S15東西指数と平年偏差9問1周目

①長期予報では、超長波や偏西風帯の変動、あるいは亜熱帯高気圧の動向などとともに、これらよりもスケールの小さい温帯低気圧や移動性高気圧の動向にも注目する。 

長期予報では、超長波 や 偏西風帯の変動、亜熱帯高気圧の動向といった地球規模で大気の流れを左右する大きなスケールの現象に注目します。
一方、温帯低気圧 や 移動性高気圧 のようなスケールの 小さい 現象には注目しません。

なぜなら、これらは 数日単位 で変化し、長期的な天気の傾向 をつかむには適していないためです。
したがって、
答えは 誤 です

②東西指数とは、偏西風が南北に蛇行しているか、東西の流れが卓越しているかを示す指数であり、季節予報では北緯60度帯と北緯40度帯の500hPaの高度差から算出している。

東西指数(ゾーナルインデックス)は、偏西風の流れ方を示す指標で、北緯40度帯と北緯60度帯の500hPa面の高度差から算出されます。この指数が 高い ときは高度差が 大きく、偏西風が 強く東西方向にまっすぐ 流れている状態を表します。逆に、指数が 低い と高度差が 小さく、偏西風が 弱まって南北に大きく蛇行 していることを意味します。したがって、東西指数とは、偏西風が南北に蛇行しているか、東西の流れが卓越しているかを示す指数であり、季節予報では北緯60度帯と北緯40度帯の500hPaの高度差から算出していますので、答えは 正 です。

500hPa面における高度差が大きいということは、対応する緯度帯の気温差が大きいことを意味します。つまり、北緯40度(比較的低緯度)と北緯60度(高緯度)で500hPa面の高度差が大きいということは、低緯度側が暖かく、高緯度側が冷たいということを示しているんです。この温度差が大きいと、気圧傾度力が強くなり、偏西風も強まって、東西にまっすぐ流れる傾向が強くなります。逆に温度差が小さいと、偏西風は弱まり、南北に蛇行しやすくなるんですね。

③暖候期に東西指数が低い場合には、太平洋高気圧が弱いか、あるいはオホーツク海高気圧が強くなり、晴天の日が続くと予想される。

東西指数が 低い ということは、偏西風の蛇行が 大きく なりやすい状態を示しています。暖候期に東西指数が低い場合、太平洋高気圧が 弱まったり オホーツク海高気圧が 強まったりして、北日本を中心に 冷たい空気 や 湿った空気 が流れ込みやすくなります。そのため、「晴天の日が続く」のではなく、むしろ「 曇りや雨の日が多く 」なるため、答えは 誤 です。

④寒候期に東西指数が低い場合には、寒気が南下しやすく、冬型の気圧配置が強まる。

寒候期に東西指数が低い場合、偏西風の蛇行が 大きく、シベリアなどの 寒気 が南へ流れ込みやすくなり、冬型の気圧配置が強まります。その結果、日本海側では 雪の日が多くなり、太平洋側では 晴れ の日が増えるという典型的な冬の天気パターンが現れます。したがって、寒候期に東西指数が低い場合、寒気が南下しやすく、冬型の気圧配置が強まりますので、答えは 正 です。

⑤月平均500hPa高度・平年偏差図の正偏差域では、平年に比べて気温が低くなり、負偏差域では平年に比べて気温が高くなる。

月平均500hPa高度・平年偏差図 は、500hPa面の高さが平年と比べてどのくらい変化しているかを示す図です。この高度は上空の空気柱の平均気温にほぼ比例するため、高度が平年より高い 正偏差域 では空気が 暖かく、逆に高度が低い 負偏差域 では空気が 冷たく なります。したがって、月平均500hPa高度・平年偏差図の正偏差域では、平年に比べて気温が「低く」ではなく「 高く 」なり、負偏差域では平年に比べて気温が「高く」ではなく「 低く 」なりますので、答えは 誤 です。

⑥月平均500hPa高度・平年偏差図において、日本の西に気圧の谷がある場合、冬季の日本には冷たい北西の風が吹き込み、冬型の気圧配置が強まる。迷い

日本の西に気圧の谷がある場合を 西谷型 といい、日本周辺は 南西から暖かく湿った風 が入りやすく、冬でも 曇りや雨の日 が多くなります。一方、日本の東側に気圧の谷がある場合を 東谷型 といい、日本周辺は 冬型の気圧配置が強まり、冷たい北西の風 が吹き込みます。したがって、月平均500hPa高度・平年偏差図において、日本の西に気圧の谷がある場合、冬季の日本には「冷たい北西の風」ではなく「 暖かい南西の風 」が吹き込み、冬型の気圧配置が「強まる」ではなく「 弱まります 」ので、答えは 誤 です。

