I20気象現象:台風19問1周目

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①台風は、温度傾度に伴う有効位置エネルギーが、運動エネルギーに変換されることを主な要因として発生・発達する。🔴

台風 などの 熱帯低気圧 は、主に海面から供給される熱エネルギー、特に水蒸気が上昇し凝結する際に放出される 潜熱 をエネルギー源として発生・発達します。
具体的には「空気塊が熱と水蒸気の供給を受けて上昇 → 複数の対流雲が発生 → 膨大な凝結による潜熱の放出 → 中心付近の気温が上昇 → 気圧が低下 → 下層の湿潤空気の収束が強化 → 上昇流が強化」いった流れを繰り返すことによって、台風は発生・発達します。
このような、低気圧性循環と潜熱の影響の相互作用を 第2種条件付不安定(CISK)といいます。


一方、問題文にある「温度傾度に伴う有効位置エネルギーが運動エネルギーに変換される」というのは、主に 温帯低気圧 の説明に使われる考え方です。
有効位置エネルギー とは、すべての位置エネルギーのうち、運動エネルギーに変換できる位置エネルギーのことです。
つまり、
・台風(熱帯低気圧): 潜熱 → 運動エネルギー で発達
・温帯低気圧 : 有効位置エネルギー → 運動エネルギー で発達
ということです。


したがって、台風は、「温度傾度に伴う有効位置エネルギーが、運動エネルギーに変換されること」ではなく「 水蒸気が上昇し凝結する際に放出される潜熱が、運動エネルギーに変換されること 」を主な要因として発生・発達しますので、答えは 誤 です。

②台風は気温が水平方向に一様な熱帯の大気中で発生・発達するため、台風に伴う雲や降雨の分布は中心に対してほぼ軸対称であり、温帯低気圧のように前線を伴うことはない。

台風 が発生・発達する熱帯の大気は気温がほぼ一様で、南北の水平温度傾度(傾圧性)が 小さい ため、前線を伴うことはなく、台風に伴う雲や降雨の分布は中心に対して ほぼ軸対称 となります。
一方、温帯低気圧 が発生・発達する中緯度の大気は、水平温度傾度(傾圧性)が 大きい ため、前線を伴い、軸対称ではなくなります 。したがって、答えは 正 です。

③台風や熱帯低気圧の発生域は、海面水温が26℃以上の海域とほぼ一致している。これは、台風や熱帯低気圧の発生・発達には海水面からの顕熱の供給が必要なためである。

台風や熱帯低気圧のエネルギー源は、暖かい海水が蒸発して大量の水蒸気が発生し、その水蒸気が上昇して冷やされて凝結する際に発生する潜熱 です。一般に、台風は海水温が26~27℃以上で発生し、28℃以上で発達すると言われています。
下図は、2024年8月上旬の旬平均海面水温です。

上図を見ると、台風が発生する熱帯域では、海面水温が30℃以上の領域が広がっていることが分かります。こうした、暖かい海面からの 潜熱 の供給によって台風や熱帯低気圧は発生・発達するのです。したがって、台風や熱帯低気圧は海水面からの「顕熱」ではなく「 潜熱 」の供給によって発生・発達しますので、答えは 誤 です。

④台風の中心部分の目の領域は気圧が最も低いが、下降気流となっているので降水はない。

地上付近の台風の風は、北半球では反時計回りに中心に向かって吹き込んでいます。
中心付近に集まった空気は、遠心力の影響で外側に力が働くため、それ以上中心に向かうことができず上昇し、上昇気流が発生します。
この上昇気流に伴って台風の目を取り囲むように、背の高い非常に活発な積乱雲の壁ができます。この雲のことを 壁雲(アイウォール)といいます。

さらに、中心付近の少なくなった空気を補うように、台風の目の中は、下降気流 が発生しています。
下降気流の場では 雲が発生しない ため、雲の少ない台風の目ができるのです。
したがって、台風の中心部分の目の領域は気圧が最も低いですが、下降気流となっており降水はありませんので、答えは 正 です。

⑤スパイラル・バンドは、発達期の台風の目を囲む壁雲の外側に雨雲がらせん状の列をなしているもので、これらの雲のほとんどは積乱雲である。

発達期の台風の壁雲(アイウォール)付近からのびる、らせん状に並ぶ発達した積乱雲群を スパイラルバンド といいます。壁雲(アイウォール)や、スパイラルバンド 、その外側の アウターバンド では、激しい降雨や竜巻などが発生します。したがって、答えは 正 です。

