①地表面状態の変化により地球のアルベドが大きくなると、全球平均気温が上昇する。🟢
気温が低下して地表が雪や氷で覆われるなど、地表面状態の変化により地球のアルベドが大きくなると、地表面が吸収するエネルギーが減少するため、全球平均気温が「上昇」ではなく「下降」します。したがって、答えは 誤 です。
②永久凍土が融解すると、永久凍土に閉じ込められている温室効果ガスのひとつであるメタンが大気中に放出され、温暖化が加速される。🟢
メタンによる温室効果は、同じ量の二酸化炭素と比較して 約 25 倍 の強さがあります。
したがって、永久凍土が融解すると、永久凍土に閉じ込められている温室効果ガスのひとつであるメタンが大気中に放出され、温暖化が加速されますので、答えは 正 です。
③大規模な火山噴火により対流圏に大量に放出された水山灰は2、3年程度対流圏に留まり、その間日射を散乱させて全球平均気温を低下させる。🟢
大規模な火山噴火が発生すると、大量の火山灰や二酸化硫黄(SO2)を含む火山ガスが放出されます。
対流圏 に滞留した火山灰は降水によって 約1週間 で除去され、成層圏 に達した火山灰も重力によって 約1〜2か月以内 に落下します。
一方、成層圏に吹き上げられた二酸化硫黄は化学反応で 硫酸塩エアロゾル という微細な粒子に変化します。この硫酸塩エアロゾルは 成層圏に約2〜3年間、時にはそれ以上滞留し、太陽光を散乱して地表に到達する日射量を減少させ、 全球平均気温の低下 を引き起こします。
したがって、大規模な火山噴火により2〜3年程度、日射を散乱させて全球平均気温を低下させる原因は、「 成層圏で二酸化硫黄が元になってできる硫酸塩エアロゾル 」ですので、答えは 誤 です。
④成層圏でオゾンを破壊するフロンガスは、単位質量あたりの温室効果が二酸化炭素に比べて極めて高い。🟢
フロンガスの大気中濃度は、二酸化炭素に比べて 約100万分の1 と非常に少ないですが、単位質量あたりの温室効果は二酸化炭素と比較して 数百倍から1万倍以上 にもなります。
したがって、成層圏でオゾンを破壊するフロンガスは、単位質量あたりの温室効果が二酸化炭素に比べて極めて高いため、答えは 正 です。
⑤化石燃料の消費などで人為的に排出された二酸化炭素の約90%が大気中に蓄積されている。🟢
人為的に排出された二酸化炭素 (=人為起源の二酸化炭素)とは、化石燃料の燃焼 や セメント製造 により排出される二酸化炭素と、農地拡大等による 土地利用変化(森林破壊)により排出される二酸化炭素をあわせたものをいいます。下図(2010年代の人為起源炭素収支の模式図)によると、2010年代の人為起源の二酸化炭素は、炭素の質量に換算して年間 約 109 億トン ですが、そのうち、大気中に残るのは 約 51 億トン であり、割合としては 約 47 % です。また、残りの二酸化炭素は陸上や海上に吸収されています。したがって、人為的に排出された二酸化炭素が大気中に蓄積されている割合は「約 90 %」ではなく、「 約 47 % 」ですので、答えは 誤 です。

⑥大気中の二酸化炭素濃度の年増加率は、場所によって大きく異なり、人間活動がほとんどない南極域では増加は認められない。🟢
下図(2021年から2022年にかけての二酸化炭素濃度の年増加量の平面分布図)によると、二酸化炭素濃度の年増加量は 南極でもプラス になっていることが分かります。これは、北半球中・高緯度で放出された多量の二酸化炭素が大気の運動や拡散によって全球的に広がっているためです。したがって、大気中の二酸化炭素濃度の年増加率は、南極域でも 増加 していますので、答えは 誤 です。

⑦大気の成分で主要な温室効果を持つのは二酸化炭素であり、その他の温室効果気体であるメタン、一酸化二窒素、水蒸気などは相対的に小さな効果しか持たない。🔴
下図によると、地表から放出される赤外線(= グラフの青線 )が、大気上端では H2O や CO2 などによって吸収され、エネルギー流出量が減少している(= グラフの赤線 )ことがわかります。
また、H2O は広い波長域で赤外線を吸収しているため、上図右の円グラフのように、温室効果への寄与率はもっとも高く、約 48 % となります。
次いで、温室効果の寄与率が高いのは CO2 で、15μm付近の赤外線をよく吸収しており、温室効果への寄与率は 約 21 % となります。
また、その他5%の温室効果ガスには、メタンや一酸化二窒素、フロンなどのハロカーボン類があげられます。
したがって、大気の成分で主要な温室効果を持つのは二酸化炭素(CO2)ではなく 水蒸気(H2O)ですので、答えは 誤 です。

