I15地衡風と傾度風と温度風17問

8001

①地衡風は等圧線に平行に、北半球では気圧が低い方を右側にして吹く。🟢

地衡風 とは、気圧傾度力とコリオリ力が釣り合って吹く風のことであり、中緯度の上層では水平風に対してこの地衡風の関係が十分に成り立っています。地衡風は等圧線に平行に、北半球では気圧が「低い」ではなく「高い」方を右側にして吹きますので、答えは 誤 です。

②中・高緯度の自由大気における水平方向の大規模な大気の流れでは、水平気圧傾度力とコリオリ力が釣り合う地衡風の関係が近似的に成り立つ。🟢

地衡風 とは、気圧傾度力とコリオリ力が釣り合って吹く風のことです。中・高緯度の自由大気における水平方向の大規模な大気の流れでは、水平気圧傾度力とコリオリ力が釣り合う地衡風の関係が近似的に成り立ちますので、答えは 正 です。

③地衡風の関係が近似的に成り立っている場合、水平気圧傾度力が同じならば、地衡風速は緯度が高いほど大きくなる。

下式より、地衡風 V は、sinφ が大きい ほど(= 高緯度 ほど)小さく なることが分かります。したがって、地衡風の関係が近似的に成り立っている場合、水平気圧傾度力が同じならば、地衡風速は緯度が高いほど「大きく」ではなく「 小さく 」なりますので、答えは 誤 です。

④地衡風の関係が近似的に成り立っている場合、気圧傾度が大きいほど地衡風は大きくなる。

上式(③解説)より、地衡風 V は、気圧傾度 Δp/Δn に比例するため、気圧傾度 Δp/Δn が 大きい ほど、地衡風 V は 大きく なることが分かります。
したがって、地衡風の関係が近似的に成り立っている場合、気圧傾度が大きいほど地衡風は大きくなりますので、答えは 正 です。

⑤旋衡風は、気圧傾度力とコリオリ力と遠心力の3つの力が釣り合った状態で吹く風である。

旋衡風 とは、気圧傾度力 と 遠心力 が釣り合って吹く風のことです。旋衡風は、「気圧傾度力とコリオリ力と遠心力の3つの力」ではなく「 気圧傾度力と遠心力 」が釣り合った状態で吹く風ですので、答えは 誤 です。

⑥地表付近の地衡風は、摩擦力と気圧傾度力の合力がコリオリ力と釣り合って吹いている。

地表付近の地衡風は、摩擦力と「気圧傾度力」ではなく「 コリオリ力 」の合力が「 気圧傾度力 」と釣り合って吹いていますので、答えは 誤 です。

⑦地表付近で吹く地衡風は摩擦の影響を受けるので、風は低圧側に傾き、等圧線を横切って吹く。

地表面の摩擦の影響を受ける大気境界層では、地衡風は等圧線に平行ではなく、摩擦力 によって、等圧線を気圧の 高い側 から 低い側 へ横切って吹きます。
したがって、答えは 正 です。

⑧地表付近で吹く風は、気圧傾度が同じならば地表面の摩擦力が大きいほど等圧線を横切る角度は大きくなる。

摩擦の影響がない場合、地衡風は等圧線と平行に吹きますが、摩擦の影響がある場合、風の向きは 低圧側 に傾き、摩擦力が 大きい ほど等圧線を横切る角度は 大きく なります。したがって、答えは 正 です。

⑨北半球の傾度風は、低気圧では風上側を背にして左側に低圧側があり、高気圧では左側に高圧側がある。

北半球の傾度風は、「低気圧では風上側を背にして左側に低圧側があり、高気圧では左側に高圧側」ではなく「 低気圧も高気圧も風上側を背にして右側が高圧側 」となりますので、答えは 誤 です。

⑩図は、北半球の高気圧を表しており、等圧線が同心円状に並んでいる。高気圧の中心から東に R km離れた地点 A 、および 2R km離れた地点 B の傾度風について、両地点で風速が同じであるとき、気圧傾度力の大きさは、地点Aのほうが地点Bより大きい。