⑥台風が上陸後に勢力を弱める主な原因は、水蒸気の供給が減少し、また、陸地の摩擦によりエネルギーが失われるためである。正

風のエネルギー源は、主に海面から蒸発した水蒸気が凝結する際に放出される 潜熱です。
台風が上陸すると、海面のように大量の水蒸気が供給されないため、凝結による潜熱の放出が減り、上昇気流が弱くなります。
また、陸地は海面に比べて摩擦が大きいため、台風の回転運動が乱され、エネルギーが失われやすくなります。
したがって、台風が上陸後に勢力を弱める主な原因は、水蒸気の供給が減少し、また、陸地の摩擦によりエネルギーが失われるためですので、答えは 正 です。

⑦日本に接近する台風の月別平均でみると、9月から11月の台風は、ほぼ日本海を北上する傾向がある。

台風が 日本海を北上するのは、7~8月 の台風です。この時期は、太平洋高気圧の勢力が強いため、その縁に沿って進むことで、日本海を北上します。

また、6月や9月から11月 は、シベリア高気圧が張り出し、太平洋高気圧が南下するため、太平洋側を北東進 したり、華南 の方へ進む傾向があります。
したがって、日本に接近する台風の月別平均でみると、「9月から11月」ではなく「 7月から8月 」の台風は、ほぼ日本海を北上する傾向がありますので、答えは 誤 です。

⑧台風の発達期において、積乱雲が上昇流を維持し続けるためには、水平風の鉛直シアーが強い必要があることから、一般に水平風の鉛直シアーが強いほど台風は発達しやすい。誤

台風が発達する条件の一つに、水平風の鉛直シアーが 弱い ことが挙げられます。  
水平風の鉛直シアー(以下、鉛直シアー)とは、上空と地上の風向・風速差のことです。
例えば、「鉛直シアーが 強い 」とは「風向・風速が高度によって 大きく異なる 」ことを意味します。
台風のエネルギー源は海面から供給される 熱エネルギー ですので、一般に、海面水温が 高い ほど、台風は発達します。
しかし、いくら海面水温が高くても、鉛直シアーが 強い と台風は 発達できません。
例えば、上空にジェット気流があって、鉛直シアーが 強い 場合、上昇した雲が強風によって流されてしまうため、台風の渦の上部と下部とを別々の位置に引き離そうとする効果がはたらきます。
これにより、台風中心の暖気核が崩れやすくなり、たとえ海面水温が高くても台風の発達が 抑制 されてしまいます。
逆に、鉛直シアーが 弱い 場合、上昇した雲や暖気核が安定して維持されやすいため、台風は 発達しやすくなります。

したがって、台風の発達期において、積乱雲が上昇流を維持し続けるためには、水平風の鉛直シアーが弱い必要があることから、一般に水平風の鉛直シアーが「強い」ではなく「 弱い 」ほど台風は発達しやすいので、答えは 誤 です。

⑨台風の周辺の外側降雨帯 (アウターバンド) では、竜巻が発生することがある。正

アウターバンド とは、台風の中心から200~600kmほど外側にある帯状の降雨帯のことです。

アウターバンド は、台風の回転によって暖かく湿った空気が流れ込み、大気の状態が不安定になることで形成されます。この領域では、風の収束や地形の影響により、積乱雲が発達しやすく、激しい降雨が続くことがあります

また、強い上昇気流が伴う積乱雲内では、竜巻が発生することもあります。
竜巻 とは、積乱雲に伴う強い上昇気流により発生する激しい渦巻きで、積乱雲の直下 で発生します。つまり、積乱雲が発達しやすい アウターバンド でも竜巻が発生することがある、ということです。実際に、2023年台風第7号でも、アウターバンドがかかった静岡県で竜巻が発生しています。

したがって、台風の周辺の外側降雨帯 (アウターバンド) では、竜巻が発生することがありますので、答えは 正 です。

⑩一般に、台風になる前の発達する熱帯低気圧の進路予報の精度は、発生直後の台風の進路予報の精度より低く、その予報円は大きい。

台風になる前の熱帯低気圧は、台風に比べて構造がまだ十分に発達していません。このため、数値予報モデルでは、熱帯低気圧を正確に表現することが 難しく 、その進路予報の精度も 低く なります。
特に、発生直後の熱帯低気圧は、その強度や進路の予測が 不確実 であるため、予報円が 大きく なります。
一方、台風として発達した後は、構造が 安定 するため、数値予報モデルによる予測精度が上がり、予報円も 小さく なります。したがって、一般に、台風になる前の発達する熱帯低気圧の進路予報の精度は、発生直後の台風の進路予報の精度より低く、その予報円は大きくなりますので、答えは 正 です。