⑧大気中の二酸化炭素は一部が海洋に吸収されるが、海洋の酸性化が進み海水のpHが小さくなると海洋の二酸化炭素吸収量は減少する。
本問は、海洋酸性化に関する問題です。
海洋酸性化とは、大気中の二酸化炭素が海水に吸収されることで、海水中の二酸化炭素濃度が増加し、海水のpHが低下する現象のことです。
海水はもともと 弱アルカリ性(pH約8.1)ですが、二酸化炭素が溶けることで 酸性 に近づきます(ただし完全に酸性化するわけではありません)。
海水のpHが低下すると、海洋での二酸化炭素の吸収能力が 低下 し、大気中の二酸化炭素濃度がさらに 増加 する悪循環が生じるため、地球温暖化の進行にも影響を与えます。
したがって、大気中の二酸化炭素は一部が海洋に吸収され、海洋の酸性化が進み海水のpHが小さくなると海洋の二酸化炭素吸収量は減少しますので、答えは 正 です。

⑨世界の年平均地上気温は、1891年以降の統計で、長期的には100年あたり2℃以上の割合で上昇している。
下図は、世界の年平均気温偏差(1891〜2023年)です。
気象庁ホームページには、以下のように書かれています。
『 2023年の世界の平均気温(陸域における地表付近の気温と海面水温の平均)の基準値(1991〜2020年の30年平均値)からの偏差は+0.54℃で、1891年の統計開始以降、2016年を上回り最も高い値となりました。
世界の年平均気温は、様々な変動を繰り返しながら上昇しており、長期的には 100年あたり0.76℃ の割合で上昇しています。
特に1990年代半ば以降、高温となる年が多くなっています。 』
したがって、世界の年平均気温は100年あたり「2℃以上」ではなく「0.76℃」の割合で上昇していますので、答えは 誤 です。

⑩温室効果は、大気中の温室効果ガスが、地表面から射出される赤外放射を吸収し、これらの気体から再び射出される赤外放射を地表面が吸収して地表面及び地表面付近の大気が暖まることにより生じている。
地球の大気には二酸化炭素などの 温室効果ガス と呼ばれる気体が含まれていますが、これらの気体は赤外線を 吸収 し、再び 放出 する性質があります。
太陽光で暖められた地球の表面から、地球放射として放出された赤外線の多くが、温室効果気体を含んでいる大気に 吸収 され、再び 放出 された赤外線が地球の表面に 吸収されます。
これらの過程により、地表面及び地表面付近の大気が暖められることを 温室効果 といいます。
人間活動による二酸化炭素などの温室効果気体の増加に伴い、地表面 および 地表面付近 の大気がより暖められることにより、地球温暖化が進んでいると考えられています。
したがって、温室効果は、大気中の温室効果気体が、地表面から射出される赤外放射を吸収 し、これらの気体から再び 射出 される赤外放射を地表面が 吸収して地表面及び地表面付近の大気が暖まることにより生じていますので、答えは 正 です。

⑪大気中の二酸化炭素の世界平均の濃度は、2010年代後半には工業化以前のおよそ1.5倍に達しており、800ppmを超えている。
下図は、大気中二酸化炭素の世界平均濃度の経年変化です。

