S24ガイダンス13問

気象予報士試験の 専門科目における「ガイダンス」関連問題 は、数値予報モデルの補正やアンサンブル予報の扱いを中心に出題されています。以下にまとめます。


  1. 📚 ガイダンス関連の出題整理【専門試験】
    1. 1. 気温ガイダンス【逐次学習・誤差補正】
    2. 2. 降水量・発雷確率ガイダンス【アンサンブル予報との関係】
    3. 3. 風ガイダンス【単独モデル vs アンサンブル】
    4. 4. 出題形式の特徴
  2. ✅ まとめ
      1. ①気温ガイダンスは、数値予報モデルの改良等により予測特性が変化した場合でも、逐次学習によって予測式の係数が時間経過とともに変化し、モデルの予測誤差を低減することができる。正
      2. ②数値予報モデルでは海陸の区別が実際と一致していない格子点がある。気温ガイダンスは、海陸の区別の不一致に起因するモデルの予測誤差を低減することができる。正
      3. ③数値予報モデルが寒冷前線の通過のタイミングを正しく予測できない場合でも、気温ガイダンスは気温が低下するタイミングを正しく補正して予測することができる。正
      4. ④数値予報モデルでは、予報時間が長くなるにつれて予測値の系統誤差の傾向が変化することがある。ガイダンスでは予報時間によって変化する系統誤差を低減することは難しい。誤
  3. 🌦 ガイダンスの目的は2つ
  4. 🔎 問題のポイント
  5. ✅ まとめ
      1. ⑤カルマンフィルタを用いたガイダンスでは、実況の観測データを用いて予測式の係数を逐次更新しており、局地的な大雨など発生頻度の低い現象に対しても、数値予報の予測誤差を確実に低減することができる。誤
      2. ⑥ニューラルネットワークを用いたガイダンスは、目的変数と説明変数の関係が線形でない場合にも適用でき、なぜそのような予測になったのか、予測の根拠を把握するのに適している。誤
      3. ⑦ガイダンスには、発雷確率や乱気流、視程など、数値予報では直接予測しないが、天気予報、警報・注意報、飛行場予報などの発表に必要な気象要素を作成する役割がある。
      4. ⑧気象庁では、天気予報ガイダンスとして降水、降雪、気温、風、天気、発雷確率、湿度のガイダンスは作成しているが、視程については作成していない。
      5. ⑨気象庁のガイダンスの作成には、ニューラルネットワーク、カルマンフィルター、ロジスティック回帰、線形重回帰などが用いられている。
      6. ⑩カルマンフィルターの予測式は線形式で、説明変数と目的変数の関係が線形の場合に利用できる。
      7. ⑪天気予報ガイダンスでは、稀な現象に対して、数値予報による現象の程度を上方にバイアス修正することで捕捉率を高めると同時に容易に空振り率を下げることができる。
      8. ⑫発雷確率ガイダンスは、予報対象領域内における発雷の確率の大小、雷の強度、発雷数、継続時間を示すものである。
      9. ⑬雷は発生頻度の低い現象であることから、発雷確率ガイダンスは逐次学習によるガイダンスではなく、過去の資料から一括学習により求めた回帰式に基づくガイダンスである。

📚 ガイダンス関連の出題整理【専門試験】

1. 気温ガイダンス【逐次学習・誤差補正】

  • 数値予報モデルの改良で予測特性が変化しても、逐次学習により係数を更新し誤差を低減できる sunbarasi.com
  • 海陸の区別の不一致による誤差を補正できるかが問われる。
  • 前線通過のタイミングなど、モデルの系統的誤差を補正可能か。

2. 降水量・発雷確率ガイダンス【アンサンブル予報との関係】

  • アンサンブル平均は強雨や最大降水量の捕捉に不向き。
  • アンサンブル最大は顕著現象の捕捉率が高く有用。
  • 発雷確率ガイダンスでは、アンサンブル予報の分布をどう利用するかが問われる。

3. 風ガイダンス【単独モデル vs アンサンブル】

  • アンサンブル平均の風予報は、単独モデルより精度が低下する場合がある。
  • 強風イベントの捕捉にはアンサンブル最大が有効。

4. 出題形式の特徴

  • 正誤判定問題が中心(例:「逐次学習で誤差を低減できる」→正)。
  • 毎回「専門試験の問6」などで頻出。
  • 数値予報モデルの限界とガイダンスの補正能力を理解しているかを確認する内容。

