S10短期予報・中期予報:高気圧・低気圧と天気 24問1周目

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①太平洋高気圧は亜熱帯高気圧の1つで、東西方向の水平スケールが3000km程度の総観規模の現象である。

下図のように、太平洋高気圧は広く太平洋上に広がり、夏になると東西方向の水平スケールは 8000km以上 になります。したがって、太平洋高気圧の東西方向の水平スケールは「3000km程度」ではなく、夏には「 8000km以上 」になりますので、答えは 誤 です。ちなみに、東西方向の水平スケールが 3000km 程度の総観規模の現象で代表的なものは 温帯低気圧 です。
現象の水平スケールは「日本の大きさ=約3000km」を覚えておくとイメージしやすいのでオススメです。

②太平洋高気圧のような亜熱帯高気圧は、ハドレー循環の下降流域に位置し、対流圏下層では発散域となっている。

亜熱帯高気圧(亜熱帯高圧帯、中緯度高圧帯、サブハイとも呼ばれます)とは、緯度20~30度付近に形成される高気圧で、太平洋高気圧はその一種です。太平洋高気圧 とは、中心がハワイ諸島の北の東太平洋にある高気圧で、夏期を中心に勢力が強まります。亜熱帯高気圧は、大気循環(=地球規模での大気の流れ)の中でも、子午面循環(読:しごめんじゅんかん)(=子午線(=経線方向)方向の大気循環)が関係しています。
子午面循環は、赤道から北に向かって、ハドレー循環 、フェレル循環 、極循環 の3つの循環があります。このうち、亜熱帯高気圧 は、ハドレー循環 の一部として形成されます。
ハドレー循環(ハドレー細胞とも呼ばれます)とは、赤道付近で太陽熱によって暖められた空気が上昇し、北に向かって流れた後、緯度30度付近で下降する大規模な大気の流れのことです。
下降した空気は赤道方向へと流れ、循環が完了します。この、緯度30度付近での下降流によってできる高気圧のことを、亜熱帯高気圧 といいます。また、上図のとおり、対流圏下層では発散域 となっていることが分かります。
したがって、亜熱帯高気圧は、ハドレー循環の下降流域に位置し、対流圏下層では発散域となっていますので、答えは 正 です。

③太平洋高気圧の圏内では、海面からの水蒸気の供給により、対流圏下層から上層までのほとんどの高度で、相対湿度が高くなっている。

太平洋高気圧は、海上の高気圧ですので、海面からの蒸発により、対流圏の ごく下層 では相対湿度が 高く なります。しかし、太平洋高気圧は、ハドレー循環の下降流 によって形成され、この下降流によって、空気が 断熱圧縮 されますので、ほとんどの高度 で、相対湿度は 低く なります。
したがって、太平洋高気圧の圏内では、海面からの水蒸気の供給により、対流圏のごく下層では相対湿度が高くなりますが、対流圏下層から上層までの ほとんどの高度 では、ハドレー循環の下降流による断熱圧縮により、相対湿度が「 低く 」なりますので、答えは 誤 です。

④盛夏期に、太平洋高気圧が北西に張り出して本州付近を広く覆い、さらに対流圏上層の高気圧とも重なると、午後に積乱雲が発達して広い範囲で雷雨になることが多い。

太平洋高気圧 は、地上〜高度約10km(約300hPa)以上まで伸びる、背の高い高気圧です。
また、対流圏上層の高気圧とは、チベット高気圧 のことを指します。
チベット高気圧とは、高度4000~5000mのチベット高原の地表面が日射によって加熱されることでできる高気圧で、高度約11〜16km(約200〜100hPa)の対流圏上層で明瞭になります。
盛夏期になると、太平洋高気圧が北西に張り出し、チベット高気圧が東に張り出すことで、日本の上空では、太平洋高気圧とチベット高気圧が重なった状態になります。
簡単に言うと、高気圧の2階建て状態です。
これらの高気圧が重なると下降流がさらに強まり、広い範囲で乾燥し、気温が高くなりますので、対流活動(上昇気流)が抑制され、積乱雲は発達しにくく なります。
しかし、夏は熱雷(読:ねつらい)や夕立(読:ゆうだち)になることも多いため、午後に積乱雲が発達して広い範囲で雷雨になることもあるのでは?と思った方もいるのではないでしょうか。
熱雷とは、夏の強い日射によって地表付近の空気が暖められ、その暖かく湿った空気が急速に上昇することによってできた積乱雲から発生する雷のことです。
また、夕立とは、熱雷を伴った積乱雲から短時間で降る激しい雨のことです。
熱雷が発生する主な条件は、高気圧の縁辺流 などで流入した下層の温かく湿った空気が日射によって暖められる場合で、上空に寒気 が入ると積乱雲はさらに発達します。
これは、太平洋高気圧とチベット高気圧に広く覆われた環境場とは違いますので、本問の条件「太平洋高気圧が北西に張り出して本州付近を広く覆い、さらに対流圏上層の高気圧とも重なる」には当てはまりません。
したがって、盛夏期に、太平洋高気圧とチベット高気圧が重なって、対流活動が抑制され、広く乾燥すると、積乱雲や雷雨は 発生しにくくなります ので、答えは 誤 です。

