安定層の上端は?

めざせ気象予報士実技分野

実技1問1(4)①について、「温暖前線面の気圧が790hPaである。」根拠として、「安定層の上端である」という模範解答が示されています。

図1(左)地上天気図と図4 鹿児島の状態曲線を見ながら検討する問題です。

状態曲線で、790hPaから880hPaの間、気温が露点温度に達し、気温減率がその下層より低くなっていることが確認できます。模範解答では、「温暖前線面の気圧790hPaである。」そして、その根拠は「安定層の上端である」と示されています。

790hPaから880hPaの間が安定層:Copilot先生に「温暖前線面と安定相の関係を簡潔に教えてください。」と問いました・

Copilot先生によりますと
温暖前線は暖かい空気が冷たい空気を押し上げて進む際に形成される境界です。温暖前線面は、この境界面を指します。
一方、安定層とは、大気の温度構造が上昇する空気塊を抑制する層です。温暖前線においては、前線面付近に安定層が存在しやすいです。これは、暖かい空気が冷たい空気を押し上げて移動することで、その境界付近で気温の垂直変化が小さくなり、安定した層が形成されるためです。

つまり、温暖前線面付近にはしばしば安定層が形成されると考えられます。

790hPa~880hPa間の安定層の790hPaあたりから、「気温の垂直変化が小さく」なっているということは、混じり合わない境界面、つまり温暖前線面付近である…という解釈でよいでしょうか?

改めて、実技試験《第62回試験・実技1・問1(4)①》(考察編) | 気象予報士 瀬戸信行の 「てるてる風雲録」から確認します。

以下転記開始:

まず、低気圧に伴う温暖前線に対して、鹿児島がどの位置にあるのか図1で確認しますと、温暖前線のわずかに東側の温暖前線前面にあります。ということは、エマグラムで見た場合、温暖前線面と遷移層の存在を示唆する安定層がそれほど高度が高くないところにあるはず、と考えられます。

そこで、図4の鹿児島のエマグラム、となるわけですが、その前に「安定層」とは何か、図を用いて考えてみます。

温暖前線を境に暖気が寒気の上空に流れ込みますと、前線面を上端として寒気と暖気の接するところに遷移層ができます。この遷移層の中は気温減率が小さい気層になっており、場合によって気温の逆転(逆転層)が形成されることがあります。このように遷移層における逆転層も含めた気温減率の小さい気層のことを「安定層」とよんでいます。

以上を踏まえて図4に着目しますと、安定層と見られる気温減率が小さい気層は、880hPa〜790hPaであることがわかります。

したがって、地上の前線から延ばした安定層の上端が前線面にあたりますので解答は10hPa刻みの指示で気圧は790hPa、またこのように判断した根拠は簡潔に、安定層の上端である。ということになります。

:以上転記終了

なるほど、考え方としてよかったのですね。

イメージとしては、こんな状況ができているのだと思います。なるほどーー!

第45回気象予報士試験 実技2 問4(動画解説付き)

コメント

  1. 金太郎パパ より:

    > なるほど、考え方としてよかったのですね。
    > イメージとしては、こんな状況ができているのだと思います。なるほどーー!

     まったくチンプンカンプンです。
     納得できる学習成果、いい感じで進んでいますね。