✅ まとめ

  • ガイダンス問題は毎回出題される頻出テーマ
  • 主な領域は「気温ガイダンス」「降水量・発雷確率ガイダンス」「風ガイダンス」。
  • 出題の狙いは 誤差補正・逐次学習・アンサンブル予報の特徴理解

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Sources: sunbarasi.com

①気温ガイダンスは、数値予報モデルの改良等により予測特性が変化した場合でも、逐次学習によって予測式の係数が時間経過とともに変化し、モデルの予測誤差を低減することができる。正

気温ガイダンスはカルマンフィルタを用いて、逐次学習により予測式の係数を求めています。カルマンフィルタ とは、過去の推定値と現在の観測値を組み合わせて、誤差を含むデータから正確な値を逐次的に推定する時系列解析の手法です。
ガイダンスにおいては、説明変数と目的変数を結びつける係数を逐次学習する手法として利用されています。
また、カルマンフィルタの予測式は線形式であり、目的変数と説明変数が線形関係の場合に利用できます。
このため、数値予報モデルの 予測特性が変化 した場合でも、約2〜3週間程度で予測特性の変化に対応して 係数が逐次自動的に更新 されるため、数値予報モデルの 予測誤差を低減 することができます。
したがって、気温ガイダンスは、数値予報モデルの改良等により予測特性が変化した場合でも、逐次学習によって予測式の係数が時間経過とともに変化し、モデルの予測誤差を低減することができますので、答えは 正 です。

②数値予報モデルでは海陸の区別が実際と一致していない格子点がある。気温ガイダンスは、海陸の区別の不一致に起因するモデルの予測誤差を低減することができる。正

数値予報モデルでは、実際の地形や海陸の分布を完全に再現することは難しく、モデルの分解能によって 地形や海陸の区別が簡略化 されています。このため、小さな島や海岸線の細かい凹凸が再現されず、実際には陸地である格子点が、モデル上では海上扱いとなることがあります。
例えば、下図のように、MSMの地形では伊豆諸島の新島は表現されておらず海になっています
このような場合、数値予報モデルがその地点の気温を計算するときは、海水温 の影響を大きく受けてしまい、誤差が大きく なってしまいます。
しかし、このような数値予報の予報誤差は、数値予報に特有な系統的なもの( 系統誤差 )であるため、ガイダンスの統計的な関係式によって 補正することができます。

したがって、数値予報モデルでは海陸の区別が実際と一致していない格子点がありますが、気温ガイダンスでは、海陸の区別の不一致に起因するモデルの予測誤差を低減することができますので、答えは 正 です。

③数値予報モデルが寒冷前線の通過のタイミングを正しく予測できない場合でも、気温ガイダンスは気温が低下するタイミングを正しく補正して予測することができる。正

ガイダンス(気温予想ではカルマンフィルタ)において、数値予報モデルの 系統誤差 は 補正できます が、ランダム誤差(系統誤差ではない誤差)は 補正できません。
例えば、数値予報の結果で 寒冷前線の通過のタイミングを正しく予測できない 場合には、カルマンフィルタでは気温が低下するタイミングを 補正して予測することはできません。
これらを正しく予測するためには、初期値や数値予報モデルの改良が必要です。
したがって、数値予報モデルが寒冷前線の通過のタイミングを正しく予測できない場合、気温ガイダンスは気温が低下するタイミングを正しく補正して予測することが「できる」ではなく「 できません 」ので、答えは 誤 です。

④数値予報モデルでは、予報時間が長くなるにつれて予測値の系統誤差の傾向が変化することがある。ガイダンスでは予報時間によって変化する系統誤差を低減することは難しい。誤