⑤日本海寒帯気団収束帯 (JPCZ) は、冬の日本海で、寒気の吹き出しに伴って形成される、長さが1000km程度の収束帯である。

日本海寒帯気団収束帯(Japan-Sea Polar-Airmass Convergence Zone:JPCZ)とは、冬の日本海で、寒気の吹き出しに伴って朝鮮半島北部から本州沿岸に形成される収束帯のことです。その長さは日本海の大きさである 1000km 程度です。現象の水平スケールは「 日本の大きさ = 約3000km 」を覚えておくとイメージしやすいのでオススメです。
したがって、日本海寒帯気団収束帯 (JPCZ) は、冬の日本海で、寒気の吹き出しに伴って形成される、長さが1000km程度の収束帯ですので、答えは 正 です。

⑥強い寒気が南下した時に、収束帯付近で対流雲が組織的に発達し、陸地にかかると局地的に大雪をもたらすことがある。このような大雪は、北陸から東北地方の日本海側にかけての地域で発生することが多く、近畿以西の日本海側ではほとんど見られない。

日本海寒帯気団収束帯 (JPCZ) は、強い寒気が南下した時に形成され、収束帯付近では対流雲が組織的に発達するため、陸地にかかると局地的に大雪をもたらすことがあります。
下図は2024年1月23日 (火) 15時の気象衛星画像で、日本海に日本海寒帯気団収束帯 (JPCZ) が形成されていることが分かります。
この日の中国地方の上空約5500mには、氷点下36度以下のこの冬一番の強い寒気が流れ込み、1月25日にかけて強い冬型の気圧配置となりました。
この日の24時間予想降雪量は、日本海側で約40〜50cmが予想されており、島根県の横田アメダスでは1月25日9時の観測で43cmの積雪を観測し、大雪警報も発表されました。したがって、日本海寒帯気団収束帯(JPCZ)による大雪は、北陸から東北地方の日本海側だけでなく、「 中国地方など近畿以西の日本海側でも見られます 」ので、答えは 誤 です。

⑦日本海寒帯気団収束帯 (JPCZ) の形成には、季節風が朝鮮半島の北にある山岳で2つに分かれ、風下の日本海の上で合流することのほか、海岸線の形や海面水温による気団変質の非一様性なども効いている。

日本海寒帯気団収束帯(JPCZ)は、冬型の気圧配置が強まって、シベリア大陸から日本海に流れ込んできた冷たい風が、朝鮮半島北部に位置する長白(読:チャンパイ)山脈 (最高峰:白頭山(読:ペクトサン、はくとうさん)2744m) によって、二分された後、その風下である 日本海で再び合流 することで形成されます。
また、海岸線の地形によって、シベリア大陸からの寒気に強弱が生じたり、暖かい海面水温(約5~15度)によって寒気が暖かく湿った空気に変わる(=気団変質)ことも、日本海寒帯気団収束帯(JPCZ)を形成する一因となっています。
したがって、日本海寒帯気団収束帯(JPCZ)の形成には、季節風が朝鮮半島の北にある山岳で2つに分かれ、風下の日本海の上で合流することのほか、海岸線の形や海面水温による気団変質の非一様性なども効いていますので、答えは 正 です。

⑧日本の冬の天気を支配するシベリア高気圧は、500hPa天気図では確認できない背の低い高気圧である。

シベリア高気圧 とは、シベリア地方に中心をもつ冷たい空気でできた 背の低い 高気圧のことです。
冬になると、シベリアは太陽高度が低くなり、陸地が急激に冷やされるため、冷たく重い空気が 地表近く に蓄積されます。
この冷たい空気の層が 高気圧 を形成し、冬型(西高東低)の気圧配置のもとで日本の 西側 に現れ、日本に 寒気や雪をもたらします。
このため、シベリア高気圧は地表や850hPa天気図でははっきり確認できますが、700hPa天気図では存在が薄くなり、500hPa天気図ではほとんど確認できません。
したがって、日本の冬の天気を支配するシベリア高気圧は、500hPa天気図では確認できない背の低い高気圧ですので、答えは 正 です。

