北極振動とテレコネクションパターンについて

めざせ気象予報士専門分野

専門62回問15に下のような問題が出題されていました。

問15 図Aは、ある年の2月の月平均500hPa高度(実線)と平年偏差(陰影)であり、図Bは、同じ月の月平均海面気圧(実線)と平年偏差(陰影)である。これらの図から読み取れる大気と海洋の特徴について述べた次の文章の空欄(a)~(c)に入る語句の組み合わせとして適切なものを、下記の1~5の中から1つ選べ。

図Aでは、アリューシャン列島の東で負偏差、北米北部で正偏差、北米南部から北大西洋にかけて負偏差の波列パターンがみられる。これは、(a)が発生しているときに現れやすいパターンである。また、ヨーロッパから極東域にかけては、ヨーロッパ付近で正偏差、ロシア西部で負偏差、東アジアで正偏差の波列パターンがみられ、これは(b)と呼ばれる。
図Bでは、地上のアリューシャン低気圧の勢力は平年よりも東側で(c)なっており、(a)が発生しているときの特徴がみられる。

手元にある解説書によると、「テレコネクションパターンの問題」と記されています。Copilotによれば、「テレコネクションパターン」とは、「大気の異常や振動が異なる地域において相互に影響し合う現象を指します。簡単に言えば、ある地域の気圧や温度の変化が、遠く離れた別の地域の気象状況に影響を与えるという関係性を示しています。このようなパターンは、主に気象学や気候学の分野で研究されており、地域間の大気の連動性を解明するのに役立ちます。」と答えてくれました。

「バタフライエフェクト」や「風が吹くと桶屋が儲かる」に似た現象が、気象現象にもあるということですね。

さて、問題文中に「図Aでは、アリューシャン列島の東で負偏差、北米北部で正偏差、北米南部から北大西洋にかけて負偏差の波列パターンがみられる。これは、(a)が発生しているときに現れやすいパターンである。」とあります。

図Aの意味が分からないと、適応できないので調べてみました。

図Aでは、北極の中心に近いところに「L」スタンプが3つあります。高度線に着目すると中緯度よりも極に近い高緯度の高度が低いようです。着色された色を見ると青色で、平年よりも高度が低いことを表しているようです。

上の2つのことから、「L」の領域は、500hPaの高度が低い=負偏差=寒色系=低温傾向のようです。また、逆に500hPaの高度が高い=正偏差=暖色系=高温傾向のようです。

図1とは、反対の傾向ですがこんな図も発見しました。これは、偏西風の蛇行と関連が深そうです。

さて、さて、問題文中に「図Aでは、アリューシャン列島の東で負偏差、北米北部で正偏差、北米南部から北大西洋にかけて負偏差の波列パターンがみられる。これは、(a)が発生しているときに現れやすいパターンである。」とあります。PNA(Pacific-North American)パターン

PNA(Pacific-North American)パターンは、太平洋と北米を結ぶテレコネクションパターンの一つで、大気循環の波動が遠く離れた地域に影響を及ぼす仕組みを示しています。このパターンは、特に冬季の北半球で顕著に見られます。

メカニズムの概要:

  1. ロスビー波の伝播: PNAパターンは、熱帯太平洋での対流活動の変化が引き金となり、ロスビー波と呼ばれる大気波動が北米に伝播することで形成されます。この波動は、エルニーニョやラニーニャ現象と密接に関連しています。
  2. エネルギーの変換: 中緯度のジェット気流の出口付近で、エネルギーが効率的に変換されることで、PNAパターンが成長します。この過程では、ジェット気流の非一様性が重要な役割を果たします。
  3. 波列構造: PNAパターンは、太平洋西部、アラスカ付近、北米中部、そして米国南東部における高気圧と低気圧の交互の波列構造として現れます。この波列が地域の気象に影響を与え、例えば北米での寒波や干ばつを引き起こすことがあります。

ここで、メカニズムをどうこう論じても時間とテネルギーの無駄遣いなので、キーワード的に覚えるこうもくなのかな、と思います。

北半球冬季の5つのテレコネクションパターンを教えてください。

Copilot:北半球冬季には、以下の主要なテレコネクションパターンが観測されます。それぞれが地域の気象や気候に大きな影響を与えます。

  • 1 ユーラシアパターン(Eurasian Pattern, EU): ヨーロッパからアジアにかけての気圧変動を示し、特にシベリア高気圧の強弱に影響を与えます。
  • 2 北極振動(Arctic Oscillation, AO): 北極域の気圧変動と中緯度地域の気圧変動の関係を示します。AOが正の状態では、北極域の寒気が閉じ込められ、中緯度地域は比較的温暖になります。
  • 3 北大西洋振動(North Atlantic Oscillation, NAO): 北大西洋のアイスランド低気圧とアゾレス高気圧の強弱関係を示します。NAOが正の状態では、ヨーロッパは温暖で湿潤な冬を迎えます。
  • 4 太平洋北米パターン(Pacific-North American Pattern, PNA): 太平洋と北米を結ぶ波列構造で、エルニーニョ現象と関連することが多いです。北米の気温や降水量に影響を与えます。
  • 5 西太平洋パターン(Western Pacific Pattern, WP): 西太平洋地域の気圧変動を示し、東アジアや日本の冬季気候に影響を与えます。

(a)は、上記5つのうちの「4 太平洋北米パターン」のようです。特徴としては、「太平洋と北米を結ぶ波列構造で、エルニーニョ現象」ということですね。

(b)ヨーロッパから極東域にかけては、ヨーロッパ付近で正偏差、ロシア西部で負偏差、東アジアで正偏差の波列パターンは、「1 ユーラシアパターン(Eurasian Pattern, EU): ヨーロッパからアジアにかけての気圧変動を示し、特にシベリア高気圧の強弱に影響を与えます。」ですね。

(c)図Bでは、地上のアリューシャン低気圧の勢力は平年よりも東側で(c)なっており、(a)が発生しているときの特徴がみられる。

500hPaの平年偏差が負だと、海面気圧の偏差にもそのまま現れるということでしょうか。

コメント

  1. 金太郎パパ より:

    パス!

    ゴメンナサイね!