⑪台風が温帯低気圧に変わる過程では、強風域が広がったり、中心から離れた場所で風が最も強くなることがある。正

台風が温帯低気圧に変わる過程では、風の分布が変化します。台風はもともと 熱帯低気圧 であり、中心付近に強い風が集中しますが、北上して傾圧帯(=中緯度の寒気と暖気が混ざり合う場所)に入ると、台風はその性質を徐々に失い、温帯低気圧 に変わることがあります。
温帯低気圧は台風と異なり、広範囲にわたって強い風が吹く のが特徴です。
これは、温帯低気圧が 寒気と暖気のエネルギー を利用して発達するためで、気圧や風の分布が 非対称 になり、中心から離れた場所でも 強い風 が吹くことがあるためです。
例えば、下図のように、2004年の台風第18号では、台風が温帯低気圧に変わる過程で再発達し、北海道の帯広や釧路といった中心から遠く離れた地域でも強風が観測されました。
したがって、台風が温帯低気圧に変わる過程では、強風域が広がったり、中心から離れた場所で風が最も強くなることがありますので、答えは 正 です。

⑫発達した台風において、風の接線成分と動径成分は、ともに大気境界層の上の自由大気下層で最大となる。

接線成分とは、台風の円の円周に沿って直線に接する方向で、動径成分とは、接線成分に対して直角で、台風の中心から外側に向かって伸びる直線の方向です。また、自由大気とは、地上から上空約1kmまでの大気境界層より上の大気のことです。


では、接線成分と動径成分について、それぞれ考えてみましょう。

接線成分

下図は、台風周辺の風の模式図です。

左図は、地表面摩擦がない 場合(= 自由大気 )の風を表し、
右図は、地表面摩擦がある 場合(= 大気境界層 )の風を表しています。

台風周辺の風は、気圧傾度力、コリオリ力、遠心力がつり合った 傾度風 で近似できますが、地表面に近いほど地表面からの 摩擦 の影響を受け、風が等圧線を 横切って 吹くようになります。

では、台風の風の接線成分はどこで最大になるのか見てみましょう。

下図は、台風周辺の風速の接線成分の鉛直断面図です。横軸は台風の中心からの距離、縦軸は高度、図中の数値は低気圧の回転(反時計回り)を正とした風速 (m/s) です。

この図から、台風の風の接線成分の最大値は、中心から 約100km 離れた地点の 高度2~3kmの自由大気下層 にあることが分かります。

では、なぜこの地点で風が一番強くなるのでしょうか?

台風周辺で吹く傾度風は コリオリ力に比例 して大きくなります。傾度風は「 気圧傾度力=コリオリ力+遠心力 」のバランスで吹く風です。

台風の中心に近いほど、気圧傾度力は強まりますが、遠心力も大きくなるので、コリオリ力は小さくなり、風は弱くなってしまいます(=いわゆる台風の眼です)。また、台風から遠ざかるほど、遠心力は小さくなりますが、気圧傾度力も小さくなりますので、コリオリ力も小さくなり、風は弱くなってしまいます。

したがって、気圧傾度力がある程度 大きく 、遠心力もある程度 小さい 地点で、コリオリ力が最も 大きく なる地点が、台風の中心から 約100km地点(= 眼の壁雲付近 )というわけです。

下図は、過去の台風の地上での風速分布を右半円と左半円に分けて示した図です。この図を見ても、台風の中心付近で風が弱く、中心から約100km離れた地点で風が最も強くなっていることが分かります。

また、地表面に近いほど、地表面摩擦の影響を受け、風が等圧線を横切って中心に向かって吹くため、風の接線成分は弱くなってしまいます。

そのため、地表面摩擦の影響を受けない 自由大気下層で最も風が強くなる のです。

したがって、発達した台風において、風の接線成分は、自由大気下層で最大 となります。

動径成分

次は、動径成分を考えてみましょう。

自由大気では、地表面摩擦がなく、風は等圧線に沿って吹くため、風の動径成分はほとんどありません。一方、大気境界層では、地表面摩擦によって、風が中心付近へ吹き込むため、風の動径成分が生じます。

