S11短期予報・中期予報:前線と天気12問1周目

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①性質が異なる気団の境界の寒気側の縁を前線面といい、前線面が地表面と接している部分を前線という。

前線面とは、性質の異なる気団の境界の暖気側の縁のことで、異なる気団が接する境目の層を 遷移層(転移層)、遷移層の暖気側の縁が地表と交わる部分を 前線 といいます。
したがって、性質が異なる気団の境界の「寒気側」ではなく「 暖気側 」の縁を前線面といい、前線面が地表面と接している部分を前線といいますので、答えは 誤 です。

②温暖前線が近づくと気温と湿度は高くなり、気圧は急速に高くなる。

温暖前線が近づくと、暖かく湿った空気が流れ込むため気温と湿度は 高く なります。しかし、気圧は低気圧の影響で「急速に高くなる」ではなく「 低くなります 」ので、答えは 誤 です。

③寒冷前線が近づくと気圧が下がりはじめるが、通過すると急上昇する。

寒冷前線が 近づく と、低気圧の影響で気圧は 下がり はじめます。
そして、寒冷前線が 通過 すると、寒気が入り込み、気圧は急激に 上昇 します。
これは、寒冷前線が暖かい空気を押し上げながら進むためで、前線の通過後は寒気が優勢となり、気圧が一気に 高く なるのが特徴です。したがって、答えは 誤 です。

④日本海低気圧が東に進み、この低気圧から南西にのびる寒冷前線が通過するときには、突風やしゅう雨、雷、竜巻などを伴うことがある。

寒冷前線 は、冷たい空気が暖かい空気を押し上げながら進むため、前線付近では暖かく湿った空気が急激に上昇します。
この上昇気流によって 積乱雲 が発達しやすくなり、突風 や しゅう雨、雷、竜巻 などの激しい現象が発生しやすくなります。
したがって、日本海低気圧が東に進み、この低気圧から南西にのびる寒冷前線が通過するときには、突風やしゅう雨、雷、竜巻などを伴うことがありますので、答えは 正 です。

⑤温暖前線面の傾きは寒冷前線面より緩やかで気塊がゆっくり上昇するので、温暖前線上とその直近では積乱雲は発生しない。

気がゆっくりと上昇するため、一般的には層状の 乱層雲 が発生しやすく、積乱雲はあまりできません。
しかし、非常に暖かく湿った空気 が温暖前線に流れ込む場合、大気の状態が 不安定 になり、寒冷前線のように 積乱雲が発生 することもあります。
したがって、温暖前線面の傾きは寒冷前線面より緩やかですが、温暖前線上とその直近では積乱雲は「発生しない」ではなく「 発生することもあります 」ので、答えは 誤 です。

⑥寒冷前線がある地点を通過する場合、一般にその地点では、風向は時計回りに変化し、気温や露点温度は下降する。

寒冷前線がある地点を通過すると、その前面の暖域では 南〜南西風 により暖気が流入しますが、通過後は 西南西〜北西風 の寒気が流入します。
このため風向は 南~南西 から 西南西~北西 へと 時計回り に変化します。
また、冷たい空気が入ることで気温が 下がり、それに伴って露点温度も 低下します。
したがって、寒冷前線がある地点を通過する場合、一般にその地点では、風向は時計回りに変化し、気温や露点温度は下降しますので、答えは正 です。

⑦一般的に、西日本以西の梅雨前線は南北の温度傾度が大きく、水蒸気量の傾度が小さい。

西日本から中国大陸南部にかけてできる梅雨前線は、温暖で湿潤な南西の季節風や太平洋高気圧の縁辺から流入する 海洋性気団 と、温暖で乾燥した 大陸性気団との間に形成されます。このため、南北の温度差は「大きく」ではなく「小さく」、水蒸気量の差は「小さい」ではなく「大きい 」ので、答えは 誤 です。

⑧梅雨前線上には、数百km程度の水平間隔で形成される低気圧が見られるが、この低気圧は上層ほど強い低気圧循環を持ち、しばしば激しい雷雨を引き起こす。

梅雨前線上には 数百km 程度の間隔で小さな低気圧が並んで形成されることがあり、しばしば 大雨 や 激しい雷雨 を引き起こします。
これらの低気圧は メソαスケール の小低気圧で 背が低い のが特徴です。このため、明瞭な低気圧として解析されるのは主に地上から700hPa付近までの 下層 のみであり、上層にいくほど低気圧循環は弱くなります。
したがって、梅雨前線上に数百km程度の水平間隔で形成される低気圧は、「 下層 」ほど強い低気圧循環を持ち、しばしば激しい雷雨を引き起こしますので、答えは 誤 です。

⑨梅雨前線に伴う大雨が降る場合、下層ジェットと呼ばれる強風帯の存在が梅雨前線の南側によく確認される。

梅雨前線に伴う大雨が発生する場合、850~700hPa付近の比較的 低い高度 に幅の狭い強風帯が現れます。これを 下層ジェット といい、風速は 約40ノット 程度です。
下層ジェットは 南西 から湿った空気を大量に前線付近へ運び込むため、前線の 南側 に存在すると水蒸気の供給が増え、雨雲が発達して 大雨 をもたらします。
したがって、梅雨前線に伴う大雨が降る場合、下層ジェットと呼ばれる強風帯の存在が梅雨前線の南側によく確認されますので、答えは 正 です。

⑩梅雨期を過ぎてオホーツク海高気圧が勢力を維持し続ける場合は、北日本の太平洋側では晴天の日が多く猛暑になりやすい。

オホーツク海高気圧 は冷たく湿った空気を持つ高気圧で、梅雨期を過ぎても勢力を維持すると、その縁辺に沿って北東から 冷湿 な空気が北日本の太平洋側に流れ込みます。
このため、気温が 低くなりやすく、曇りや雨の日が多くなって 日照不足 となります。したがって、梅雨期を過ぎてオホーツク海高気圧が勢力を維持し続ける場合は、北日本の太平洋側では「晴天の日」ではなく「曇りや雨の日」が多く、「猛暑」ではなく「冷夏」になりやすいので、答えは 誤 です。

⑪梅雨期には、下層に暖湿な空気が流入し対流不安定の成層状態となっていることが多いため、気層全体が持ち上げられると積乱雲が発達しやすい。

梅雨期には、下層に暖かく湿った空気が流れ込むため、大気の状態が 対流不安定 になりやすくなります。対流不安定 とは、気層全体がまだ飽和していない状態では 安定 していますが、何らかの原因で気層全体が持ち上げられて飽和すると、一気に 不安定 になり強い 上昇気流 が発生する状態のことです。
したがって、梅雨期には、下層に暖湿な空気が流入し対流不安定の成層状態となっていることが多く、気層全体が持ち上げられると積乱雲が発達しやすいので、答えは 正 です。

⑫梅雨期にオホーツク海付近に形成され、「やませ」をもたらすオホーツク海高気圧は、中心付近の寒気層が下層から上層にまで達している。

オホーツク海高気圧 とは、梅雨期にオホーツク海付近の冷たい海面によって地表付近の空気が冷やされることで発生する高気圧です。このため、高気圧の中心付近には主に 下層 に冷たい空気の層(寒気層)が形成されますが、その寒気層が 上層まで広がることはありません。また、オホーツク海高気圧によってもたらされる冷たく湿った北東風を やませ といいます。したがって、答えは 誤 です。

専門 短期予報・中期予報:前線と天気 12 問

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