実技の解説本に、下のページを見て天気図について慣れておくことが必要と記されていました。 気象の専門家向け資料集 | 気象庁
今日はその中の、「地上実況天気図と高層天気図について」のまとめてみました。
実技の過去問を2回分だけといてみましたが、やはり実況図の基礎基本を再確認しておくことは、大切です。復習の意味も込めてアウトプットします。
地上実況天気図と高層天気図
○実況天気図 日本周辺域 SPAS
・1日7回、3、6、9、12、15、18、21時の観測データをもとに、日本周辺域における実況天気図 の解析を行い、観測時刻の約2時間10分後に発表
○実況天気図 アジア太平洋域 ASAS
・1日4回、3、9、15、21時の観測データをもとに、日本周辺域よりも広いアジア太平洋域の実況天気図の解析を行い、観測時刻の約2時間30分後に発表

日本周辺域の実況天気図 SPAS
・等圧線は、海面更正した気圧
・太い実線は20hPaごと、細い実線は4hPaご と、細い破線は補助線として必要なときに2hPa ごと。
・高気圧は2hPaごとに解析し、最も内側の等圧線の気圧が中心気圧(hPa)

アジア太平洋域 実況天気図 ASAS
- 時刻は世界標準時「211200UTC FEB. 2019」は、2019年2月21日12時00分を示し、日本時刻では、9プラスし、同日21時00分
- 熱帯低気圧は「TD」
- 移動の速度は、ノット(KT)の単位で表示
- 特徴1 船舶の安全のために海上警報の発表状況等を示している点
- 特徴2 国際式天気記号表示


- 領域:アジア太平洋域の北緯0度~60度、東経100度~180度の領域
- 全般海上警報は、観測時刻から24時間先までを対象とした、海上警報の発表状況等を示す。
- 海上警報:船舶の運航に影響を及ぼす気象現象として強風、濃霧、着氷
- 海上警報の対象領域の指定の仕方には、以下の3種類
・低気圧や台風周辺の海域
・地形で区切られた海域(オホーツク海・日本海・ボッ海・黄海・東シナ海・南シナ海の6海域)
・緯度経度で区切った海域
高層天気図とは
- 300hPaと500hPaをまとめてAUPQ35
- 700hPaと850hPaをまとめてAUPQ78
- 500hPaの高層天気図を例に
- 高層天気図では、ラジオゾンデによる高層観測実況値を地点ごとに記入
- 実線や破線で示される高度や気温などは、観測データから大気の状態を解析した「客観解析」による。
- 実線で示されているのは等高度線(上空で500hPaとなる高度)のところを結んだ線
- 等高度線は、500hPaの高層天気図では、5700mを基準に60mごとで、線上にその値が120mごとに示されている。300mごとに、太実線で描かれています。
- 破線で示されているのは、300hPaの高層天気図では等風速線、それ以外の高層天気図では、等温線
- 高層観測地点の数字は上段が気温(単位は℃)、下段は気温と露点の差です。
- 矢羽根の向きは風向を示し、三角形のペナントが50ノット、長い線が10ノット、短い線が5ノット
・例として示した観測点では、気温が-2.5℃、気温と露点の差が7.0℃、西の風10ノット - 中国大陸等で、縦の点線や縦横の点線による格子の描かれた領域は、標高の高い領域です。標高1500m以上が縦線、標高3000m以上が縦横の格子で覆われます。
300hPa高層天気図 AUPQ35

- 等風速線が破線で描画…もっとも重要な着目点が、ジェット気流の検出
- ジェット気流は、総観規模の擾乱の移動や盛衰に密接に関係するため、その把握は、天気の推移を考えるうえで非常に重要
- 客観解析による等風速線や観測地点の風向・風速をもとに、風速の極大域を結ぶことにより(概ね80KT以上)、ジェット気流を解析
- 300hPa高層天気図では、上空の寒気の把握も行います。
- 一般に、上空の寒気については、500hPaの気温を目安とすることが多いですが、状況に応じて300hPaの寒気についても把握します。
- 300hPa高層天気図では、等温線は線ではなく、線上に値を羅列することにより示されています。
- この客観解析による等温線と、観測地点の気温をもとに、等温線を解析し、寒気の状況を把握します。
- 【300hPa高層天気図の描画要素】
- 等高度線(実線) 基準高度:9600m、 太線間隔:120m
- 等温線(線ではなく、線上に値を羅列) 間隔:6℃
- 等風速線(破線) 間隔:20KTごと
500hPa高層天気図 AUPQ35

- 重要な着目点は、トラフ・リッジの検出と、上空の寒気の把握
- トラフ・リッジを解析し、トラフは二重線、リッジはギザギザの二重線で記入
- 夏場の不安定の程度や、冬場の大雪をもたらす寒気の程度を見積もることなどを目的として、寒気の状況を把握します。
- これは、点線で示された等温線と、観測地点の気温をもとに、等温線を解析することにより行う。
- 【500hPa高層天気図の描画要素】
- 等高度線(実線) 基準高度:5700m
- 実線間隔:60m、 太線間隔:300m
- 等温線(破線) 間隔:3℃(寒候期は6℃)
700hPa高層天気図 AUPQ78

- 中層の湿りの状況などを確認する。
- 700hPa高層天気図でハッチのかかったエリアは、客観解析による、気温と 湿数が3℃未満の領域
- これと、観測地点の湿数により、湿数が3℃未満の湿った領域を緑色で塗る。
- 観測地点の湿数により、湿数が18℃以上の乾燥した領域を、黄色で塗る。
- 700hPa高層天気図ではこの他に、中層の流線解析を行う。
- 中層のトラフ・リッジを解析したり、中層の寒気の状況を把握したりする。(方法はいずれも500hPaと同様)。
- 【700hPa高層天気図の描画要素】
- 等高度線(実線) 基準高度:3000m
- 実線間隔:60m、 太線間隔:300m
- 等温線(破線) 間隔:6℃
850hPa高層天気図 AUPQ78

- 850hPa高層天気図では、主に流線解析を行う。
- 流線解析により、低気圧性・高気圧性の循環や、風の収束・発散などを検出し、じょう乱や前線等の状況について把握する。
- 観測地点の矢羽根をもとに、風の流れに沿って流線を解析します。
- 流線は、等圧線と異なり合流や枝分かれ、交差をすることもあります。
- 低気圧性の循環の中心に低気圧を表すL、高気圧性の循環の中心に高気圧を表すHを記入します。(低気圧性循環の中心にCyclonic circulationを表すC、高気圧性循環の中心にAnticyclonic circulationを表すAcを記入することもある。)
- 850hPa高層天気図ではこの他に、下層の湿りの状況を確認したり、下層の寒気の状況を把握したりします(方法はいずれも700hPaと同様)。
- 【850hPa高層天気図の描画要素】
- 等高度線(実線) 基準高度:1500m
- 実線間隔:60m、 太線間隔:300m
- 等温線(破線) 間隔:3℃(寒候期は6℃)
コメント
> 今日はその中の、「地上実況天気図と高層天気図について」のまとめてみました。
> 復習の意味も込めてアウトプットします。
しばらく(2日ぐらい)書き込みが途絶えていたので、沖縄へ出発してしまったのかと思っていたら…。
学習に夢中で日記更新に至らなかっただけだったんですね。
そんなに夢中になって、体を壊さないですか?