下図は、台風周辺の風速の動径成分の鉛直断面図です。

横軸は台風の中心からの距離、縦軸は気圧、図中の数値は台風の中心から外側に向かう成分を正とした風速 (m/s) です。

この図から、台風の風の動径成分の最大値は、気圧900hPa(高度約1km)以下の 大気境界層内 にあることが分かります。

(図中の数値は、台風の中心から外側に向かう成分を正とした風速 (m/s) なので、例えば、紫色で示した-8m/sは中心に向かって8m/sの風が吹いているということです。)

これは、地表面に近いほど 地表面摩擦が大きく 、風が等圧線を横切って中心付近へ吹き込むことで、風の 動径成分が大きくなる ためです。

したがって、発達した台風において、風の 接線成分 は、大気境界層の上の 自由大気下層 で最大となりますが、動径成分 は、大気境界層 で最大となりますので、答えは  です。

⑬発達した台風の対流圏界面に近い対流圏上層では、空気が台風の中心から外側に流れ出し、中心から離れたところでは反時計回りに風が吹いている。

下図は、台風発達の数値モデルにおいて計算された192時間にわたる空気粒子の軌跡を示しています。
この図から、対流圏界面に近い対流圏上層の130hPa付近を見てみると、台風の中心付近を上昇する空気が 中心付近から外側へ発散 しており、中心から離れたところでは コリオリ力によって時計回りに向きを変えながら 吹き出していることが分かります。
したがって、発達した台風の対流圏界面に近い対流圏上層では、空気が台風の中心から外側に流れ出していますが、中心から離れたところでは「反時計回り」ではなく、「 時計回り 」に風が吹いていますので、答えは 誤 です。

⑭発達した台風の中心付近では対流圏の下層から上層まで気温が周囲よりも高く、台風中心の低い気圧に対応している。

下図は、台風の典型的な気温分布を示しています。 

この図から、台風の中心付近では 対流圏の下層から上層 まで、気温が周囲よりも 高く なっていることが分かります。この中心付近の気温が高い部分を 暖気核 といいます。
この暖気核は、台風の強い 上昇気流 と 断熱圧縮 によって形成されます。台風の眼の壁雲付近では暴風が吹き、上昇流が最も強くなっています。
この強い上昇流による 暖湿気の凝結によって潜熱が放出 され、中心付近の大気を加熱します。
さらに、その上昇流で対流圏界面付近まで達した空気は発散し、その一部の空気は眼の中で下降流となります。
この 下降流の断熱圧縮 による加熱も加わることによって、暖気核が形成されるのです。
また、空気は暖められると軽くなり、地上気圧は低くなりますので、この暖気核が台風中心の低い気圧に対応していることも分かります。したがって、発達した台風の中心付近では対流圏の下層から上層まで気温が周囲よりも高く、台風中心の低い気圧に対応していますので、答えは 正 です。

 

              

⑮台風の強さは中心気圧によって分類され、中心気圧が900hPa未満の台風は、最も強い階級である「猛烈な台風」に属する。

台風の強さは、中心気圧ではなく 中心付近の最大風速 で分類されています。 図より、台風の最も強い階級は「 猛烈な台風 」で、その中心付近の最大風速は 54m/s (=105ノット) 以上 となります。
したがって、台風の強さは「中心気圧」ではなく、「 中心付近の最大風速 」によって分類され、最も強い階級である「猛烈な台風」に属するのは、中心付近の最大風速が 54m/s (=105ノット) 以上のときですので、答えは 誤 です。

⑯北西太平洋の低緯度で発生した台風は、発生後しばらくの間、低緯度に位置するときには、太平洋高気圧の南側の偏東風に流され、西に進むことが多い。

台風が低緯度地域にあるときは 貿易風(偏東風)や太平洋高気圧の縁を回る時計回りの空気の流れ( 縁辺流 )などの東風によって 西 に進みます。
その後、台風が北上してして中緯度の 偏西風帯 に入ると、西風によって 東 に進みます。なお、この西向きから東向きに進行方向を変える点を 転向点 といいます。したがって、北西太平洋の低緯度で発生した台風は、発生後しばらくの間、低緯度 に位置するときには、太平洋高気圧の南側の 偏東風 に流され、西に進む ことが多いので、答えは 正 です。

⑰台風に伴う大気境界層内の風は傾度風で近似でき、気圧傾度力とコリオリ力及び遠心力が釣り合っている。この釣り合いにより、大気境界層では台風の中心に向かう風が現れる。

