S18解析雨量・解析積雪深・解析降雪量9問1周目

①解析雨量は、気象レーダーと雨量計の観測データを組み合わせ、降水量分布を1km四方の細かさで解析したもので、面的に雨量を推定できる気象レーダーと、正確な雨量を観測できる雨量計の両方の長所を活かしたものである。正

解析雨量 とは、簡単にいうと、気象レーダーと、アメダスなどの雨量計を組み合わせた降水量のことです。気象レーダーと雨量計はどちらも降水量を観測していますが、気象レーダーは 電波 により降水量を推定し、雨量計は 実際に 降水量を観測します。それぞれのメリット、デメリットとしては、
気象レーダー は、海上など 遠く離れた場所 の降水を推定できますが、推定値なので 誤差 が出ることがあります。

方、雨量計 は、実測値なので 正確な降水量 を観測できますが、設置している場所 の雨量しか観測できません。

これらのメリットの部分を組み合わせて、遠く離れた場所 でも 誤差の少ない 雨量を解析したものが、解析雨量 というわけです。
具体的には、気象レーダーで推定した降水量(推定値)を、その付近にある雨量計の観測値(実測値)で補正し、1km四方の細かさ で解析しています。

したがって、解析雨量は、気象レーダーと雨量計の観測データを組み合わせ、降水量分布を1km四方の細かさで解析したもので、面的に雨量を推定できる気象レーダーと、正確な雨量を観測できる雨量計の両方の長所を活かしたものですので、答えは 正 です。

②ブライトバンドは、上空の融解層付近で気象レーダーの反射強度が強くなる現象である。解析雨量では、数値予報の気温情報を利用した処理により、ブライトバンドの影響が軽減されている。正

上空の融解層(降水過程で雪が雨に変わる層)付近で気象レーダーの電波が強く跳ね返される現象を ブライトバンド といい、一般的に層状性降雨に伴って発生します。ブライトバンドは、同じ場所に長時間とどまることがあり、雨量の積算値に 大きな誤差 を生じさせることがあります

この雨量の積算値は、警報の発表基準となる土壌雨量指数や表面雨量指数、流域雨量指数などに関わるデータであるため、ブライトバンドによる影響を無視するわけにはいきません。ブライトバンドを軽減する方法として、数値予報( MSM )の気温データから 0℃の高度 を求め、この高度付近にあるレーダーエコーを抽出します。
ただし、この方法だけでは ブライトバンドではない領域 も含まれてしまう可能性があります。
このため、抽出したエコーの中から、周囲よりも 特に強いエコー を選び出し、それをブライトバンドの領域として判定します。

判定されたブライトバンドの領域については、周囲のエコーをもとに重み付け内挿を行い、エコー強度を推定します。したがって、ブライトバンドは、上空の融解層付近で気象レーダーの反射強度が強くなる現象であり、解析雨量では、数値予報の気温情報を利用した処理により、ブライトバンドの影響が軽減されていますので、答えは 正 です。

③解析雨量の算出に用いられる地上の降水量データは、気象庁のアメダスの雨量計による観測データのみが使用されている。誤

解析雨量 は、気象レーダーで推定した降水量(推定値)を、その付近にある雨量計の観測値(実測値)で補正して算出します。
その精度を高めるには、できるだけ多くの雨量計のデータを利用することが重要です。
このため、気象庁のアメダス約 1,300 ヶ所に加えて、国土交通省 や 地方自治体 の雨量計のデータも活用し、合計 約 10,000 ヶ所 の雨量計のデータを利用して解析しています。
また、気象庁が運用する 20 ヶ所の気象レーダー以外の気象レーダーのデータも利用することで、より精度の高い解析雨量を求めています。
したがって、解析雨量の算出に用いられる地上の降水量データは、「気象庁のアメダスの雨量計による観測データのみ」ではなく「 気象庁のアメダスや国土交通省、地方自治体の雨量計による観測データ 」が使用されていますので、答えは 誤 です。

④解析雨量は、土壌雨量指数や表面雨量指数の算出の際の入力データとしては利用されるが、解析雨量の値に基づいて記録的短時間大雨情報が発表されることはない。誤

解析雨量 は、災害発生リスクの高まりを示す 土壌雨量指数 、表面雨量指数 、流域雨量指数 の算出や、これらを用いた大雨・洪水警報の キキクル(危険度分布)、降水短時間予報 の予測処理、記録的短時間大雨情報 の発表基準などに利用されています。
記録的短時間大雨情報 とは、数年に一度程度しか発生しないような短時間の大雨を、観測(地上の雨量計による観測)したり、解析(解析雨量)したりしたときに発表される情報です。
この情報は、現在の降雨がその地域にとって土砂災害や浸水害、中小河川の洪水災害の発生につながるような、稀にしか観測しない雨量であることをお知らせするために、雨量基準を満たし、かつ、大雨警報発表中に、キキクル(危険度分布)の「危険」(紫)が出現している場合に発表するもので、大雨を観測した観測点名や市町村等を明記しています。
雨量基準は、1時間雨量歴代1位または2位の記録を参考に、概ね府県予報区ごとに決めています。
したがって、解析雨量は、土壌雨量指数や表面雨量指数の算出の際の入力データとしては利用されるだけでなく、記録的短時間大雨情報の発表基準としても用いられますので、答えは 誤 です。

