①気象庁が発表する季節予報には、2週間気温予報、1か月予報、3か月予報、暖候期予報、寒候期予報などがある。
気象庁が発表する 季節予報 には、2週間気温予報、1か月予報、3か月予報、暖候期予報、寒候期予報など、さまざまな種類があります。
2週間気温予報 は、1週間先からさらにその先の気温の傾向を予想するもので、日常生活や農作業などの計画に役立ちます。
1か月予報 や3か月予報 は、より長い期間の気温や降水量の傾向を示し、季節全体の見通しを知るために利用されます。
また、夏や冬といった特定の季節については、暖候期予報 や 寒候期予報 が発表され、気温や降水量、降雪量などの特徴的な傾向を伝えています。
さらに、2週間気温予報 の期間中に特に異常な高温や低温、大雪などが予想される場合には、早期天候情報 という形で注意を呼びかけることもあります。
したがって、答えは 正 です。
②季節予報では、平年からのずれを予報するために、予報対象期間の天候を2つの階級に区分して予報している。
季節予報では、予報対象期間の天候を「 低い(少ない)」「 平年並 」「 高い(多い)」の3つの階級に分けて予報しています。
これは、単に多いか少ないかの2つに分けるだけでなく、平年と同じ状態を示す「 平年並 」という中間の階級を設けることで、より正確で現実的な予報を行うためです。
したがって、季節予報では、予報対象期間の天候を「2つ」ではなく「3つ 」の階級に区分して予報していますので、答えは 誤 です。
③「低い(少ない)」「平年並」「高い(多い)」の3階級は、平年値を算出するときに用いる30年間のデータから、各階級の出現率が等分(各33%)となるように決められており、これを気候的出現率という。

過去30年間の気象データを使って「 低い(少ない)」「 平年並 」「 高い(多い)」の3つの階級を決める際は、データを低い順に並べ、下から10年分 を「 低い 」、真ん中の10年分 を「 平年並 」、上から10年分 を「 高い 」と分類します。
こうすることで、それぞれの階級が 約33% の確率で現れるように設定されており、これを「 気候的出現率 」といいます。
この方法により、各階級は平等な出現率で示され、気象の変動を公平に評価できるようになっています。したがって、「低い(少ない)」「平年並」「高い(多い)」の3階級は、平年値を算出するときに用いる30年間のデータから、各階級の出現率が等分(各33%)となるように決められており、これを気候的出現率といいますので、答えは 正 です。
④1か月予報は、向こう1か月の平均気温、合計降水量、合計日照時間を予測する数値で発表される。
1か月予報 では、向こう1か月の平均気温や合計降水量、合計日照時間を 具体的な数値 で示すのではなく、平年値と比べて「 低い(少ない)」「 平年並 」「 高い(多い)」の3つの階級 に分けて発表します。
また、それぞれの階級が現れる 確率 も示されるため、単に数値を予測するものではありません。さらに、1か月全体だけでなく、1週目 、2週目 、3・4週目 といった週別の予報も同様の形式で発表されます。したがって、1か月予報は「数値での発表」ではなく「3つの階級と確率 」で発表されますので、答えは 誤 です。

⑤1か月予報、3か月予報、暖候期予報、寒候期予報のいずれにもアンサンブル予報が用いられているが、このうちの暖候期予報、寒候期予報にのみ大気海洋結合モデルが用いられている。
1か月予報、3か月予報、暖候期予報、寒候期予報は、すべて アンサンブル予報 が用いられています。
アンサンブル予報 とは、複数の予報を行うことで予測の不確実性を評価する手法であり、短期から長期の予報に幅広く活用されています。
一方、大気海洋結合モデル とは、大気と海洋を一体的に計算するモデルであり、海面水温や海洋の変動の影響が大きくなる長期の予報、つまり 3か月予報 や 季節予報(暖候期予報、寒候期予報)で用いられます。
1か月予報 では海洋の影響が比較的小さいため、大気海洋結合モデルは使用していません。
したがって、1か月予報、3か月予報、暖候期予報、寒候期予報のいずれにもアンサンブル予報が用いられており、このうちの「暖候期予報、寒候期予報にのみ」ではなく「3か月予報、暖候期予報、寒候期予報 」に大気海洋結合モデルが用いられていますので、答えは 誤 です。
⑥大気のみのモデルで数日を超える予報を行う場合、「アンサンブル予報」という手法を用いるが、大気海洋結合モデルを用いると、海洋と大気が相互に及ぼしあう影響を取り込むことにより、単一の初期値でも精度のよい予報を得ることができるため、アンサンブル予報の手法は用いていない。
数値予報では、初期値のわずかな誤差が時間とともに大きくなり、予報結果に不確実性が生じる カオス的な性質 があります。
このため、初期値に微小な誤差を加えた複数の予報を行い、その結果を統計的に扱う アンサンブル予報 が用いられています。
大気海洋結合モデル を用いると、海洋と大気の相互作用を考慮することで予報の精度は向上しますが、誤差や不確実性が完全になくなるわけではありません。
実際に、季節予報などでは 大気海洋結合モデルを用いたアンサンブル予報 が広く活用されており、単一の初期値だけで十分な予報を得ることはできません。
したがって、大気海洋結合モデルを用いる場合でも、アンサンブル予報の手法を 用いています ので、答えは 誤 です。
⑦下図は、3か月予報の基礎資料となる、ある冬 (12月~2月) の数値予報による海面水温の平年偏差の予想図である。太平洋赤道域の中部から東部の海面水温が平年より高く、エルニーニョ現象発生時に見られる特徴が予想されている。また、インドネシア付近からインド洋東部にかけては平年並みかやや低い予想となっている。

