過去問一般59回問2 仮温度の意味、混合比の差と温度の差の関係
大気中の水蒸気量の指標のひとつである湿球温度について述べた次の文章の下線部(a)~(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の1~5の中から1つ選べ。
湿球温度計に通風される未飽和の空気(温度 To)の混合比をW1、湿球を通過した空気の混合比をW2とし、W1、W2それぞれを飽和混合比とする温度をT1、T2とすると、(a)T1は仮温度、T2は湿球温度で、(b)T1くT2である。混合比の差△w=W2-W1に相当する水の蒸発によって温度が変化していることから、蒸発の潜熱をL、定圧比熱をCpとすれば、(c)L△w=Cp(To-T2)という関係が成り立つ。
- (a)『誤』湿球温度計に通風される未飽和の空気とは、飽和に達していないが水蒸気を含んでいる空気。一方、湿球を通過した空気とは、湿ったガーゼを通過した空気ですから前者よりも多くの水蒸気を含み飽和状態または飽和に近い状態にある空気と考えられる。
- よって、混合比W2は飽和状態または飽和に近い状態にある空気で混合比W1よりも大きい。T2が湿球温度なのは正しいが、T1が「仮温度」はおかしい話です。そもそも仮温度は、「仮想の空気の温度のことで、湿潤空気と同じ密度(重さ)を乾燥空気であらわした場合の温度のこと」
- (b)『正』T2は湿球温度は正しい。
- (c)『正』L△w=Cp(To-T2)
- L△w=Cp(To-T2)を言葉の式になおすと
- 蒸発の潜熱×混合比の微小変化量=定圧比熱(圧力を一定にした時の比熱)×(未飽和の空気の温度-飽和に近い状態にある空気の温度)
- 比熱とは、1gの物質を1℃または1K上昇させるために必要な熱量
- (c)についての説明:未飽和の空気(温度T0)の混合比をw1、湿球を通過した空気(湿球温度T2)の混合比をw2とあり、両者の混合比の差⊿w=w2-w1に相当する水が蒸発することによる潜熱、すなわち気化熱が奪われることによって空気が温度がT0からT2にまで冷やされたことをこの式は表わしています。

そもそも仮温度とは:仮温度は、大気中の湿潤空気を乾燥空気で置き換えた場合の仮想的な温度を表します。湿潤空気は水蒸気を含むため軽く、その性質を気体の状態方程式で扱うために必要なものです。簡単に言えば、湿潤空気の密度を乾燥空気と同じにするための温度調整ですね。これにより、水蒸気量の影響を定量的に把握できます。
過去問一般59回問3 気温と混合比と気圧の関係 高度0mで気層の気温の平均値と混合比が分かっているときの高度1000mの気圧
地点A、B、Cにおける地上(高度0m)から高度1000mまでの気層の気温の平均値がそれぞれTA、TB、TC、混合比がそれぞれqA、qB、qCであり、また、TA<TB=TCかつqA=qB<qCとなっている。各地点の地上気圧が等しいとき、地点A、B、Cにおける高度1000mの気圧 PA、PB、PCの大小関係として正しいものを下記の1~5の中から1つ選べ。ただし、いずれの地点でも大気は静力学平衡の状態にあり、重力加速度は一定とする。

※3つの地点A、B、Cがあり、それぞれの気層の気温と混合比が与えられ、気温の高低関係と混合比の大小関係が与えられています。その上で、3つの地点A、B、Cの気圧の大小関係を問う問題です。
(a)混合比がqA、qB、qCであり、平均気温が高いとは、飽和できる水蒸気量が多いということ。
Bを基準としてAとCそれぞれを比較して考える。
TB=TCでqB<qCということは、BとCは気温が同じなのに混合比がCのほうが大きいということ、これはBよりCのほうが水蒸気量が多いことを表し、CはBより軽いということ。
qA=qBなのにTA<TBということは、AとBは混合比が同じなのにBの方が気温が高いということで、AよりBの方が軽いことを表している。
よって、地上(高度0m)から高度1000mまでの気層の重さで比べるとC<B<Aとなる。
ところが、各地点の地上気圧が等しいということなので、高度1000m以上の気層の重さ、つまり気圧は、A<B<Cということになる。よって、①が正解
※気圧とは、その地点での上に載っている空気の重さ
過去問一般58回問3 2つの空気塊を混合した空気塊の水蒸気の混合比
気圧と温度の等しい2つの未飽和空気塊A、Bがあり、空気塊Aの水蒸気の混合比はqである。空気塊Bに含まれる乾燥空気の質量は空気塊Aに含まれる乾燥空気の質量の2倍で、空気塊Bの水蒸気の混合比は2qである。これら2つの空気塊を混合した空気塊の水蒸気の混合比として正しいものを、下記の1~5の中から1つ選べ。ただし、2つの空気塊を混合した後も気圧と温度は変わらず空気塊は未飽和であったとする。