⑨大陸に寒冷な高気圧、太平洋に低気圧という西高東低の気圧配置の天気図で、日本付近の等圧線がほぼ南北に走っている場合は、日本海側で里雪が降ることが多い。

西高東低の気圧配置において、等圧線が 南北に走る 場合は、強い寒気が日本海に流れ込み、山地で雪雲が発達して 山雪型 の雪となります。
一方、等圧線が 袋状にゆるむ 場合は、寒気が平野部や沿岸部で雪雲を発達させ、里雪型 の雪となります。したがって、大陸に寒冷な高気圧、太平洋に低気圧という西高東低の気圧配置の天気図で、日本付近の等圧線がほぼ南北に走っている場合は、日本海側で「里雪」ではなく「 山雪 」が降ることが多いので、答えは 誤 です。

⑩冬季に大陸から乾燥した北西の季節風が吹き出るときに衛星画像で見られる筋状の雲の大陸からの離岸距離は、大気下層の気温が低いほど短くなる。

冬季に大陸から乾燥した北西の季節風が日本海に吹き出すと、衛星画像で筋状の雲が見られます。この雲は海岸から一定の距離をおいて発生しますが、その距離を 離岸距離(読:りがんきょり)といいます。
大気下層の気温が 低い ほど、海面との温度差が 大きく なり、海から大気への熱や水蒸気の供給が 増える ため、空気が早く暖まり 対流が起こりやすく なります。
その結果、雲は海岸に 近い 場所で発生し、離岸距離が 短く なるのです。
逆に、気温が 高い と温度差が 小さく なり、雲ができるまでに距離が必要になるため、離岸距離は 長く なります。
したがって、冬季に大陸から乾燥した北西の季節風が吹き出るときに衛星画像で見られる筋状の雲の大陸からの離岸距離は、大気下層の気温が低いほど短くなりますので、答えは 正 です。

⑪地上気温が0℃以上であっても降雨ではなく降雪となることがある。この場合、降雨になるか降雪になるかは、地上付近の気温とともに湿度も影響し、気温が同じであれば湿度が低いほど雪になる可能性が高くなる。

地上の気温が0℃以上でも雪 が降ることがあります。             
これは、降ってくる雪が昇華(氷が直接水蒸気になる現象)する際に周囲から熱を奪い、冷却効果 が生じるためです。
この冷却効果によって、地上付近の気温が0℃以上 であっても雪が溶けにくくなり、雪のまま 地上に届くことがあります。
特に湿度が 低い と空気が乾燥しているため昇華が促進され、冷却効果が 強まり ます。
その結果、同じ気温でも湿度が 低い ほど 雪 になりやすくなります。
したがって、降雨になるか降雪になるかは、地上付近の気温とともに湿度も影響し、気温が同じであれば湿度が低いほど雪になる可能性が高くなりますので、答えは 正 です。

⑫春や秋に日本付近を西から東に通過する移動性高気圧は、高気圧の中心の西側では上・中層雲が広がっていることがしばしばある。

春や秋に日本付近を西から東へ移動する 移動性高気圧 は、上空の 気圧の尾根 に対応しています。高気圧の中心付近やその東側では 下降流 が優勢となり、空気が下に押し下げられるため雲ができにくく、晴天 が多くなります。
一方で、高気圧の中心の西側は、その後ろに続く低気圧の前面にあたるため、上昇流 が起こりやすくなります。この上昇流によって 上・中層雲 が広がることがしばしばあります。したがって、春や秋に日本付近を西から東に通過する移動性高気圧は、高気圧の中心の西側では上・中層雲が広がっていることがしばしばありますので、答えは 正 です。

⑬中・高緯度の上層のジェット気流が南北に大きく蛇行する場合には、 地上では大規模な高気圧が停滞することがあり、この高気圧をブロッキング高気圧という。

ブロッキング高気圧とは、中・高緯度の上空を流れるジェット気流が南北に大きく蛇行したときに、地上で大規模な高気圧が長期間停滞する現象のことです。
名前の通り、この高気圧は天気の流れを妨げる役割を果たし、通常西から東へ移動する低気圧や高気圧の動きを ブロック するため、同じ天気が長続き しやすくなります。
その結果、豪雨や大雪、熱波や寒波などの 異常気象 が発生しやすくなります。
ブロッキング高気圧は、地形や大陸・海洋の影響でジェット気流が蛇行しやすい 北半球の中・高緯度 で起こりやすいです。
したがって、中・高緯度の上層のジェット気流が南北に大きく蛇行する場合には、 地上では大規模な高気圧が停滞することがあり、この高気圧をブロッキング高気圧といいますので、答えは 正 です。

