい値以上となった時間を合計して求めている。
  • (c)平年値は,過去50年間の平均値をもって定義し,10年ごとに更新している。
  • (d)日最高気温が30℃以上の日数を夏日の日数,0℃未満の日数を冬日の日数としている。
  • (a)同一期間内に極値となる値が2つ以上現れた場合は,起日(起時)の新しい方を極値としている。○これは、お約束ごとですから覚えるしかありませんね。
  • (b)日照時間は,全天日射量が一定のしきい値以上となった時間を合計して求めている。日照時間とは直射日光が地表を照射した時間×
  • (c)平年値は,過去50年間の平均値をもって定義し,10年ごとに更新している。30年の平均値×
  • (d)日最高気温が30℃以上の日数を夏日の日数,0℃未満の日数を冬日の日数としている。夏日は25℃以上の日数×

※正解は

56s1 降水の観測や雨量計 2回目正解

問1 気象庁が行っている地上気象観測における降水の観測や雨量計について述べた次の文(a)~(d)の正誤について,下記の1~5の中から正しいものを1つ選べ。

  • (a)「降水量」とは,ある時間内に地表の水平面に降った雨·雪などの量であり,降水が地中にしみ込んだり他の場所に流れ去ったりせずに地表面上を覆ったとしたときの水の深さ(雪などの固形降水の場合は融かして水にしたときの深さ)で表す。
  • (b)アメダスでは,雨水が転倒ますに一定量(0.5mm相当)入ると転倒する構造の雨量計を用いて,転倒した回数から雨量を観測している。
  • (c)雨量計に隣接して建物や高い樹木などがあるような環境では,雨滴や雪片の捕捉率が下がるなどして,観測精度が低下する。
  • (d)雪などの固形降水が積もって地面を覆っている状態を「積雪」といい,稀に夏季にひょうが積もって「積雪」となることがある。
  • (a)「降水量」とは,ある時間内に地表の水平面に降った雨·雪などの量であり,降水が地中にしみ込んだり他の場所に流れ去ったりせずに地表面上を覆ったとしたときの水の深さ(雪などの固形降水の場合は融かして水にしたときの深さ)で表す。○決め事です。
  • (b)アメダスでは,雨水が転倒ますに一定量(0.5mm相当)入ると転倒する構造の雨量計を用いて,転倒した回数から雨量を観測している。○決め事です。転倒ます…傑作です。
  • (c)雨量計に隣接して建物や高い樹木などがあるような環境では,雨滴や雪片の捕捉率が下がるなどして,観測精度が低下する。○
  • (d)雪などの固形降水が積もって地面を覆っている状態を「積雪」といい,稀に夏季にひょうが積もって「積雪」となることがある。×「雪などの固形降水物が自然に積もって地面を覆っている状態を積雪といい,その深さを 積雪深又は積雪の深さという。ただし,夏季のひょうや氷あられは積もっても積雪とはいわない。」(気象庁)

※正解は

57s1 高層気象観測 ラジオゾンデ 2回目正解

問1 気象庁が行っているラジオゾンデを用いた高層気象観測について述べた次の文(a)~(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを,下記の1~5の中から1つ選べ。

  • (a)ラジオゾンデ観測における高度は,気球に充填する水素やへリウムの量から計算される上昇速度と放球後の経過時間から求めている。
  • (b)昼間のラジオゾンデ観測では,日射の影響により温度計センサーが大気の温度よりも高い値を示すことがあるが,発表される気温の観測値には日射の影響は補正されていない。
  • (c)ラジオゾンデ観測においては,気温が一定の基準値以下に低下すると湿度の正確な測定が難しくなることから,基準値以下の気温での湿度データは使われない。
  • (a)ラジオゾンデ観測における高度は,気球に充填する水素やへリウムの量から計算される上昇速度と放球後の経過時間から求めている。×GPSでしょう
  • (b)昼間のラジオゾンデ観測では,日射の影響により温度計センサーが大気の温度よりも高い値を示すことがあるが,発表される気温の観測値には日射の影響は補正されていない。補正しています
  • (c)ラジオゾンデ観測においては,気温が一定の基準値以下に低下すると湿度の正確な測定が難しくなることから,基準値以下の気温での湿度データは使われない。○正しい。

※正解は

58s1 地上気象観測について 2回目(a)だけ忘れていた

問1 気象庁が行っている地上気象観測について述べた次の文(a)~(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の1~5の中から1つ選べ。