⑦月平均500hPa高度・平年偏差図において、高緯度側に負偏差域、低緯度側に正偏差域が位置する場合は、偏西風の蛇行が大きいことが多い。迷い

月平均500hPa高度・平年偏差図において、偏西風の蛇行が 大きくなるのは、高緯度側に 正偏差域、低緯度側に 負偏差域 が位置する場合です。このとき、暖かい空気が 高緯度側 に入り込み、冷たい空気が 低緯度側 に流れ込むため、南北間の熱交換が活発になり、偏西風の蛇行が 大きく なります。

一方、高緯度側に 負偏差域、低緯度側に 正偏差域 がある場合は、南北間の温度差が大きく、偏西風の流れが比較的まっすぐで蛇行は 小さく なります。したがって、月平均500hPa高度・平年偏差図において、高緯度側に負偏差域、低緯度側に正偏差域が位置する場合は、偏西風の蛇行が「大きい」ではなく「 小さい 」ことが多いので、答えは 誤 です。

⑧1月の北半球月平均500hPa高度・平年偏差図において、ヨーロッパから極東域(ユーラシア大陸上の北緯30°帯)にかけて正偏差域と負偏差域が交互に並ぶ波列状のパターンの場合、日本付近では全国的に気温が高くなる傾向がある。迷い

ユーラシア大陸の北緯30度付近で正偏差域と負偏差域が交互に並ぶ波列状のパターンは ユーラシアパターン と呼ばれ、冬によく見られる大気の テレコネクションパターン の一つです。テレコネクション とは、離れた場所どうしで大気の流れや気圧の高・低がシーソーのように連動して変動する現象のことです。

例えば、北米で高気圧が強まる(気圧が高くなる)と、はるか離れたヨーロッパで低気圧が強まる、といったように、遠くの地域の大気がシーソーのように連動して動きます。このようなテレコネクションが起きやすい地域をまとめたものを テレコネクションパターン といいます。ユーラシアパターンでは、東経90度付近で リッジ が強まり、日本付近では トラフ が発達する傾向があります。その結果、日本付近では北西風による 強い寒気 が流れ込みやすく、全国的に気温が 低くなる傾向があります。しがたって、1月の北半球月平均500hPa高度・平年偏差図において、ヨーロッパから極東域(ユーラシア大陸上の北緯30°帯)にかけて正偏差域と負偏差域が交互に並ぶ波列状のパターンの場合、日本付近では全国的に気温が「高く」ではなく「 低く」なる傾向がありますので、答えは 誤 です。

⑨夏季のチベット高気圧の動向を把握するためには、北半球月平均100hPa高度・平年偏差図等を用いる。チベット高気圧が日本を覆うほど勢力を強めると、東北地方の太平洋側ではヤマセ(下層の北東気流)の影響で地上気温が低下し、冷害などが発生することが多い。

チベット高気圧とは、夏季にチベット高原付近の上空に発達する 背の高い高気圧 です。チベット高気圧が日本付近まで勢力を伸ばすと、太平洋高気圧 と重なり合い、日本列島は下層から上層まで強い高気圧 に覆われます。このため、全国的に晴れて気温が上昇し、猛暑 となることが多いです。2階建て高気圧

一方、ヤマセ と呼ばれる 冷たい北東風 が東北地方の太平洋側に吹き込むのは、オホーツク海高気圧 が強まっている場合であり、チベット高気圧が日本を覆うほど強い時にはヤマセは 入りにくく、冷害が起こることは 少ない です。したがって、チベット高気圧が日本を覆うほど勢力を強めると、「ヤマセの影響で冷害」ではなく「 太平洋高気圧と重なり合って猛暑 」になることが多いので、答えは 誤 です。

弱点克服

  • 日本の西に気圧の谷がある場合を 西谷型 といい、日本周辺は 南西から暖かく湿った風 が入りやすく、冬でも 曇りや雨の日 が多くなります。
  • 月平均500hPa高度・平年偏差図において、偏西風の蛇行が 大きくなるのは、高緯度側に 正偏差域、低緯度側に 負偏差域 が位置する場合です。このとき、暖かい空気が 高緯度側 に入り込み、冷たい空気が 低緯度側 に流れ込むため、南北間の熱交換が活発になり、偏西風の蛇行が 大きく なります。
  • ユーラシアパターンでは、東経90度付近で リッジ が強まり、日本付近では トラフ が発達する傾向があります。その結果、日本付近では北西風による 強い寒気 が流れ込みやすく、全国的に気温が 低くなる傾向があります。

コメント

  1. 金太郎パパ より:

    > 温帯低気圧 や 移動性高気圧 のようなスケールの 小さい 現象には注目しません。

     これは理解できたけれど、他はチンプンカンプンでした。

    > 「正」「誤」「迷」

     なんかこれらこそ、過去問として数多く解いていくと全部を網羅できる気がしますけど…。
     そんなことないんですかね。