地点 A と B において、風速と緯度が同じであるとき、気圧傾度力の大きさは、地点 A のほうが地点 B より「大きい」ではなく「 小さい 」となりますので、答えは 誤 です。

⑪総観規模の低気圧において、傾度風の風速は、同じ気圧傾度をもつ地衡風に比べて大きい。

総観規模の低気圧において、傾度風の風速は、同じ気圧傾度をもつ地衡風に比べて「大きい」ではなく「 小さい 」ので、答えは 誤 です。

⑫温度風は、下層の地衡風ベクトルの終点を始点とし、上層の地衡風ベクトルの終点を終点とするベクトルである。

温度風 とは、下層風のベクトルの終点から、上層風のベクトルの終点に向かって引いたベクトル、つまり、鉛直方向の風向・風速の違い(=鉛直シア)のことです。
温度風とは、鉛直方向に見た2点間の風ベクトルの差のことですので、実際に吹いている風ではありません。したがって、答えは 正 です。

⑬温度風は、異なる高度間の平均気温の等温線に平行に吹く。  

温度風は、異なる高度間の平均気温の等温線に平行に吹きます。          
つまり、下層と上層の地衡風ベクトルの差(風の鉛直シア)が、異なる高度間の平均気温(=層厚温度)の等温線と平行になるということです。したがって、答えは 正 です。

⑭北半球において、温度風は等温線の高温側を左手に見て吹く。

北半球では、温度風は等温線の 高温側を右手 に見て吹きます。答えは 誤 です。 

⑮異なる高度間の平均気温の水平温度傾度が大きいほど、温度風は強い。

温度風の強さ(=温度風ベクトルの長さ)は、異なる高度間の平均気温の水平温度傾度に比例します。したがって、異なる高度間の平均気温の水平温度傾度が 大きい ほど、温度風は 強い ので、答えは 正 です。

⑯北半球において、地衡風の風向が、下層から上層に向かって鉛直方向に時計回りの変化をしている場合、風は平均して寒気側から暖気側に吹いている。

北半球において、風向が上層に向かって 時計回り に変化する場合、暖気移流 となります。(逆に、南半球では、風向が上層に向かって時計回りに変化する場合、寒気移流となります。)例えば、下図のように、下層から上層にかけて風向が時計回りに変化しているとします。北半球において、地衡風の風向が、下層から上層に向かって鉛直方向に 時計回り の変化をしている場合、風は平均して「寒気側から暖気側」ではなく「 暖気側 から 寒気側 」に吹いていますので、答えは 誤 です。

⑰下図は静力学平衡と地衡風平衡が成り立つ北半球中緯度の大気における 850hPa 等圧面の等高度線であり、南の方が高度が高い。一方、500hPa等圧面では、全域で同じ風速の南風が吹いている。このとき、850hPa 面と 500hPa 面の間の気層では、平均すると暖気移流となっている。ただし、850hPa 等圧面から 500hPa 等圧面にかけての風向の変化は180°以内とする。

地衡風は、高圧部を右に見て等高度線に平行に吹くので、850hPa 等圧面の地衡風は、高度の高い南を右に見て吹く 西風 となっています。
また問題文より、500hPa 等圧面では、一様に 南風 が吹いていますので、下層から上層に向かって、風向が 反時計回り に変化していることが分かります。
温度風を考えると、北半球において風向が上層に向かって 反時計回り に変化する場合、寒気側 から 暖気側 に向かって風が吹きますので、寒気移流 となります。
したがって、本問のように 850hPa で西風、500hPa で南風が吹いており、上層に向かって風向が 反時計回り に変化している場合、「暖気移流」ではなく「寒気移流 」となりますので、答えは 誤 です。

コメント

  1. 金太郎パパ より:

    > 一般 大気の力学:地衡風と傾度風と温度風17問題

     パス