やっと見えてきた温度風

めざせ気象予報士

この問題52回問7は、前回64回に出題された問題に似ています。避けては通れない温度風の本質的な理解を確かめられているよい問題だと思い、64回で混乱したリトライの意味も込めて自分なりに明解にしたいと思います。

問7 下図は静力学平衡と地衡風平衡が成り立つ北半球中緯度の大気における850hPa等圧面の等高度線図であり,南の方が高度が高い。一方,500hPa等圧面では,全域で同じ風速の南風が吹いている。このとき,次の文(a)~(d)の正誤について,下記の1~5の中から正しいものを一つ選べ。ただし,850hPa等圧面から500hPa等圧面にかけての風向の変化は180° 以内とする。

  • (a)850hPa面の風速の絶対値は,南側ほど大きい。
  • (b)850hPa面と500hPa面の間の気層の平均気温は,東西方向で比較すると東側ほど高い。
  • (c)850hPa面と500hPa面の間の気層の平均気温は,南北方向で比較すると北側ほと高い。
  • (d)850hPa面と500hPa面の間の気層では,平均すると暖気移流となっている。

問題本文からわかること、

  • ①850hPと500hPaとの風向きと温度勾配、それに伴う温度風の向きについての問題だということを理解する。
  • ②図が、850hPa等圧面の等高度線図であり,南の方が高度が高い。このことから、850hPaで、南側の等高度線が混んでいることから、気圧傾度ほど南が高い➡南の層厚が高い➡相対的に南が暖
  • ③➡よって下層850hPaでは、西風が吹いている。
  • ④上層500hPa等圧面では,全域で同じ風速の南風が吹いているので、下層が西風で上層が南風だということが分かる。
  • ⑤西から南へ➡反時計回りは寒気移流である。

これを踏まえて、(a)~(d)を考える。

  • (a)850hPa面の風速の絶対値は,南側ほど大きい。
  • ・南の方が等高度線が混んでいるので気圧差が高い。➡風速は大きい。よって
  • (b)850hPa面と500hPa面の間の気層の平均気温は,東西方向で比較すると東側ほど高い。
  • 気層の平均気温のこと、上層で南風なので、東西方向で比較すると、右側つまり東側が暖かく層厚が厚い。東側が暖なので気層の平均気温は,東西方向で比較すると東側ほど高い。よって
  • (c)850hPa面と500hPa面の間の気層の平均気温は,南北方向で比較すると北側ほと高い。
  • 今度は、南北方向の比較です。500hPaで南風、、、850hPaで西風、、反時計回り、、に寒気が入り込んでくる。悩む・・・寒気が下から反時計回りに入ってくるのだから、もともとの北側の方が暖 よって
  • (d)850hPa面と500hPa面の間の気層では,平均すると暖気移流となっている。
  • ⑤で答えがでている。寒気移流なので
全体を考えるイメージ

(b)(c)のイメージ

さて、ここからが64回問6のリトライです。

問6 北半球の緯度の異なる2 つの地点の温度と風の関係について述べた次の文章の空欄(a)~(c)に入る語句の組み合わせとして正しいものを、下記の1~5の中から1つ選べ。
ただし、この2つの地点の上空では静力学平衡および地衡風平衡が成り立っているものとする。

北半球の緯度30°の地点Aと緯度45°の地点Bにおいて、1000hPa等圧面上で風速5m/sの南風が吹いている。また、A、B両地点では1000hPaから700hPaの層内の平均温度は、いずれも東西方向に一様で南から北に向かって低くなっており、その水平温度勾配は両地点で等しい。このとき700hPa 等圧面における風速は(a)。また、地点Aと地点Bの1000hPaから700hPaの層内ではともに(b)となっており、その
大きさは(c)。

最初に結論 正解は①

  • (a)これは、温度風の問題だと思い込んでいましたが、実は地衡風の風速の問題でした
  • 北半球の緯度30°の地点Aと緯度45°の地点Bにおいて、1000hPa等圧面上で風速5m/sの南風が吹いている。1000hPa等圧面上で風速風向は同じだと言っている。
  • ❷A、B両地点では1000hPaから700hPaの層内の平均温度は、いずれも東西方向に一様で南から北に向かって低くなっており、その水平温度勾配は両地点で等しい。➡1000hPaから700hPaに向かう水平温度勾配は同じだと言っている。
  • つまり、❶❷のことから、A、B両地点で温度風から受ける影響は等しいと言っている。すると、A、B両地点での風速の違いを生む要因は、緯度の違いである。地衡風の風速を求める式から、低緯度の北緯30°の地点Aのほうが、大きいことになる。
  • 経度の違った2地点間の温度風と水平温度勾配の関係が地衡風に及ぼす影響を考えさせる難問でした。
  • (b)これは、普通の温度風の求め方に沿って、下層南風・上層西風で反時計回りで寒気移流となります。
  • (c)これは、何なんだ!?という問題ですが、問われていることをもう一度確認「地点Aと地点Bの1000hPaから700hPaの層内での風速」です。(a)❶❷の考え方から、➡「1000hPaから700hPaに向かう水平温度勾配は同じ」なので、A、B両地点での風速の大きさは同じだということになります。

※この問題は、「模範解答と解説」の書籍によると、「かなりの難問」という評価を受けているようです。15問の中には、必ずこのような「かなりの難問」が含まれています。その問題がそうなのかどうなのかを見極める力をつけ、できそうな問題を見抜く力をつけたいですね。

コメント

  1. 金太郎パパ より:

    > 15問の中には、必ずこのような「かなりの難問」が含まれています。
    > その問題がそうなのかどうなのかを見極める力をつけ、できそうな問題を見抜く力をつけたいですね。

     見極められれば、無駄な時間を使わずに捨てられるってことですか?
     気づかずにスラっと解けちゃえば何の問題もないと思うんですけどね。