大気境界層とは、高度約1km以上の自由大気より下の大気のことです。      
下図は、台風周辺の風の模式図です。
左図は、地表面摩擦がない場合(=自由大気)の風を表し、右図は、地表面摩擦がある場合(=大気境界層)の風を表しています。
台風周辺の風は、気圧傾度力、コリオリ力、遠心力が釣り合った傾度風 で近似できますが、地表面に近いほど地表面からの摩擦の影響を受け、風が等圧線を横切って 吹くようになります。
したがって、台風に伴う大気境界層内の風は傾度風で近似でき、「気圧傾度力とコリオリ力及び遠心力」ではなく「気圧傾度力とコリオリ力と遠心力及び摩擦力」が釣り合っており、この釣り合いにより、大気境界層では台風の中心に向かう風が現れますので、答えは 誤 です。

⑱一般に、台風の進路に近い地点で、時間とともに風向が時計回りに変わったとき、その地点は台風経路の進行方向に向かって左側に位置する。

台風に伴う地表付近の風は上空から見て反時計回りに吹いています。        
このため、ある地点が、台風の進行方向に向かって 右側 に位置している時(=台風が、ある地点の左側を通過する時)、北東風 →東風→南東風のように、風向が 時計回り に変化します。
一方、ある地点が、台風の進行方向に向かって 左側 に位置している時(=台風が、ある地点の右側を通過する時)、北西風 →西風→南西風のように、風向が反時計回りに変化します。
つまり、ある地点において、
台風の通過と共に風向が 時計回り に変化していれば、その地点は台風の進行方向に向かって 右側 に位置しており、反時計回り に変化していれば、その地点は台風の 左側 に位置していることが分かります。したがって、一般に、台風の進路に近い地点で、時間とともに風向が 時計回り に変わったとき、その地点は台風経路の進行方向に向かって「左側」ではなく「 右側 」に位置しますので、
答えは 誤 です

⑲一般に、潮位偏差が大きく甚大な被害をもたらすような顕著な高潮においては、風による「吹き寄せ効果」よりも気圧低下による「吸い上げ効果」の方が、潮位上昇への寄与が大きい。

台風や低気圧が接近すると、その中心部では周囲に比べて気圧が低くなります。
この低圧状態では、周囲の比較的高い気圧を持つ空気が、海面を押し下げる作用が生じ、中心付近ではその圧力差によって海水が持ち上げられる現象が起こります。
この現象を 吸い上げ効果 といい、一般には1hPaの気圧低下が約1cmの海面上昇をもたらすとされています。

一方、台風に伴う強風が沖から海岸に向かって吹くと、風の力によって海水が海岸に向かって押し寄せる現象が起こります。
この現象を 吹き寄せ効果 といい、その影響は風速の2乗に比例して大きくなり、水深が浅い沿岸部では特に顕著に現れ、数メートルに及ぶ潮位上昇を引き起こすこともあります。

吸い上げ効果については、中心気圧が900hPaに迫るような台風(例えば、1959年の伊勢湾台風の上陸時の中心気圧は929.6hPa)でも、潮位上昇はせいぜい1メートル程度です。
しかし、過去に甚大な被害をもたらした高潮(例えば、伊勢湾台風では3.89mの高潮を観測)は3〜4メートル以上を記録していることから、一般に吹き寄せ効果は吸い上げ効果よりも高潮の潮位上昇への影響が大きい(=支配的である)と言えます。(参考:NHK「伊勢湾台風とは?犠牲者5000人超「暴走木材」が街を襲った」)

したがって、一般に、潮位偏差が大きく甚大な被害をもたらすような顕著な高潮においては、風による「 吹き寄せ効果 」よりも気圧低下による「 吸い上げ効果 」の方が、潮位上昇への寄与が「大きい」ではなく「 小さい 」ので、答えは 誤 です。

コメント

  1. 金太郎パパ より:

    > 台風は、「温度傾度に伴う有効位置エネルギーが、運動エネルギーに変換されること」
    > 温帯低気圧「 水蒸気が上昇し凝結する際に放出される潜熱が、運動エネルギーに変換されること 」

     覚えておきます。ウソウソ

    > したがって、答えは 正 です。

     あれれ…?

    • happy より:

      編集ミスでした。
      ご指摘ありがとうございます。
      解説に、次の問題の解説の部分も貼り付けてしまいました。

      さすがに、中身をしっかり読んでくれているんですね。
      感謝!