② 問2温位・相当温位・断熱変化パターンの解法

② 温位・相当温位・断熱変化 (5回)
回(年)与えられていること求めさせること
第63回
2025.1
大気の鉛直温度分布・空気塊の温位の定義乾燥断熱減率・温位保存の条件(正誤)
第62回
2024.8
未飽和の空気塊・乾燥断熱減率10℃/km鉛直運動での温度変化(語句・数値の穴埋め)
第55回
2021.1
熱力学第一法則の式・断熱変化の条件乾燥断熱減率の式の導出・用語の穴埋め
第51回
2019.1
複数の空気塊A〜Dの気圧・温度・水蒸気量温位・相当温位の大小比較(正誤)
第50回
2018.8 問2
複数の空気塊の気圧・温度・水蒸気量温位・相当温位の大小・保存性(正誤)

第63回 問2

次に示す3種類の湿潤空気塊の比湿A、B、Cの大小関係として正しいものを、下記の1~5の中から1つ選べ。ただし、比湿sは、水蒸気圧e、気圧pを用いて、S=0.622e/pで近似できるものとする。また、温度と飽和水蒸気圧の関係は次の表の通りとする。

  • A 温度12℃の乾燥空気990g と水蒸気10gからなる湿潤空気塊の比湿
  • B 温度14℃、相対湿度75%、気圧700hPaの湿潤空気塊の比湿
  • C 温度20℃、露点温度16℃、気圧 900hPaの湿潤空気塊の比湿

① A<B<C
② A<C<B
③ B<A<C
④ B<C<A
⑤ C<A<B

いい問題です!A・B・Cそれぞれ求め方が違うのがポイントです。

比湿sは、水蒸気圧e、気圧pを用いて、S=0.622e/pで近似できる

この式を使いますが、必要なのは e(水蒸気圧)とp(気圧) の2つです。


まずA  温度12℃の乾燥空気990g と水蒸気10gからなる湿潤空気塊の比湿

「乾燥空気990g+水蒸気10g」という質量の情報が与えられています。

この場合、式に直接代入する前に eとp を求める必要があります。

ここで使う関係式はこちら:

まず物質量(mol数)を計算しましょう。

  • 乾燥空気(分子量29):990g → 何mol?
  • 水蒸気(分子量18):10g → 何mol?

計算してみてください!

乾燥空気:約34mol、水蒸気:約0.56molですね。

正解です!では次のステップへ。ep=0.5634+0.56=0.5634.560.0162\frac{e}{p} = \frac{0.56}{34 + 0.56} = \frac{0.56}{34.56} \approx 0.0162

これを比湿の式に代入します:sA=0.622×ep=0.622×0.01620.0101s_A = 0.622 \times \frac{e}{p} = 0.622 \times 0.0162 \approx 0.0101sA0.0101 kg/kg\boldsymbol{s_A \approx 0.0101 \text{ kg/kg}}sA​≈0.0101 kg/kg …湿潤空気塊Aの比湿

次はB 温度14℃、相対湿度75%、気圧700hPaの湿潤空気塊の比湿 

「温度14℃、相対湿度75%、気圧700hPa」が与えられています。

手順:

  1. 表から14℃の飽和水蒸気圧を読む → es = ?hPa
  2. 相対湿度75%から実際の水蒸気圧 e=es×0.75e = e_s \times 0.75e=es​×0.75 を計算
  3. sB=0.622eps_B = \dfrac{0.622e}{p}s B​=p0.622e​ に代入

まず表から ese_s​ を読んでみてください! 16hPa

正解です!では続けて。e=16×0.75=12 hPae = 16 \times 0.75 = 12 \text{ hPa}

これを比湿の式に代入すると:sB=0.622×12700=s_B = \frac{0.622 \times 12}{700} = \text{?}

計算してみてください! 0.0107

sB​=7000.622×12​≈0.0107 kg/kg

最後はC 温度20℃、露点温度16℃、気圧 900hPaの湿潤空気塊の比湿

「温度20℃、露点温度16℃、気圧900hPa」が与えられています。

露点温度とは「その空気を冷やしたとき、ちょうど飽和する温度」です。

つまり、露点温度16℃のときの飽和水蒸気圧 = 現在の水蒸気圧e となります。

表から16℃の飽和水蒸気圧を読むと e = ? hPa  18hPa

正解です!では代入しましょう。sC=0.622×18900=s_C = \frac{0.622 \times 18}{900} = \text{?}sC​=0.01244

3つの結果を並べると

比湿
sAs_AsA​0.0101
sBs_BsB​0.0107
sCs_CsC​0.0124

大小関係は?sA<sB<sCs_A < s_B < s_CsA​<sB​<sC​

答えは ① A<B<C です!


この問題の着眼点まとめ

与えられ方によってeの求め方が3パターンあります:

パターンeの求め方
A:質量が与えられるmol数の比から e/p を求める
B:相対湿度が与えられるe=es×相対湿度e = e_s \times 相対湿度e=es​×相対湿度
C:露点温度が与えられる露点温度での飽和水蒸気圧 = e

この3パターンを押さえておくと、比湿・水蒸気圧の問題はほぼ対応できます!

コメント

  1. 金太郎パパ より:

    > 問2温位・相当温位・断熱変化パターンの解法

     むずいのでパスですね。