🌦 ガイダンスの目的は2つ

  1. 天気の翻訳
    • 数値予報モデルは「気圧・風・気温・湿度・降水量」などの基本データしか出さない。
    • 予報に必要な「天気・降水確率・降雪量・発雷確率」などに変換する必要がある。
    • 過去の予測値と実際の天気を統計的に結び付け、「翻訳のルール」を作成する。
    • 例:気温0℃+降水あり → 雪、気温5℃+降水あり → 雨、といった関係を統計的に整理。
  2. 誤差の補正
    • 数値予報モデルには「系統的誤差(くせ)」と「ランダム誤差」がある。
    • 系統的誤差は地形表現や物理過程の不完全さから生じる偏り。
    • 過去の予測値と誤差の関係を統計的に結び付け、「補正のルール」を作成する。
    • 例:地形をなめらかに表現 → 降水が弱めに出る、陸地を海扱い → 気温変化が緩やかになる、などを補正。

🔎 問題のポイント

  • 問題文では「予報時間が長くなると系統誤差の傾向が変化するため、ガイダンスでは補正が難しい」とされている。
  • しかし実際には、系統的誤差は予報時間が長くなっても統計的に補正可能
  • よって「ガイダンスでは予報時間による系統誤差も低減できる」ため、答えは

✅ まとめ

  • ガイダンスの目的は 「天気の翻訳」と「誤差の補正」
  • 系統的誤差は予報時間が長くなっても補正可能。
  • したがって「ガイダンスでは予報時間による系統誤差を低減できない」という記述は 誤り

このように整理すると、試験問題の狙いは「ガイダンスの役割を正しく理解しているか」を確認するものだと分かります。

👉 次は、この「翻訳」と「補正」の違いを図解(フローチャート)で示すと、さらに理解が深まります。ご希望なら図解イメージを作成しましょうか。

数値予報モデルの予測値

├──▶ 天気の翻訳
│ ・基本データ(気温、湿度、降水量など)を
│  天気予報に必要な情報へ変換
│ ・例:降水+気温0℃ → 雪
│  降水+気温5℃ → 雨

└──▶ 誤差の補正
・モデルの「くせ」(系統的誤差)を統計的に補正
・例:地形表現の粗さ → 降水弱め
   海扱い → 気温変化が緩やか
・予報時間が長くなっても補正可能

⑤カルマンフィルタを用いたガイダンスでは、実況の観測データを用いて予測式の係数を逐次更新しており、局地的な大雨など発生頻度の低い現象に対しても、数値予報の予測誤差を確実に低減することができる。誤

カルマンフィルタやニューラルネットワークといった機械学習の手法は、簡単に言うと、ガイダンスで用いる「統計的関係式」に 学習機能 を持たせたものです。
従来は、精度の良い統計的関係式を作るために長期間(2〜3年)のデータが必要だったのに対し、カルマンフィルタやニューラルネットワークなどの学習機能により、比較的短い時間で統計的関係式を作ることができるようになりました。
カルマンフィルタ とは、予測式の係数を逐次更新する、いわゆる逐次学習の手法であり、気温や降水確率、平均降水量などのガイダンスに広く使われています。
ガイダンスは、過去のデータをもとに統計的関係を用いて予測しているため、発生頻度の低い局地的な大雨 があると、そのあとは 降水量を過大に予想 する傾向が現れてしまい、適切に予測することが難しく なってしまいます。
したがって、カルマンフィルタを用いたガイダンスでは、局地的な大雨など発生頻度の低い現象に対しては、数値予報の予測誤差を 確実に低減することはできません ので、答えは 誤 です。
カルマンフィルタは観測データを使って予測式を逐次更新する学習手法で、気温や降水確率などのガイダンスに利用されています。 しかし、ガイダンスは過去の統計的関係をもとに予測するため、局地的な大雨のように発生頻度が低い現象では誤差を確実に低減することはできません。 したがって答えは 「誤」 です。

⑥ニューラルネットワークを用いたガイダンスは、目的変数と説明変数の関係が線形でない場合にも適用でき、なぜそのような予測になったのか、予測の根拠を把握するのに適している。誤

ニューラルネットワーク とは、人間の神経細胞(ニューロン)の機能の一部をモデル化した手法です。
入力(説明変数)と出力(目的変数)の関係が非線形の場合にも適用できますが、計算プロセスが ブラックボックス であり、なぜそのような予測になったかを解釈することが困難 です。
したがって、ニューラルネットワークを用いたガイダンスは、目的変数と説明変数の関係が線形でない場合にも適用できますが、計算プロセスがブラックボックスであるため、なぜそのような予測になったのか、予測の根拠を把握することは困難 ですので、答えは 誤 です。