  • (a)最大風速は風速計の測定値を10分間平均した値の最大値であり、最大瞬間風速は風速計の測定値を3秒間平均した値の最大値である。
  • (b)降水とは、大気中の水蒸気が凝結したり、昇華してできた液体·固体およびそれらの併合による生成物、すなわち雨·雪·あられ·ひょうなどが落下する現象、又は落下したものの総称である。
  • (c)天気を決める大気現象がなく、全雲量が9以上で、見かけ上の最多雲量が巻雲·巻積雲·巻層雲およびこれらの組み合わせによるとき、天気は薄曇である。
  • d)大気現象の霧と煙霧は、ともにごく小さな水滴が大気中に浮遊する現象で、水平視程が1km未満のときが霧、1km以上のときが煙霧である。
  • (a)最大風速は風速計の測定値を10分間平均した値の最大値であり、最大瞬間風速は風速計の測定値を3秒間平均した値の最大値である。○決め事です。
  • (b)降水とは、大気中の水蒸気が凝結したり、昇華してできた液体·固体およびそれらの併合による生成物、すなわち雨·雪·あられ·ひょうなどが落下する現象、又は落下したものの総称である。○
  • (c)天気を決める大気現象がなく、全雲量が9以上で、見かけ上の最多雲量が巻雲·巻積雲·巻層雲およびこれらの組み合わせによるとき、天気は薄曇である。○この問題は2回目の遭遇
  • d)大気現象の霧と煙霧は、ともにごく小さな水滴が大気中に浮遊する現象で、水平視程が1km未満のときが霧、1km以上のときが煙霧である。×「煙霧」は乾いた微粒子が大気中で浮遊することにより視程が10km未満

※正解は

59s1 地上気象観測の手法 2回目正解

問1 気象庁が行っている地上気象観測の手法について述べた次の文(a)~(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の1~5の中から1つ選べ。ただし、標高の高い地点についてはこの限りではない。

  • (a)観測地点の海面気圧は、その地点の気圧と気温の値および気圧計の平均海面からの高さを静力学平衡の式と気体の状態方程式に基づいた換算式に代入して求め、観測値としている。
  • (b)観測地点の気温は、観測データの面的な均一性を保つ目的で、下層大気の標準的な気温減率を用いて平均海面の高さの気温に補正して、観測値としている。
  • (c)地上10m より高い所で測定した観測地点の風速は、地表面の摩擦を考慮した換算式により地上10mの高さの風速に換算して、観測値としている。
  • (a)観測地点の海面気圧は、その地点の気圧と気温の値および気圧計の平均海面からの高さを静力学平衡の式と気体の状態方程式に基づいた換算式に代入して求め、観測値としている。○「海面更正」計算できるようにしておくこと!
  • (b)観測地点の気温は、観測データの面的な均一性を保つ目的で、下層大気の標準的な気温減率を用いて平均海面の高さの気温に補正して、観測値としている。×そんなことありません。
  • (c)地上10m より高い所で測定した観測地点の風速は、地表面の摩擦を考慮した換算式により地上10mの高さの風速に換算して、観測値としている。×風速の高度補正はしていない。

※正解は

60s1 観測した湿度等の測定結果 2回目再度チャレンジすること!

問1 異なる3つの観測点A、B、Cで観測した湿度等の測定結果について述べた文(a)~(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の1~5の中から1つ選べ。ただし、測定時の気圧はすべて1013.25hPa とし、飽和水蒸気圧は表1を用い、アスマン通風乾湿計による湿度は表2を用いて求めよ。

地点A:電気式湿度計の測定結果が70%、気温が20℃。
地点B:露点計の測定結果が15℃、気温が25℃。
地点C:アスマン通風乾湿計の湿球温度が15℃、乾球温度が20℃。

  • (a)大気に含まれる単位体積あたりの水蒸気量が最も少ないのは、地点Cである。
  • (b)大気に含まれる単位体積あたりの水蒸気量が最も多いのは、地点Aである。
  • (c)大気の相対湿度が最も低いのは、地点Bである。

地点A:電気式湿度計の測定結果が70%、気温が20℃。20℃のときの飽和水蒸気圧は、表から23.4hPa、湿度が70%なので、水蒸気圧は23.4 × 0.7 = 16.4 hPa

