57回実技1問2

問2 図6,図7,図8は,500hPa高度·渦度(上),地上気圧·降水量·風(下)の12時間,24時間,36時間予想図であり,図9,図10,図11は,500hPa気温と700hPa湿数(上),850hPa 気温·風と700hPa鉛直流(下)の12時間,24時間,36時間予想図である。また,図12は気温と風の鉛直断面の12時間,24時間,36時間のいずれかの予想図である。これらを用いて以下の問いに答えよ。

(1)図1で日本の東にある高気圧および図6~図8の500hPa面の正渦度域に関する以下の問いに答えよ。

①図6~図8を用いて,この高気圧の12時間後から36時間後までの移動方向と平均の速さを,移動方向は16方位で,速さは5ノット刻みで単位を付して答えよ。
ただし,5ノット以下の場合は「ゆっくり」または「ほとんど停滞」のうちから適切な語句を答えよ。

図6下　Hに着目し、12時間予想図に24時間予想図と36時間予想図のHを写し取ると、上の図になります。ここでその移動距離を調べます。

②図6~図8を用いて,①の高気圧に対応する上空の気圧の尾根の鉛直方向からの傾きと,その12時間後から36時間後までの時間変化を30字程度で述べよ。

※高気圧ですからトラフではなくリッジですね。地上高気圧中心からリッジの傾き、考え方は低気圧の場合と同じなのでしょうね。（新鮮な学び！）

「上空に向かって西に傾き、傾きはしだいに小さくなる。」

③図6,図9を用いて,日本の東で北西から南東にのびる500hPa面の正渦度極大域付近における,500hPaの気温と700hPaの湿数の分布の特徴を40字程度で述べよ。

「気温場の谷のすぐ西側で、温度と湿数の傾度が大きく、その南西側に湿潤域がある。」

④ 図9~図11を用いて,図12の鉛直断面図の予想時間および水平方向の範囲として適切なものを下記のa~cの中から1つ選べ。
a 12時間後の北緯32°東経137°~北緯42° 東経147°
b 24時間後の北緯35°東経140°~北緯45°東経150°
c 36時間後の北緯40°東経145°~北緯50°東経155°

図12の鉛直断面図から高度と気温・風向・風速です。図9～図11の各図には、500hPa面および850hPa面の予想図に共通して分かるのは気温の分布です。

850hPa面を水色、500hPa面を赤色で線を引き、図9～図11の各図もⓐⓑⓒの範囲で850hPa面を水色、500hPa面を赤色で線を引いて、2つの等圧面とも図12と一致するのが12時間、24時間、36時間のいずれかを検討してみることにします。

鉛直断面図　気温に着目すると、500hPaの特徴は　南西⇒北東で、気温が－6℃から－12℃に急激に下がっている部分がある。850hPaの特徴は　南西⇒北東で、気温が14℃から9℃くらいに低下している部分がある。

このことに合致するのは、図10で、南西が東経140°ということが分かります。よってｂが正解です。

⑤ ④の結果に基づくと,下枠のいずれかが,3の北西から南東にのびる 500hPaの正渦度極大域に対応しており,気温と風の特徴的な分布は鉛直方向に連続して地上まで達していることがわかる。この特徴を表す最も適切な語句を下枠の中から1つ選んで答えよ。

④の結果として図10ということが分かりました。改めて図12（24時間後の予想図）に着目してみます。気温と風の特徴的な分布をと問われているので、下図に黄色のラインを引いてみました。気温は、南西から北東に向け下がっています。また、500hPaで風向は南から南西に変わっています。

瀬戸先生は　”特に気温が落ち込みが北東に傾いている領域において、高度が増すにつれて風向が時計回りに変化していることがわかります。これは、暖気移流があることを示し、したがって以上から、この「気温が落ち込みが北東に傾いている領域」は温暖前線面の特徴を表わしていると考えられます。”

と書かれています。「温暖前線面の特徴を学ぶ必要性を感じました。」

温暖前線面の気温と風向にはいくつかの特徴があります。

Copilot先生から

気温の特徴:

• 温暖前線は、温暖な空気と冷たい空気の境目に位置します。このため、温暖前線を通過する際には、気温が上昇することが一般的です。
• 前線の温暖域では、地表付近の空気が上昇し、上空に向かうほど冷たい空気と接触します。このため、気温の垂直分布には特徴的な変化が見られます。

風向の特徴:

• 温暖前線の風向は、前線の両側で異なるパターンを示します。通常、温暖前線の前（冷たい空気側）では北東寄りの風が吹き、前線を通過すると南西寄りの風に変わります。
• また、前線近くでは風向が時計回りに変化する（温暖前線の性質である「暖気移流」を示す）ことがあります。

これらの特徴は、気象予報や飛行の安全性を考える上で重要な要素となります。他にも詳しく知りたいことがあれば教えてくださいね。