気象庁ホームページには、以下のように書かれています。
『 温室効果ガス世界資料センター(WDCGG)の解析による 2022年 の大気中二酸化炭素の世界平均濃度は、前年と比べて2.2ppm増えて 417.9ppm となっています。
工業化以前(1750年)の平均的な値とされる約278ppmと比べて、50%増加 しています。 』
つまり、大気中の二酸化炭素の世界平均濃度は、産業革命による工業化以前の 1750年 は 約278ppm であったのが、2022年 には 417.9ppm となっており、およそ 1.5倍 となっていることが分かります。
したがって、大気中の二酸化炭素の世界平均の濃度は、2010年代後半には工業化以前のおよそ 1.5倍 に達していますが、「800ppm」は超えておらず、2022年では「 417.9ppm 」となっていますので、答えは 誤 です。
⑫温室効果を持つ大気の主な成分は、二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスや水蒸気で、温室効果の大気全体への寄与が最も大きいのは二酸化炭素である。
温室効果の大気全体への寄与が最も大きいのは「二酸化炭素」ではなく「 水蒸気 」ですので、答えは 誤 です。
⑬可視光線域に強い吸収帯を持つ二酸化炭素が増加することで、太陽からの短波放射の吸収量が増大することが、地球温暖化の要因となっている。
二酸化炭素の主な吸収帯は「可視光線域」ではなく「 赤外線域 」なので、大気中の二酸化炭素が増加して、「太陽からの短波放射」ではなく「 地球からの長波放射 」の吸収量が増大することが、地球温暖化の要因となっています。
したがって、答えは 誤 です。
⑭メタンは温室効果ガスであり、同一分子数で比較した場合の温室効果は、二酸化炭素よりも大きい。
大気への放出量と寿命 を考慮すると温室効果への寄与率は 二酸化炭素 のほうが大きいですが、同一分子数 で比較した場合の温室効果は メタン のほうが大きくなります。
したがって、答えは 正 です。
⑮大気中の二酸化炭素の濃度は季節変化しており、日本付近では夏に最大となる。
二酸化炭素は植物の 光合成 で消費されるため、光合成が活発になる 夏 にもっとも 減少 し、秋から春 にかけて 増加 します。したがって、大気中の二酸化炭素の濃度は、日本付近では夏に「最大」ではなく「 最小 」となりますので、答えは 誤 です。
⑯大気中に放出された二酸化炭素の一部は、海洋によっても吸収されている。
大気と海洋の間では常に二酸化炭素のやり取りが行われており、海洋全体で平均すると、海洋 は大気から二酸化炭素を 吸収 していますので、答えは 正 です。
⑰地球温暖化に伴う世界平均の海面水位の上昇は、海水温の上昇と北極海の海氷の融解による海水の体積の増加が主な原因であると考えられている。
海氷はそもそも海水が凍ったものなので、海氷の融解 は海面水位の上昇に 直接つながるものではありません 。海面水位の上昇の要因と考えられているのは、海水温の上昇による 海水の体積の増加 や、山岳氷河や南極・グリーンランドの氷床など 陸域の氷の融解 ですので、答えは 誤です。
⑱温暖化によって雪や氷が地球表面を覆う面積が減少すると、地表面が受け取る太陽放射エネルギーは減少する。
太陽放射の反射率( アルベド )は、雪や氷よりも裸地や草地などのほうが 小さい ので、地表面が受ける太陽放射エネルギーは 増加 します。
その結果、雪や氷で覆われる面積はさらに減少します。
したがって、温暖化によって雪や氷が地球表面を覆う面積が減少すると、地表面が受け取る太陽放射エネルギーは「減少」ではなく「 増加 」しますので、答えは 誤 です。
⑲エルニーニョ現象の発生時には、太平洋の日付変更線付近から南米沿岸にかけての赤道域で海面水温が平年より高くなる。
エルニーニョ現象の発生時には、西部太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけての海面水温が平年より 高く なり、その状態が1年程度続きます。
なお、エルニーニョ現象発生時は、東寄りの貿易風が 弱く 、西部に溜まっていた暖かい海水が東へ広がるので、対流活動が活発 な領域が通常よりも 東 へ移動します。したがって、答えは 正 です。
⑳ラニーニャ現象の発生時には、太平洋赤道域東部の貿易風(南東風)が強くなる影響で、海面水温の高い海域がダーウィン(オーストラリア北部)あたりまで移動し、その地域の対流活動が活発になる。
ラニーニャ現象 とは、赤道付近の東太平洋(ペルー沖)の海面水温が平年より低くなる現象です。
下図のように、何らかの要因 ※ で貿易風(東風)が強まると、暖かい海水を西へ吹き寄せる力が強まるため、平年よりも暖かい海水が西へ移動します。
これに伴い、対流活動が活発な領域も、平年より西へずれることで、ダーウィン(オーストラリア北部)付近で豪雨をもたらしますので、答えは 正 です。
㉑エルニーニョ現象が発生した年は、日本では梅雨明けの遅れや冷夏などの異常気象がもたらされることがある。
エルニーニョ現象が発生すると、フィリピン沖の海面水温が 低く なり、対流活動が弱まるため、太平洋高気圧の勢力も 弱く なります。
その結果、日本では 梅雨明けの遅れ や 冷夏 などの異常気象がもたらされることがありますので、答えは 正 です。
㉒南方振動指数は、タヒチとダーウィンの地上気圧の差を指数化したもので、貿易風の強さの目安の一つである。
熱帯の東部太平洋と西部太平洋との間の地上気圧が、数年ごとにシーソーのように変動する現象を 南方振動 といい、熱帯の東部太平洋の代表地点としての タヒチ と、西部太平洋の代表地点としての ダーウィン の気圧差を指数化したものを 南方振動指数 といいます。したがって、答えは 正 です。
㉓通常は太平洋赤道域の大気にはウォーカー循環と呼ばれる東西方向の循環があるが、エルニーニョ現象の発生時はこの循環が弱まる。
南方振動現象をもたらす ウォーカー循環 は、エルニーニョ現象 が発生すると 弱まり 、ラニーニャ現象 が発生すると 強まり ますので、答えは 正 です。


コメント
> 大規模な火山噴火により2〜3年程度、日射を散乱させて全球平均気温を低下させる原因は、「 成層圏で二酸化硫黄が元になってできる硫酸塩エアロゾル 」です
結果だけを見ていたら「正」なんですけど、原因が違うってズルくないですかね。
問題文を読み進めるだけでも知識が増えてきますね。
自分の場合には定着なんてのは無理ですけどね