⑦ガイダンスには、発雷確率や乱気流、視程など、数値予報では直接予測しないが、天気予報、警報・注意報、飛行場予報などの発表に必要な気象要素を作成する役割がある。

ガイダンス とは、数値予報モデルの出力をもとに、予報に必要な気象要素を統計的に補正・翻訳して作成される予測資料のことです。
数値予報は気温や風などの物理量を計算しますが、発雷確率や乱気流、視程などは 直接予測できません。
そこで、過去の観測データ と 数値予報の結果 を統計的に比較・補正し、予測値を実際の観測に近づける 処理を行います。
この処理とその結果作成される資料を ガイダンス といい、数値予報の出力を実際の予報に役立つ形に翻訳する重要な役割を果たしています。
したがって、ガイダンスには、発雷確率や乱気流、視程など、数値予報では直接予測しないが、天気予報、警報・注意報、飛行場予報などの発表に必要な気象要素を作成する役割がありますので、答えは 正 です。

⑧気象庁では、天気予報ガイダンスとして降水、降雪、気温、風、天気、発雷確率、湿度のガイダンスは作成しているが、視程については作成していない。

気象庁は、降水、降雪、気温、風、天気、発雷確率、湿度、視程 の8つの天気予報ガイダンスを作成しています。
視程ガイダンス は数値予報モデルの予測結果を基に、大気の透明度や霧などによる見通しの悪化を予測し、交通安全などに役立てられています。
したがって、気象庁では、天気予報ガイダンスとして降水、降雪、気温、風、天気、発雷確率、湿度に加えて、 視程 のガイダンスも作成していますので、答えは 誤 です。

⑨気象庁のガイダンスの作成には、ニューラルネットワーク、カルマンフィルター、ロジスティック回帰、線形重回帰などが用いられている。

気象庁のガイダンス作成には、ニューラルネットワーク、カルマンフィルター、ロジスティック回帰、線形重回帰 といった複数の手法が用いられています。ニューラルネットワークや、カルマンフィルタは 逐次学習型、ロジスティック回帰や線形重回帰などは 一括学習型 が用いられています。
これらの手法は、それぞれの特性や予測対象に応じて使い分けられており、気象庁のガイダンスの精度向上に役立っています。したがって、答えは 正 です

⑩カルマンフィルターの予測式は線形式で、説明変数と目的変数の関係が線形の場合に利用できる。

カルマンフィルター とは、ノイズを含む観測データから時系列的に推定値とその誤差を更新していく手法です。このフィルターの予測式は 線形式 で表され、説明変数(入力)と目的変数(出力)の関係が線形の場合に適用されます。
つまり、説明変数と目的変数の関係が 一次関数 の形で表せるときにカルマンフィルターは有効であり、観測のたびに係数を 逐次的 に学習しながら予測精度を高めていきます。したがって、カルマンフィルターの予測式は線形式で、説明変数と目的変数の関係が線形の場合に利用できますので、答えは 正 です。

⑪天気予報ガイダンスでは、稀な現象に対して、数値予報による現象の程度を上方にバイアス修正することで捕捉率を高めると同時に容易に空振り率を下げることができる。

天気予報において、稀な現象の予報値を数値予報から上方にバイアス修正すると、実際に現象が起きた場合の 捕捉率は高まります。これは、予報がより強く現象を示すため、見逃しが減る ためです。
しかし、その一方で、実際には現象が起きていないのに予報だけが強く出てしまう 空振りが増える ため、空振り率はむしろ高く なってしまいます。

つまり、捕捉率を上げるために予報を過大に補正すると、空振り率も上がるため、両者を同時に改善することは難しい のです。
したがって、天気予報ガイダンスでは、稀な現象に対して、数値予報による現象の程度を上方にバイアス修正することで捕捉率を高めると同時に容易に空振り率を下げることが「できる」ではなく「 できません 」ので、答えは 誤 です。

⑫発雷確率ガイダンスは、予報対象領域内における発雷の確率の大小、雷の強度、発雷数、継続時間を示すものである。

⑬雷は発生頻度の低い現象であることから、発雷確率ガイダンスは逐次学習によるガイダンスではなく、過去の資料から一括学習により求めた回帰式に基づくガイダンスである。

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