⑭梅雨期の日本の天気を支配するオホーツク海高気圧は、上空に気圧の尾根やブロッキング高気圧が存在するときに発生しやすい停滞性の高気圧である。

オホーツク海高気圧 とは、オホーツク海や千島近海に中心を持ち、春の後半から夏にかけて現れる冷涼湿潤な高気圧です。
オホーツク海高気圧は、上空に 気圧の尾根 や ブロッキング高気圧 が存在するときに発生しやすく、これらの上空の気圧配置によって偏西風の流れが妨げられることで、長期間同じ場所にとどまります。
地上ではオホーツク海で冷やされた 冷湿 な空気が広がり、日本の 太平洋側 に流れ込むため、梅雨期 に曇りや雨の日が続きやすくなります。
したがって、梅雨期の日本の天気を支配するオホーツク海高気圧は、上空に気圧の尾根やブロッキング高気圧が存在するときに発生しやすい停滞性の高気圧ですので、答えは 正 です。

⑮夏に日本付近に張り出してくる太平洋高気圧は、ハドレー循環の下降域である北太平洋の亜熱帯高圧帯に発生する。

夏に日本付近に張り出してくる 太平洋高気圧 は、ハドレー循環の下降域、つまり北太平洋の 亜熱帯高圧帯 に発生します。
ハドレー循環では、赤道付近で上昇した空気が高緯度側に流れ、緯度30度付近で下降しますが、この下降した空気が地表付近で 高気圧 を形成します。
太平洋高気圧は、こうした 亜熱帯高圧帯 の一部として現れ、夏になると勢力を強めて日本付近まで張り出します。
したがって、夏に日本付近に張り出してくる太平洋高気圧は、ハドレー循環の下降域である北太平洋の亜熱帯高圧帯に発生しますので、答えは 正 です。

⑯寒冷低気圧は、500hPa~300hPaの偏西風が大きく蛇行することで偏西風帯の低緯度側にできた気圧の谷が寒気とともに切り離されてできる低気圧である。

寒冷低気圧 とは、上空の偏西風が大きく蛇行し、その流れから切り離された低気圧のことです。特に、高度 約5,000~9,000m 付近で発生しやすく、中心部に周囲より冷たい空気( 寒気 )を持っているのが特徴です。
等圧線や等温線は ほぼ円形 に分布し、高層天気図 で確認できます。
寒冷渦 や 切離低気圧 とも呼ばれますが、いずれも同じ現象を指します。
したがって、寒冷低気圧は、500hPa~300hPaの偏西風が大きく蛇行することで偏西風帯の低緯度側にできた気圧の谷が寒気とともに切り離されてできる低気圧ですので、答えは 正 です。

⑰寒冷低気圧の中心付近では、対流圏界面が大きく下がり、その上では周囲に比べて気温が低くなっている。

寒冷低気圧は日本付近に進む際、東〜南東 象限の下層に 暖湿気 が流れ込みやすいため、大気は 不安定 になり対流雲が発達します。
寒冷低気圧は、上空の偏西風から切り離されて形成されるため、動きが 遅く、場合によっては 停滞 することもあります。
そのため、大気の不安定な状態は、数日間 続くことが多いです。
したがって、寒冷低気圧は一般に動きが「速い」ではなく「 遅い 」ため、成層が不安定な状態は「半日程度」ではなく「 数日間 」続くことが多いので、答えは 誤 です。

⑱夏季に日本付近に進んでくる寒冷低気圧においては、東から南東象限の下層に暖かく湿った気塊が流入することが多く、そのようなときは大気の成層が不安定となり対流雲が組織的に発達するが、寒冷低気圧は一般に動きが速いため、成層が不安定な状態は半日程度で解消することが多い。

寒冷低気圧は日本付近に進む際、東〜南東 象限の下層に 暖湿気 が流れ込みやすいため、大気は 不安定 になり対流雲が発達します。
寒冷低気圧は、上空の偏西風から切り離されて形成されるため、動きが 遅く、場合によっては 停滞 することもあります。
そのため、大気の不安定な状態は、数日間 続くことが多いです。
したがって、寒冷低気圧は一般に動きが「速い」ではなく「 遅い 」ため、成層が不安定な状態は「半日程度」ではなく「 数日間 」続くことが多いので、答えは 誤 です。