これは、「正」
エルニーニョ現象 とは、赤道付近の東太平洋(ペルー沖)の海面水温が平年より 高くなる 現象です。
下図のように、通常、赤道の海面付近にある暖かい海水は、貿易風(東風)によって太平洋西部に吹き寄せられるため、インドネシア付近で対流活動や降雨をもたらします。
しかし、下図のように、何らかの要因 ※ で貿易風(東風)が弱まると、暖かい海水を西へ吹き寄せる力が弱まるため、暖かい海水のある領域が平年よりも 東へ移動 します。

(※ 何らかの要因の「何らか」とは気象学的にまだ解明されていません。)
これに伴い、対流活動が活発な領域も、平年より東へずれることで、インドネシア付近では 干ばつ 、ペルー付近では 豪雨 をもたらします。
下図は、海面水温の平年偏差予想図で、簡単に言うと、色が 赤い ほど、海面水温が平年より 高く なる予想ということを表しています。
上図を見ると、太平洋赤道域の中部から東部 の海面水温は平年より 高く なる予想であり、インドネシア付近からインド洋東部 にかけては 平年並みかやや低い 予想になっていることが分かります。
これらの特徴は、エルニーニョ現象発生時に見られる特徴と一致しますので、答えは 正 です。
⑧下図は、3か月予報の基礎資料となる、ある冬 (12月~2月) の数値予報による予想図であり、図Aは海面水温の平年偏差、図Bは200hPa流線関数の平年偏差の予想図である。図Aの海面水温分布に対応して、インドネシア付近からインド洋東部にかけては降水量が平年より少ない予想 (図略) であり、このことが影響して、図Bでは、中国大陸から日本付近にかけての流れは、平年に比べて中国大陸では北に、その東側では南に蛇行する予想となっている。

問題文より、図Aの海面水温分布に対応して、インドネシア付近からインド洋東部にかけては降水量が平年より少ない予想(図略)になっています。
これは、エルニーニョ現象 の特徴と一致します。
このことが影響して、図Bにおける、インドネシア付近からインド洋東部 では、流線関数の平年偏差が マイナス で 低気圧性循環 、その 南 では流線関数の平年偏差が プラス で 高気圧性循環 になっていることが分かります。

図B:200hPa 流線関数平年偏差予想図(実線および破線:平年偏差(106m2/s))
※ 流線関数と風の関係:風は流線関数の等値線に概ね平行に、数値が小さい側を左に見る向きに吹く。
また、風は流線関数の等値線に概ね平行に、数値が小さい側を左に見る向きに吹くため、中国大陸から日本付近にかけての流れは、平年に比べて 中国大陸 では 南 に、その 東側 では 北 に蛇行する予想となっています。
したがって、図Bによると、中国大陸から日本付近にかけての流れは、平年に比べて中国大陸では「北」ではなく「 南 」に、その東側では「南」ではなく「 北 」に蛇行する予想となっていますので、答えは 誤 です。
⑨下図は、3か月予報の基礎資料となる、ある冬 (12月~2月) の数値予報による500hPa高度及び平年偏差の予想図である。日本付近は正偏差に覆われており、平年に比べて寒気が南下しにくいことが予想されている。

「正」でしょう。
この図は、500hPaの等圧面高度が平年よりも高いか低いか(すなわち平年偏差)を見ることによって、その期間における天候にどのような傾向が現れているかを読み取ることができます。図を見ると、日本付近は大きな 正偏差領域 となっていることが分かります。
これは、地上から500hPaまでの層厚が 厚く 、この間の平均気温が平年より 高い ことを意味しています。このことから、寒気は日本付近へ南下しにくく、暖冬 を予想していることが分かります。
したがって、日本付近は正偏差に覆われており、平年に比べて寒気が南下しにくいことが予想されていますので、答えは 正 です。

3問やってみました。⑦⑨は正答できましたが、⑧で悩みました。



コメント
> 長期予報の問題には、ちょっと、苦手意識があるようです。
3問を読み解いてみましたけど、どれも正しいでいいんですかね。
なんか知らないことは、読んでいると納得しちゃいます。