①未飽和の空気塊が断熱的に上昇する場合、空気塊の温度は1km上昇するごとに約10℃低下する。🟢
未飽和 の空気塊が断熱的に上昇する場合、空気塊の温度は1km上昇するごとに 約10℃ 低下しますので、答えは 正 です。
②湿潤断熱減率は、飽和した空気塊を上昇させたときに発生する凝結熱が空気塊を加熱するため、乾燥断熱減率よりも大きい。🟢
湿潤断熱減率は、飽和した空気塊を上昇させたときに発生する凝結熱が空気塊を加熱するため、乾燥断熱減率よりも「 小さい 」ので、答えは 誤 です。
③対流圏における平均的な大気の状態としては、温位は上層ほど低くなっている。🟢
温位とは、空気塊を乾燥断熱的に1000hPa の高度まで移動させたときの絶対温度 [ K ] のことです。対流圏では、平均的な気温の変化率 が 約6.5℃/km であり、これは高度が 1km 上がるごとに、気温が平均して 6.5℃ 下がることを意味します。
一方、空気塊の 乾燥断熱減率 は 約10℃/km ですので、上昇する空気塊は、周囲の平均気温と比較すると、高度が 1km 上がるごとに、気温が 約3.5℃ 高くなります。つまり、鉛直方向に見ると、実際の温位は高度が増すにつれて次第に 高く なっていくのです。
したがって、対流圏における平均的な大気の状態としては、温位は上層ほど「高く」なっていますので、答えは 誤 です。
④温位が等しく気圧が異なる2つの乾燥空気塊がある。気圧が高い方の空気塊をもう1つの空気塊の気圧になるまで断熱的に膨張させた後、2つの空気塊の温位を比較すると、気圧が高かった空気塊の方が温位が低い。🟢
温位が等しいということは、2つの乾燥空気塊が 同じ乾燥断熱線上に位置するということです。これは、断熱的な過程(=外部との熱のやり取りがない状態での膨張や圧縮)において、水蒸気が凝結しない限り、空気塊が上昇して温度が下がっても、温位は変化しない ことを意味します。
したがって、気圧が高い方の空気塊を、もう1つの空気塊の気圧になるまで断熱的に膨張させた場合、「気圧が高かった空気塊の方が温位が低い」ではなく「 2つの空気塊の温位は同じ 」になりますので、答えは 誤 です。2つの空気塊はエマグラムで同じライン上にあるということですね。
⑤空気塊が乾燥断熱的な運動をするとき、その空気塊は同じ等温位面上にとどまる。🟢
乾燥断熱変化 において、空気塊の 温位は保存 されます。このため、空気塊が乾燥断熱的に運動した場合、等温位面上(=大気中で温位が一定の面)に存在し続けることになります。したがって、空気塊が乾燥断熱的な運動をするとき、その空気塊は同じ等温位面上にとどまりますので、答えは 正 です。
⑥相当温位は、空気塊に含まれる水蒸気の凝結による潜熱の影響を無視した場合の温位である。🟢
簡単に言うと、相当温位とは、温位+空気塊が含む水蒸気がすべて凝結したときの昇温効果 を考えたものです。したがって、相当温位は、空気塊に含まれる水蒸気の凝結による潜熱の影響を「無視した場合の温位」ではなく「 加味した場合の温位 」ですので、答えは 誤 です。
⑦飽和相当温位は、空気塊の水蒸気が飽和しているとした場合の相当温位で、相当温位との差が小さいほど湿潤である。誤
飽和相当温位は、空気塊の 水蒸気が飽和 しているとした場合の相当温位で、相当温位との差が 小さい ほど 湿潤 であることを示しますので、答えは 正 です。
⑧空気塊が断熱上昇するとき、相当温位は水蒸気が凝結すると変化し、凝結しないと変化しない。誤
相当温位とは、温位+空気塊が含む水蒸気がすべて凝結したときの昇温効果 を考えたものです。
これは、空気塊が断熱的に上昇して冷却される過程で、水蒸気が凝結し潜熱を放出しても、相当温位は 保存される(=一定に保たれる)ことを意味します。
したがって、湿潤空気塊が水蒸気の 凝結の有無にかかわらず 、相当温位は「 変化しない 」ので、答えは 誤 です。
⑨1000hPaより低い気圧で空気塊が凝結する場合、「 未飽和の湿潤空気塊の温位 < 相当温位 < 湿球温位 」の関係が成り立つ。
温位とは、空気塊を乾燥断熱的に 1000hPaの高度まで移動させたときの絶対温度のことです。相当温位とは、空気塊を乾燥断熱的に持ち上げて凝結に達した後、空気塊をさらに湿潤断熱的に持ち上げ、すべての水蒸気が凝結した後に 1000hPaの高度まで乾燥断熱的に移動させたときの絶対温度のことです。
湿球温位とは、空気塊を乾燥断熱的に持ち上げて凝結に達した後、湿潤断熱的に 1000hPa まで移動させたときの絶対温度 [K] のことです。
図を見ると、「 湿球温位 < 未飽和の湿潤空気塊の温位 < 相当温位 」の関係になっていることが分かります。答えは 誤 です。

⑩熱力学第一法則より、空気塊に加えられる熱量(ΔQ)、空気塊が行う仕事(ΔW)および内部エネルギーの増加(Δu)は「 ΔQ=ΔW+Δu 」の関係にある。このときの内部エネルギーの増加(Δu)は、温度に依存するため、定積比熱(Cv)を用いて「 Δu=CvΔT 」と表される。
熱力学第一法則 とは、空気塊のような物体に加えられた熱量(ΔQ)が、その物体が行う仕事(ΔW)と内部エネルギーの増加(Δu)の合計に等しいことを示す物理法則です。
つまり、ΔQ=ΔW+Δu と表されます。
ここで、定積変化を考えると、空気塊の体積が変化せず、仕事がゼロ( ΔW=0 )となるため、空気塊に加えられた熱量と、内部エネルギーの増加量が等しくなり、ΔQ=Δu となります。
このとき、定積比熱( Cv=ΔQ/ΔT )(=体積一定のまま、物質の温度を1K上昇させるのに必要な熱量)を用いると、熱力学第一法則は Δu=CvΔT と表されます。
したがって、答えは 正 です。



コメント
> 大気の熱力学:断熱過程と温位・相当温位 10問
学科の一般問題は簡単すぎて、素通りってことですかね?