空気塊Aの乾燥空気の質量をaとすると、
空気塊Bに含まれる乾燥空気の質量は空気塊Aに含まれる乾燥空気の質量の2倍なので、2a
混合した空気塊の水蒸気の混合比を求めるには、混合比と乾燥空気質量から水蒸気質量を求める必要がある。
空気塊Aで「混合比q=水蒸気質量/乾燥空気質量a」から、水蒸気質量qa
空気塊Bは乾燥空気質量2a・混合比は2qなので、水蒸気質量は4qaとなる。
空気塊A空気塊Bを混合すると、
水蒸気質量 qa+4q=5qa
乾燥空気質量は a+2a=3a
「混合比=水蒸気質量/乾燥空気質量」から,
混合比=5qa/3a
約分して、5q/3となる。③
すっきりしました!
過去問一般51回問3 空気の混合比
空気の混合比について述べた次の文章の空欄(a)および(b)に入る適切な語句および数値の組み合わせを,下記の1~5の中から一つ選べ。ただし,乾燥空気の平均分子量は29,水蒸気の分子量は18とし,30℃における飽和水蒸気圧は42hPaとする。
理想気体の状態方程式によれば,圧力と温度が一定の場合,気体の密度は気体の分子量に(a)。水蒸気で飽和した空気の気圧が1000hPa,気温が30℃であるとき,乾燥空気の密度に対する水蒸気密度の比である空気の混合比は,約(b)g/kgである。
(a)比例する
(b)27

過去問一般56回3
気圧 850hPa,温度5℃の空気塊の飽和水蒸気圧をA,飽和混合比をBとする。このとき,次の文(a)~(c)の正誤の組み合わせとして正しいもの
- (a)気圧800hPa,温度5℃の空気塊の飽和水蒸気圧はAよりも大きい。
- (b)気圧850hPa,温度10℃の空気塊の飽和混合比はBよりも大きい。
- (c)気圧900hPa,温度5℃の空気塊の飽和混合比はBよりも大きい。
- (a)『誤』飽和水蒸気圧は気温で変化するが、気圧では変わらない。
- (b)『正』エマグラムで、等飽和混合比線を見ると、温度が高いほど混合比は大きくなっている。
- (c)『誤』エマグラムで、等飽和混合比線を見ると、同じ温度の場合、気圧が高くなると飽和混合比は小さくなる。
気圧が同じで気温が高い場合、空気の密度は小さく(隙間があるということ)、含有可能な水蒸気の量は増えます。
一方、気温が同じで気圧が大きければ、空気の密度が高いイメージなので(隙間が少ないってこと)、含有可能な水蒸気の量が減ります。正解は、④
過去問一般62回3
図に示すような断熱性のよいシリンダーとピストンでできた容器の中に未飽和の湿潤空気を封入して、ピストンをゆっくりとAからCまで引き出した。その際、ピストンがBとCの間にあるときに、シリンダー内で水蒸気の凝結が生じた。ピストンがA、B、Cの位置にあるときのシリンダー内の空気の水蒸気の混合比q、温位θ、相当温位θeについて、以下の関係式(a)~(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の1~5の中から1つ選べ。ただし、q、θ、θeの添え字A、B、CはそれぞれピストンがA、B、Cの位置にあるときの物理量であることを示す。また、凝結した水の体積及びこの水への熱の移動は無視できるものとする。

- (a)『誤』水蒸気の混合比qは、BーC間で凝結がおこるので減る。qcは減る。
- (b)『正』BーC間で凝結がおこり潜熱が放出されるので、温位は大きくなる。
- (c)『正』相当温位の概念は、潜熱も含めた温位なので変化しない。


コメント
> すっきりしました!
納得できた時には、勉強して来てよかったと思えますね。
こちらは、スッキリさせられることが少ないので、モヤモヤのまま生活していることが多いです。