⑲冬の日本海などで見られるポーラーロウは、寒気の中で発生するごく小さな低気圧でコンマ雲を伴い、寒冷低気圧と同様に悪天候をもたらす。

ポーラーロウ とは、冬の日本海などで発生するごく小さな低気圧のことで、上空に強い寒気があり、下層に暖かく湿った空気が流れ込むときに形成されます。気象衛星では コンマ状の雲 を伴い、寿命は短いものの、寒冷低気圧と同様に強風や大雪などの悪天候をもたらすことがあります。
したがって、冬の日本海などで見られるポーラーロウは、寒気の中で発生するごく小さな低気圧でコンマ雲を伴い、寒冷低気圧と同様に悪天候をもたらしますので、答えは 正 です。

⑳発達期にある温帯低気圧の前面にあたる東側の領域では、下層に発散域、上層に収束域があり、西側では下層に収束域、上層に発散域がある。

温帯低気圧の発達期において、東側(前面)では暖気が上昇しやすいため、下層は 収束域 となり、上層は 発散域 となります。一方、西側(後面)では寒気が下降しやすいため、下層は 発散域、上層は 収束域 となります。
したがって、発達期にある温帯低気圧の前面にあたる東側の領域では、下層に「発散域」ではなく「 収束域 」、上層に「収束域」ではなく「 発散域 」があり、西側では下層に収束域ではなく「 発散域 」、上層に「発散域」ではなく「 収束域 」がありますので、答えは 誤 です。

㉑地上の低気圧の中心と上層の気圧の谷を結ぶ軸が、上層に向かって東側に傾いているほど、低気圧は発達する。

地上の低気圧と上層の気圧の谷(トラフ)を結ぶ軸が、上層に向かって 西側 に傾いている場合、低気圧は 発達 しやすくなります。
これは、上層での 発散 が強まり、地上での 収束 が促進されるため、気圧がさらに下がって低気圧が 強まるためです。
一方、この軸が上層に向かって 東側 に傾いていると、地上と上層の構造が重なり、発散が 弱まる ため低気圧の発達は止まり、やがて 閉塞 して 衰退 していきます。
したがって、低気圧が発達するのは、地上の低気圧の中心と上層の気圧の谷を結ぶ軸が、
上層に向かって「東側」ではなく「西側」に傾いているときですので、答えは 誤 です。

㉒冬型の気圧配置が弱まり始める2~3月に発生する南岸低気圧は、急速に発達して日本の太平洋側に大雪を降らせることがある。

南岸低気圧 とは、日本の南西海上で発生し、本州の南岸沿いを東へ進む低気圧のことです。
この低気圧は一年を通して見られますが、特に冬型の気圧配置が弱まり始める 2~3月 に発生するものは急速に発達しやすく、太平洋側に大雪 をもたらすことがあります。
したがって、冬型の気圧配置が弱まり始める2~3月に発生する南岸低気圧は、急速に発達して日本の太平洋側に大雪を降らせることがありますので、答えは 正 です。

㉓発達した低気圧が日本海にあると、日本列島では南西風が強くなって気温が上昇し、日本海側ではフェーン現象が現れる。

本海にある発達した低気圧が北東へ進むと、日本列島は低気圧の 暖域 に入ります。
このため 南西風 が強まり、日本海側では山を越えた風が乾燥して温かくなる フェーン現象 が起こります。
フェーン現象により気温が 上昇 し、湿度が 低下 するため、火災 などの災害が発生しやすくなります。こうした気圧配置を 日本海低気圧型 といい、春先には 春一番 の目安にもなっています。
したがって、発達した低気圧が日本海にあると、日本列島では南西風が強くなって気温が上昇し、日本海側ではフェーン現象が現れますので、答えは 正 です。

㉔本州をはさんで日本海低気圧と南岸低気圧が同時に存在して北東に進む気圧配置を、二つ玉低気圧型といい、秋に発生することが多く、全国的な秋晴れをもたらす。

二つ玉低気圧型 とは、本州をはさんで日本海低気圧と南岸低気圧が同時に存在して北東に進む気圧配置のことです。
この現象は主に 冬から春 にかけて多く見られます。
また、天気は全国的に 悪天 となり、雨や雪、強風、雷雨、さらには竜巻が発生することもあります。特に低気圧が 閉塞前線 を伴う場合は、激しい気象現象が起こりやすいため注意が必要です。
したがって、二つ玉低気圧型は「秋」ではなく「 冬から春 」に発生することが多く、全国的な「秋晴れ」ではなく「 悪天 」をもたらしますので、答えは 誤 です。

専門 短期予報・中期予報:高気圧・低気圧と天気 24問

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