⑤解析雨量は、気象レーダーと雨量計の観測データを組み合わせて作成しているので、解析される降水量は一般に、陸上よりも海上で誤差が大きい。正

解析雨量 とは、簡単にいうと、気象レーダーと、アメダスなどの雨量計を足し合わせた降水量のことです。気象レーダーと雨量計はどちらも降水量を観測していますが、気象レーダーは 電波により降水量を推定し、雨量計は 実際に降水量を観測 します。
それぞれのメリット、デメリットとしては、気象レーダーは、海上など 遠く離れた場所 の降水を推定できますが、推定値なので 誤差 が出ることがあります。
一方、雨量計 は、実測値なので 正確 な降水量を観測できますが、設置している場所 の雨量しか観測できません。これらのメリットの部分を組み合わせて、遠く離れた場所でも誤差の少ない雨量を解析 したものが、解析雨量 というわけです。
具体的には、気象レーダーで推定した降水量(推定値)を、その付近にある 雨量計の観測値(実測値)で補正 しています。

下図は、気象庁が配置している気象レーダーの地図です。
気象レーダーは陸上 に設置されており、気象レーダーからの 距離が遠い ほど、推定する降水量の 誤差が大きく なります。また、海上には雨量計がありませんので、解析される降水量は一般に、陸上よりも 海上で誤差が大きく なります。したがって、解析雨量は、気象レーダーと雨量計の観測データを組み合わせて作成しており、解析される降水量は一般に、陸上よりも海上で誤差が大きいので、答えは 正 です。

⑥解析積雪深は、解析雨量や数値予報モデルの気温や日射量などを積雪変質モデルに与えて積雪の深さを計算し、アメダスの積雪深計の観測値で補正することにより作成される。正

解析積雪深 とは、解析雨量や局地数値予報モデル(LFM)などの降水量、気温、日射量などを積雪変質モデルに与えて積雪の深さを計算した後、アメダスの積雪計の観測値で補正することにより作成される積雪深のことです。
積雪変質モデル では、新たに積もる雪の量、とける雪の量、時間の経過により積雪が沈み込む深さ等を計算することで 積雪の深さ を求めます。
このように、モデルによる推定 と 観測値の補正 を組み合わせることで、広い範囲の積雪深を高い精度で把握できるため、防災や除雪計画に役立てられています。
したがって、答えは 正 です。

⑦積雪変質モデルでは、新たに積もる雪の量、とける雪の量を計算することで積雪の深さを求めており、時間の経過とともに積雪が沈み込む深さは計算されていない。誤

積雪変質モデルでは、新たに積もる雪の量、とける雪の量、時間の経過により積雪が沈み込む深さ等を計算することで積雪の深さを求めています。
実際に、このモデルでは積雪を複数の層に分けて計算し、各層ごとに雪の重みや気温変化などによって積雪が 徐々に沈み込む 現象を物理的に再現しています。
したがって、答えは 誤 です。

⑧解析降雪量は、解析積雪深が1時間に増加した量を1時間降雪量(cm)として算出しており、解析積雪深が減少した場合の1時間降雪量は0cmとしている。正

解析降雪量 は、解析積雪深が1時間に増加した量を1時間降雪量として作成します。
例えば、9時 の解析降雪量は、解析積雪深が8時から9時までに増加した量 となります。なお、解析積雪深が 減少 した場合は0となります。したがって、答えは 正 です。

⑨解析積雪深・解析降雪量は約5km四方の平均的な値のため、これより狭い局地的な降雪の多寡は表現できない。誤

解析積雪深や解析降雪量は、約5km四方 で平均的に算出される値です。このため、5kmよりも狭い範囲で起こる 局地的な降雪の多寡は表現できません。したがって、答えは 正 です。

※最後の⑨で誤ってしまいました。集中力の欠如ぽいですね。

コメント

  1. 金太郎パパ より:

    > 降水量分布を1km四方の細かさで解析したもの

     そんな細かに雨量計は設置されていないですよね。
     なので、大きく予想値が入ってきている?