  • 地点B:露点計の測定結果が15℃、気温が25℃。25℃のときの飽和水蒸気圧は、表から31.7hPa。15℃のときの飽和水蒸気圧は、表から17.1hPa。地点Bの相対湿度は、(17.1 ÷ 31.7) × 100 = 54%
  • 地点C:アスマン通風乾湿計の湿球温度が15℃、乾球温度が20℃。湿球温度が 15 ℃乾球温度が 20 ℃、差が5度なので表から相対湿度59%、水蒸気圧は23.4 × 0.59 = 13.8 hPa
  • 上記を整理すると、地点A:70%16.4 hPa 地点B:54%17.1hPa  地点C:59%13.8 hPa

※正解は

61s1 全天日射や直達日射の観測 

問1 気象庁が行っている全天日射や直達日射の観測について述べた次の文(a)~(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の1~5の中から1つ選べ。

  • (a)全天日射量は、太陽から直接地上に到達する日射を太陽光線に垂直な面で受けた単位面積あたりのエネルギー量である。
  • (b)直達日射量は、日の出前や日の入り後の薄明においてもわずかながら観測される。
  • (c)気象庁では、観測した直達日射量を用いて、日射が大気中を通過するときのエーロゾル等による日射の減衰を表す指標(大気混濁係数)を算出している。
  • (a)全天日射量は、太陽から直接地上に到達する日射を太陽光線に垂直な面で受けた単位面積あたりのエネルギー量である。×  全天日射 = 「直達日射の水平面成分」+「散乱日射」
  • (b)直達日射量は、日の出前や日の入り後の薄明においてもわずかながら観測される。×直達日射は、太陽から真っすぐ地上に到達する光
  • (c)気象庁では、観測した直達日射量を用いて、日射が大気中を通過するときのエーロゾル等による日射の減衰を表す指標(大気混濁係数)を算出している。○

※正解は

62s1 風向·風速の地上気象観測・通報

問1 気象庁が行っている風向·風速の地上気象観測及び通報について述べた次の文(a)~(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の1~5の中から1つ選べ。

  • (a)気象官署における地上風の観測は風車型風向風速計を使い、0.1m/s単位で行われるが、地上実況気象通報式(SYNOP)では単位にノットを用い、その1の位まで通報する。
  • (b)10分間平均風速は、観測時刻を中心とした前後5分間の風速を平均した値である。
  • (c)0.1m/s 単位で観測した10 分間平均風速が0.5m/s 未満の場合を、「静穏」という。「静穏」の範囲は、気象庁風力階級の風力0に相当する。
  • (d)風向を36方位で表す場合、北風は「00」、南風は「18」とする。
  • (a)気象官署における地上風の観測は風車型風向風速計を使い、0.1m/s単位で行われるが、地上実況気象通報式(SYNOP)では単位にノットを用い、その1の位まで通報する。
  • (b)10分間平均風速は、観測時刻を中心とした前後5分間の風速を平均した値である。❌
  • (c)0.1m/s 単位で観測した10 分間平均風速が0.5m/s 未満の場合を、「静穏」という。「静穏」の範囲は、気象庁風力階級の風力0に相当する。❌
  • (d)風向を36方位で表す場合、北風は「00」、南風は「18」とする。❌

※正解は

63s1 地上気象観測 大気現象の定義

問1 気象庁が地上気象観測において定義している大気現象について述べた次の文(a)~(d)
の下線部の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の1~5の中から1つ選べ。

  • (a)霧やもやは、微小な水滴や湿った微粒子が大気中に浮遊する現象で、水平視程が1km未満の場合が霧、1km以上10km未満の場合がもやである。
  • (b)地ふぶきは、雪が降ると同時に、積もった雪が地上高く吹き上げられる現象である。
  • (c)過冷却の雨滴が降ってきて地面や地物に当たるとすぐに凍るものを凍雨という。
  • (d)地中に含まれる水分が氷の結晶となって地面に析出したものを、霜という。

  • (a)霧やもやは、微小な水滴や湿った微粒子が大気中に浮遊する現象で、水平視程が1km未満の場合が霧、1km以上10km未満の場合がもやである。⭕️
  • (b)地ふぶきは、雪が降ると同時に、積もった雪が地上高く吹き上げられる現象である。❌
  • (c)過冷却の雨滴が降ってきて地面や地物に当たるとすぐに凍るものを凍雨という。❌
  • (d)地中に含まれる水分が氷の結晶となって地面に析出したものを、霜という。❌

※正解は

コメント

  1. 金太郎パパ より:

    一気に来ましたね。
    画像問題よりも、こっちの問題の方が素人でも取り組みやすく感じました。(笑)

    しかし、当たりません。